主人はお金に無頓着でお金を借りることやローンに何の抵抗もありません

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、夫が自営業を廃業したものの借金が残ってしまったことで悩む45歳の主婦の方。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

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夫が自営業を廃業し借金が残ってしまいました

夫が自営業を廃業し借金が残ってしまいました




■相談者
たまごママさん
女性/会社員/45歳
九州/借家
 
■家族構成
夫(会社員/46歳)、子ども2人(13歳、10歳)
 
■相談内容(原文ママ)
夫が自営業をしておりましたが、経営が上手くいかず、1年前に廃業しました。国民金融公庫(現・日本政策金融公庫)からの借金が約540万円残っており、月に約10万円の支払いがあります。夫は廃業後から正社員として働きだし、保険を解約して借金の返済にあてていましたが、底をついたため、家計から支払うことになりました。私は、2カ月前までパート勤務でしたが、最近正社員として働きはじめました。月収が15万円程度です(ボーナスは約45万円ですが、最初の支給は半年以上先)。主人は来月よりボーナスが年間30万円程度入る予定です。
 
主人はお金に無頓着で、実家も自営業だったため、お金を借りることやローンに何の抵抗もありません。毎月の保険代の支払いが多いため減らしたいと思っているのに、さらに追加して傷害補償のついた会社の共済に入ろうと考えています。子どもの学費がかかってくるのに、借金を返済しながらやっていけるのかがとても不安です。生活はもっと切り詰めていく必要があると覚悟はしています。アドバイスをよろしくお願いいたします。
 
■家計収支データ
相談者「たまごママ」さんの家計収支データ

相談者「たまごママ」さんの家計収支データ



 
■家計収支データ補足
(1)収入について
まだお給料をもらっていないので、手取り金額がわからないのですが、15万円ぐらいになるかと思います。児童手当の2万円は、1万円ずつ子ども名義で普通預金に貯金しています。
 
(2)国民金融公庫からの借入について
1. 借入残高 193万8000円
利率 1.81%
毎月返済額 元金3万8000円、返済の残り50回
 
2. 借入残高 256万2000円
利率 1.16%
毎月返済額 元金6万1000円、返済の残り41回
 
毎月の支払額が多いため、返済期間は延びますが月々の返済金額を減らしてもらえないか相談中。
 
(3)貯蓄について
月2万円を自動積立していますが、夫の収入が全くない時期が続き、取り崩したため、現在は53万円です。残りは、生活費や教育費の引き落とし用普通口座に多めに入金していたものの残高が57万円になります。学校指定銀行の引き落としになるため、引き落とし口座を一つにまとめることができません。
 
(4)家計収支について
生活費の残った金額と貯蓄をかき集めて、毎月の支払いにあてている状況です。
 
(5)加入保険について
夫/変額保険=毎月の保険料8864円
夫/変額個人年金保険=毎月の保険料月1万1550円
夫/がん保険=毎月の保険料3585円
夫/低解約返戻金型終身保険=毎月の保険料9598円
 
本人/がん保険=毎月の保険料3140円
 
第1子/共済(入院5000円、通院2000円)=毎月の保険料1000円
学資保険としては、変額保険を払い込み済。
第2子/共済(入院5000円、通院2000円)=毎月の保険料1000円
夫の低解約返戻金型終身保険を学資保険代わりとしてかけてます。
 
(6)自動車について
現在、軽自動車を2台所有しており、自動車ローンはありません。どちらも名義は私です。私は車通勤で毎日乗りますが、夫はバイク通勤になったため1台は週に1回しか乗りません。駐車場代の節約のため、2台分借りていた駐車場を1台にし、1台は実家に停めさせてもらうようにしました。そのため、家賃が8000円下がりました。あまり乗らない1台は今年車検のため、それまでは乗るようです。夫は原付バイクでの通勤が不服のようで、125ccのバイク(約30万円)を購入しようと考えています。私が通勤に使っている軽自動車は、10年ぐらいで買い換えが必要かと思います。
 
(7)お子さんの進路について
子どもの進路は、高校までは公立に行ってもらいたいです。本人の希望にもよりますが、大学に進学するなら私立になるかと思います。自宅から通える範囲を希望します。
 
(8)公的年金の加入状況について
公的年金は、夫は厚生年金→国民年金→厚生年金。私はパート勤務の時から厚生年金です。全額免除期間があったのですが、追納できずじまいで、予定受給額は 夫が月10万269円、私が月8万8348円です。
 
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 返済期間を延長し、その間に赤字解消、貯蓄体質に
アドバイス2 子どもの教育費は授業料無償化と、大学は学資保険で
アドバイス3 加入保険の見直しで必要な保障を得ること。長く働くこと
 

アドバイス1 返済期間を延長し、その間に赤字解消、貯蓄体質に

この段階で相談を寄せてくださってよかったです。これ以上の借金はダメです。幸い、たまごママさんが正社員として働き始められたとのこと。ここから挽回していきましょう。借入金の返済期間延長を相談中とのことですので、その結果次第になりますが、2年延長できれば、先の見通しが立ってくるでしょう。
 
毎月の給与収入が36万円。児童手当の2万円は子ども名義で貯蓄されているので、これはそのまま続けてください。毎月の支出は、返済を除くと、27万7500円。収支は8万2500円の黒字。借金の返済さえなければ、児童手当を含めて毎月10万円程度は貯蓄できる家計だということで、まず、そこは自信をもってください。
 
返済を2年延長すると、おそらく返済額3万円程度は減額になると思われます。そうすると、毎月の収支の差は1万3500円になりますが、これは予備費として考え、まずは、毎月の収支はトントンになるようにし、赤字を出さないようにしてください。貯蓄は児童手当の2万円のみとなりますが、今は、赤字を出さないことが大事です。それと同時に、ボーナスが、早ければ今年の夏に支給予定ですから、そこまでは乗り切ってください。
 
今後、6年間は、毎月の収支はトントン、ボーナス75万円から60万円を貯蓄するようにしてください。年間60万円で6年後には360万円貯められています。そして、6年後には借金返済は終わっています。
 
当面は、赤字を作らないこと、ボーナスで確実に貯めること、肝に銘じてください。
 

アドバイス2 子どもの教育費は授業料無償化と、大学は学資保険で

問題は、その間に、お子さんの教育費がかかってくることです。ただ、高校については、授業料無償化によって、実質免除が受けられますから、学校外費用のみ予算組みしてください。大学については、それぞれに用意されている学資保険の満期保険金と、貯蓄でまかなうことになるでしょう。
 
場合によっては、その時点で、預貯金は底をついてしまうかもしれませんが、6年後から、再スタートが切れ、それまでの借金返済分を貯蓄に回していけますので、決して悲観しないでくださいね。
 
6年後は、ご主人が52歳、たまごママさんは51歳。定年退職までは8年、9年あります。借金返済が終われば、毎月10万円程度の貯蓄ができ、ボーナスと合わせて、年間180万円貯めることができます。貯蓄体質の家計に変わっているはずです。8年で1440万円。定年退職後もできるだけ長く働いて、貯蓄の取り崩しを可能な限り、あと送りにしていけば、過剰に不安になることもないでしょう。
 

アドバイス3 加入保険の見直しで必要な保障を得ること。長く働くこと

以上のことを踏まえると、現段階で生活コストを抑える工夫も、大事なことです。
 
趣味娯楽費と家族の小遣いは、少し見直してもいいかもしれませんし、電気ガス水道代は節約を心がけるといったことも必要でしょう。
 
保険は節約というよりも、家庭の状況に見合ったものになっていないので、早めに見直しを行ってください。具体的には、ご主人の保険のうち、変額終身保険と変額個人年金は、払い済みにして、以降の保険料の支払いをやめてください。保障はここまで支払った保険料に相当する額が残ります。
 
そのうえで、改めて、ご夫婦それぞれで、保障1000万円、保険期間10年のシンプルな定期保険に加入するようにしてください。保険は貯蓄ではありません。万が一のことがあった場合、家族の生活を守るために最低限必要な保障です。加えて、子どもの共済は不要です。自治体の医療費助成もあると思いますので、確認してみてください。
 
変額終身保険と変額個人年金、共済で浮いた2万2000円を新規に加入する保険に充当しても、1万5000円程度は残るので、毎月の貯蓄ができるようになるでしょう。
 
日々の生活にかかるコストをいきなり下げるのはストレスが溜まります。まずは保険を見直して、徐々に生活費の見直しをしていけばいいと思います。
 
最後に、ご主人のバイクですが、最初のボーナスが出たらその範囲内で購入し、その代わり、それ以降のボーナスは必ず貯蓄していくようにしてください。
 
ご夫婦でもお金に対する意識は違うものですが、借金を重ねていいわけはありません。たまごママさんはしっかり者とお見受けしますが、どうぞ、ご夫婦で返済と貯蓄について、きちんと話し合いをされてください。6年後、もう一度、ご相談をお寄せくださいね。その時点でアドバイスできることは変わっていると思います。再スタートに向けて、頑張ってください。
 

相談者「たまごママ」さんから寄せられた感想

先生からアドバイスをいただき、今からでもなんとかやっていけるという希望が持てました。月々の返済金額も5万円減額されそうです。その分返済期間は延びますが、少しでも貯蓄して繰り上げ返済し、早く借金を返済できるようにしたいと思います。転職したばかりで、精神的にも体力的にも厳しい日々が続きますが、お金のことで子どもたちに苦労はさせたくないので、頑張りたいと思います。ありがとうございました。


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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子



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