コロナ禍の今年は、多くの海水浴場が閉鎖になっているため、結果、水難事故はかなり減ると思われるでしょう。しかし、警察庁の統計によると、本年と同じように多くの海水浴場が閉鎖された令和2年夏期(7~8月)の水難事故の発生件数は504件と前年比43件の増加、水難者は616人と22人の増加、死者・行方不明者は262人と23人と大幅に増加しています。

これは何が原因なのでしょうか。また意外な水難事故の原因とは?
 

水難の死亡事故原因1位「釣り・魚とり」、その理由は?

夏に急増する水難事故。実際には全国で事故として報告されている数十倍の「事故直前」の状況が発生していると考えられます。

そして意外なことに思えるでしょうが、その原因は「釣り・魚とり」が常に上位にきています。そして二番目には「水遊び」、三番目に「遊泳中」が入ります。  また、中学生以下のお子さんに限っての水難事故に至る原因の第一位は「水遊び」であり、過去のデータにおいても、常に半数以上を占める数字を示しています。
死者・行方不明者の行為別構成比の推移(令和2年夏期における水難の概況/警察庁)

死者・行方不明者の行為別構成比の推移(令和2年夏期における水難の概況/警察庁)

一位「釣り・魚とり」、二位「水遊び」に関しては、着衣のまま落水して溺れてしまい、うまく泳げずに流されてしまうことが事故に至ってしまう大きな原因と考えられます。

水辺のレジャーを楽しむためには、年齢に関わらずライフジャケットを着用することが必須となります。また、体のサイズに合った物を選び、正しく着用することも大切です。
 

海水浴客が大幅に減る中、なぜ水難事故は増加した?

そもそも、海水浴客の総数は大幅に減っている中、なぜ水難事故がこんなに増加したのでしょうか。それは空前のアウトドアブームとレジャーの多様化があり、海水浴場以外の、様々な水辺を訪れる一般市民の総数が実際には増えていることが予測されています。

サーフィンやボートといったマリンスポーツ中の死者・行方不明者は16名と全体の6%程度に留まっています。一方で「釣り・魚とり」の死者・行方不明者は73名の約28%とやはり圧倒的に多くなっています。また過去5年間でも常に一位を占めているのです。
死者・行方不明者の行為別構成比の推移(令和2年夏期における水難の概況/警察庁)

死者・行方不明者の行為別構成比の推移(令和2年夏期における水難の概況/警察庁)

 

海辺の危険な場所での事故を防ぐには?

海辺の危険な場所での事故を防ぐには?

海辺の危険な場所での事故を防ぐには?

海は一見穏やかに見えても、命を落とす可能性のある様々な危険が存在します。それはライフガードなど監視のある海水浴場でも例外ではありません。

親がちょっと目を離した隙に小さなお子さんが波打ち際の足のつく場所で溺れてしまったといった事故例も報告されています。お子さんを連れている場合、保護者のほんの少しの油断が事故を生み出すことを心得ておきましょう。

海の底の深さは、「遠浅」といわれている場所でも実は一定ではありません。急な深みや、はまると出にくい、落とし穴のような海底の地形があることも知っておきましょう。通常、波の高いときは遊泳禁止になりますが、晴れていて穏やかな状態でも、突然大きな波が岸辺を襲うこともあります。実際に波打ち際で波に巻かれ、大怪我をするような事故はそんなに珍しいことではありません。

また、どんな海水浴場でも「離岸流」といわれる沖に向かう潮の流れは発生しています。もしわからなければ、ライフガードにどこで発生しているのかを聞いておきましょう。
離岸流 出典:海上保安庁ホームページ

離岸流の仕組み/出典:海上保安庁ホームページ

夏休みに岩場を訪れると、小さなお子さんを連れた家族を良く見かけます。小さな時に海の生物観察をさせることはとても良い体験です。そういった経験を否定するわけではありませんが、岩場にも思わぬ危険がいっぱいです。突然の波で落水したり、尖った岩で大怪我を負うこともあります。さらに致死性の毒を持つタコ、海ヘビ、背ビレに猛毒のある魚が潮溜まりには数多く存在します。決してうかつに触れないようにしましょう。

常にライフジャケットにマリンシューズ、専用の手袋などをして十分に注意しておくことが肝心です。

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