「若い」ことは、いいことなのか?

若いですね

アラフォー以上の人は、「若いですね!」と言われるとうれしいものですが、それは、本当に喜ばしいことなのでしょうか? 若さにばかりこだわるようになると、歳を重ねることに対して、肯定できなくなってしまうところもありますしね。

でも、特に日本では「若いですね!」というのは褒め言葉になりがちです。そこにある背景は何でしょうか。

 

なぜ、「若いですね!」と褒めるのか

そもそもどうして人は、「若いですね!」と褒めるのでしょうか。一番の理由は、そう言って褒めると、「相手に喜ばれると思っているから」というのがあるでしょう。つまり、“言われる側の価値観”につながっているのです。

でも、これは誰に言っても喜ばれる言葉なのでしょうか。20代前半の人は、「若いですね!」と言われても喜ばないでしょうし、実際に、若い人に対しては当たり前の言葉すぎて、言う人も少ないものです。「リンゴが赤いですね」くらいの話ですしね。

逆に、褒める側のほうを考えてみても、 “若くないと思っている年齢の人”に対して、「若いですね!」という褒め言葉が出るものです。だから、言われれば言われるほど、「若くない(年齢の)人だと思われている」ということでもあるのです(苦笑)。そう考えると、微妙な褒め言葉だと思いませんか?

それでも、なぜ「若いですね!」と言われると喜ぶ人が多いのかというと、それは「若いことが魅力である」と思っているからです。そういう価値観がはびこっているということです。でも、気を付けないとそれは、「歳を重ねることを肯定しない」ことにもつながってしまうのです。

 

若さよりも成熟のほうが魅力

そもそも「若いこと」は、そこまで褒めるべきことなのでしょうか。それよりも「歳を重ね、長い月日をがんばって生きてきたこと」のほうがよほどすごいことであり、褒めるべきことだとも言えます。

もちろん、ただ単に生物学的なことで言えば、若い方がいいものです。でも、内面的なことで言えば、若さは未熟さにもつながります。成熟していることのほうが、人としては魅力がありますしね。

つまり、一般的には褒め言葉だと思われていて、相手は良かれと思って「若いですね!」と言っているのだとしても、言われる人によっては、あまりうれしくない言葉である場合もあるのです。特に、「歳を重ねることこそが、人としての成熟に繋がり素晴らしいこと」だと思っている人にとっては、です。

でも、残念ながら、そういう人はそんなにいません。「歳をとることは、悲しいことだ」という価値観を持っている人が少なくないからです。でも、もう少し“歳を重ねることで出てくる美しさ”に注目できる人が増えていくと、世の中の価値観は成熟していくのかもしれません。

 

「成熟している」ことが、もっと評価される世の中に!

では、“歳を重ねることで出てくる美しさ”とは何なのでしょうか。例えば、人生の酸いも甘いも知って、心の器を大きくしてきた人は、佇まいが落ち着いてきて、顔が優しくなってきます。さらに、欲望に振り回されなくなり、あるがままを受け入れられるようになった人には、おだやかな雰囲気が漂うものです。

つまり、本来、目指すべきことは、“歳をとっても若く見られる人”ではなく、“歳を重ねてきたことで、魅力的に見られる人”になることではないでしょうか。若さというのは、すべての人に一定期間与えられるものであり、いつかは必ずなくなるものです。そんなものよりも、努力をすれば永遠に保つことのできる「人としての美しさ」に気付いてもらって褒めてもらうことのほうが、本来は素敵なことです。

だからこそ、そろそろ「若いですね!」という言葉で喜ぶのは、やめませんか? 私たちがいかに“美しい歳の重ね方”を見せられるかによって、今後、世の中の価値観も変わってくるかもしれません。「若い」ことよりも「成熟している」ことが評価される世の中にしていきたいものですね。
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