新型コロナウイルスのやっかいな特性、迫る複合災害の危機

kumamoto

避難所には周辺住民が殺到する。「三密」を避けるのは相当に難しい。(熊本地震)

2020年、世界は、かつて経験のない目に見えない恐怖「感染症」という災害に襲われています。もちろん過去にも新型インフルエンザなどの流行もありましたが、ワクチンや特効薬の開発によりすでに終息しています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、全体としてインフルエンザよりも致死率が高く、高齢者は特に重篤化しやすい、まだ決定的な治療薬が存在しない、無症状の感染者がウイルスを広げるという、これまでにないやっかいな特徴を持っています。

このため人と人との接触を避けるという、社会生活そのものを変革させる「新しい生活様式」が求められ、多くの人が経済的にも厳しい環境に追い込まれています。

しかし、コロナ禍に迫っている「災害」の発生は待ってはくれません。中でも我が国は、年初から日本列島全体で中規模の地震活動が活発化し、首都直下地震、南海トラフ巨大地震は発生直前といわれています。また毎年どこかで発生するようになった集中豪雨や台風による被害は今年もシーズンに入り、令和2年7月、九州全域を襲っています。

いくつもの厄災が重なってしまう「複合災害」の危機が迫っています。
 

感染症が蔓延しやすい「避難所」の環境

そんな中で被災地の避難所での感染拡大が懸念されています。過去の災害においても、インフルエンザやノロウイルスの集団感染などが発生していました。

残念なことに、すでに被災地へ支援に向かった人の陽性が確認されたこともあり、ボランティア団体も動くことができず、被災地では復興支援の人手不足が深刻な状態となっています。ボランティア参加者への事前のPCR検査など、国の緊急支援が必要でしょう。

現在の状況では、「防災」「救助」「復興」が必要な全ての被災地での救助・支援活動に、感染防止を意識せざるを得なくなったのです。

避難所という「密閉」「密接」「密集」を絵に書いたような場所では、ひとたび新型コロナウイルスの感染者が出れば、クラスターと呼ばれる集団感染が起こりやすい環境にあります。

現状では避難所の収容人員を減らし、スペースを確保する、マスクの常時着用や手洗いを順守させるなどが行われていますが、入所する市民も、感染症対策のための行動を順守するのはもちろん、物の共有や飲食物の分け与えなど、これまで美徳とされていたものを禁止せざるを得ません。

政府の指針としても、「避難場所は避難所が絶対ではない」として市民の分散避難を奨励するようにしていますが、目の前に迫る自然災害の危険から逃れる際に、避難所への避難を「感染したくないから」と躊躇して逃げ遅れることのないようにしてください。「マスク」「手洗い」「人との距離をとる」ことは、新型コロナウイルスの感染防止につながります。
 

避難グッズや過ごし方など、避難所における感染対策

マスク、除菌用ウェットティッシュ、アルコール除菌液等の他、体温計、液体石鹸も避難所へ持ち込もう

マスク、除菌用ウェットティッシュ、アルコール除菌液等の他、体温計、液体石鹸も避難所へ持ち込もう

では、避難所での感染対策は、どのように行うべきなのでしょうか。

まず避難グッズに加えて、マスク、除菌用ウェットティッシュ、アルコール除菌液等の他、体温計、液体石鹸などを持ち込むことが必要です。もちろん備え付けのものもあるでしょうが、「物の共有」はそれだけで感染の機会を増やしてしまいます。

そして、自分が体調不良を少しでも感じたら、運営側にすぐ伝えることも重要です。

また、新型コロナウイルスは床に飛んだ飛沫からの感染も懸念されていますので、元気に床に転げまわる小さなお子さんなどが、お年寄りにウイルスを感染させてしまわないように行動を制限させることにも気を配りましょう。

主要な感染場所となりうるトイレなどの後は、特に手洗いや消毒を入念に。飲食の前には必ず手洗いを励行するなど基本的な感染対策を徹底して行いましょう。

また、ボランティアや被災地支援など、地元以外の県外への活動を行う前に、被災地の自治体が県外からの支援者を募集しているかどうかを確認の上、ほんの少しでも健康不安がある場合には被災地には赴かないこと、募金への協力などにとどめるようにしておきましょう。

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