コロナ離婚が懸念される訳とは?
コロナ離婚に陥る夫婦のパターンとは……
そこで今回は、「コロナ離婚」の危機に陥る夫婦の原因・理由パターンを考察し、夫婦関係修復ヒントもあわせてご紹介します。
▽参考記事
新型コロナウイルスがもたらす新たな危機!?「#コロナ離婚」のリアル
【コロナ離婚・目次】
<コロナ離婚危機の原因・理由>
<コロナ危機でも夫婦関係を修復する方法>
「コロナ離婚」危機の原因・理由1:家事負担への無理解
■トイレットペーパーを買うのに協力するのは「くだらないこと」?Aさん(46歳)は結婚17年。中高生の子どもたちは休校で、夫は自宅勤務、Aさん自身はパート先から自宅待機になりました。夫婦ともに苛立ちを募らせるなか、デマの流布をきっかけに店頭から消えたトイレットペーパーもいまだに手に入らず、気を揉む日々。ところがある日、運よく品出しの時間に立ち会い、トイレットペーパーを発見。一人ひとつまでと制限付きであったため、夫に電話をかけて「今すぐ来て」と告げました。
夫は何かあったのかと駆けつけてきましたが、用件を聞いて「くだらないことで呼びつけて」と激怒。Aさんはくだらなくないと反論、怒鳴りあいの喧嘩に発展してしまったといいます。
■妻が習慣的にこなしている家事を知らない
夫が「トイレットペーパーがあと2ロールしかない」と叫んだ日、Bさん(49歳)は愕然としました。普段から消耗品は1、2ヶ月分買い置きしておくというBさんの用意周到な性格を、夫は結婚19年目になってもわかっていなかったのです。家族の生活が滞りないよう、自分がいかにちゃんと用意しているのか、思い知らせてみよう。そう考え、「わあ、大変。どこかで見つけて買ってきてよ」と頼みました。
夫は近所のスーパーやドラッグストアを回ったようでしたが、しばらくして「どこにもないよ」と肩を落として帰宅し、「そもそも、おまえが買っておかないからいけないんだろ」と逆ギレ。Bさんは「同じように働いているのに家の消耗品の補充はいつから私に決まったんですかね」と嫌味を返しました。こんなことで口げんかをするとは情けないと思っても、夫が家庭の細かいことを妻任せにしていることを知らせるには、やはり今しかないと考えたそうです。
コロナ・ショックが、家族の家事負担への無理解をあぶり出して……
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昨今の夫婦関係における妻たちの本音!?「うちの夫は使えない…」
「コロナ離婚」危機の原因・理由2:家事・育児の不満
■夫が普段いかに何もしてないかがわかったCさん(37歳・パート主婦)は在宅勤務になった夫に、家事の分担を提案したところ『もともと家事は得意だからまかせて』と二つ返事で承諾。ところが、いざ夫にやってもらうようになってイライラが止まりません。
「洗濯をしようとしても『洗剤はどこに置いてあるの?』『柔軟剤って、いつどこに入れるの?』などと、今どき幼稚園に通う子どもでも知っている質問をしてくる始末。『今までそんなことも知らなかったの?』と、毎日夫からくだらない質問をされるたびにウンザリ」
■「お手伝い」も満足にできないのにイクメン気取り?
Dさん(33歳・メーカー)は在宅勤務になって、夫が2歳の子どもの世話を手伝うようになりました。しかし、寝かしつけを頼んでも、夫のほうが先に寝てしまい、隣で子どもが泣いているのにも気づきません。お風呂をお願いしても、一緒に湯船につかるだけでどこも洗っていないままだった、ということも。
本人は「やれているつもり」という意識の差にイライラが……
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コロナ離婚が現実に!?「在宅勤務の嫌われ夫」たち
「コロナ離婚」危機の原因・理由3:危機感を共有できない
■ウイルスを家庭に持ち込む可能性があるのに……Eさん(40歳・専業主婦)の夫は、トイレに行っても手を洗う習慣がこれまでもなく、何度注意しても聞き入れようとしませんでした。コロナの一件でもその衛生観念には変化がなく、外出先から帰宅しても手を洗おうとしません。
「夫がどうなろうと構わないが、ウチにはまだ小さな子どもがいるのに、手を洗おうとしない夫がイヤでたまらない」とEさん。子供達を守るために、家を離れることも考えているといいます。
衛生観念の食い違いは、コロナ禍の家族にとっては重要な問題
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コロナ離婚が現実に!?「在宅勤務の嫌われ夫」たち
「コロナ離婚」危機の原因・理由4:生活の変化によるストレス
■自営業の店が臨時閉店になった夫が、子どもに暴力的な言動を……Fさん(パート・45歳)の夫は飲食店を経営する自営業。コロナショックにより臨時閉店を余儀なくされた辛さからか、発達障害を持つ我が子にアレコレとダメ出しをするようになりました。Fさんが、障害を持つ子どもには叱ったり怒鳴ったりしても意味がないのだと繰り返し伝えても、聞く耳を持ちません。
泣き叫ぶ子どもをなだめるだけで手一杯の毎日だというFさん。「私の堪忍袋の緒が切れるまで、秒読み段階に入っている気がします。早くコロナが収まってくれればいいのですが……」と語ります。
コロナ・ショックのストレスの矛先が家族に向くことで、DV増加の懸念も
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「コロナ離婚」危機の原因・理由5:経済的な打撃による不安
■仕事がなくなった夫を「無職のクセに!」と罵る妻こちらは「コロナ離婚」を検討している夫目線のエピソードです。Gさん(52歳)は、イベント関連の会社に勤めていましたが、コロナ禍により仕事が全滅。2月中旬から全ての仕事がなくなり、今は勤め先からいずれくるであろう解雇通知を待つばかりの生活です。
先行きも不安ですが、何よりの懸念は妻(専業主婦)の小言が増えたこと。現状、給料は保障されていますし、副業禁止の会社なので、今後の方針が決まるまではアルバイトをする訳にもいかないという事情がありますが、妻はなにかと「無職のクセに!」と罵ります。
Gさんが朝起きるなり「洗面所に髪が1本落ちてた! ちゃんと拾えよ、無職だろ!」と怒鳴り、買い物で頼まれた品がなかったため別のものを買って帰ったら「ロクに買い物もできない無職ジジイ!」。妻のあまりの剣幕に、子どもたちも怯えた表情。Gさん本人だけでなく、家族そのものがダメになるのではという思いから、子どもと相談して離婚を考えるようになりました。
お金の不安から精神的に追い詰められてしまう
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44歳パート、貯金30万円。夫のリストラで自宅売却も検討中。新型コロナで月収も3万円減り……
「コロナ離婚」危機の原因・理由6:不倫が発覚
■こそこそと電話して、「愛してるよ」と……Fさん(42歳)は、3歳年上の夫ともども在宅勤務に。ある日、夫がリビングを抜け出して電話している様子にイヤな予感を感じて気づかれないよう近くに寄ると、夫はFさんには言ったことのないような甘い声で「大丈夫だよ、またすぐ会えるよ」「愛してるってば。いつも言ってるだろ」と囁いていました。
電話が終わり、Fさんに気づいた夫は「部下からいろいろ悩みを相談されちゃってさ」と言い訳。Fさんは「へえ、あなたは部下から相談されると、愛してるって言うんですか、へえ」と返しました。経済的なことや子どものことを考えると今すぐ離婚を切り出しはしないが、愛想を尽かしてしまったといいます。
コロナによる外出自粛で、自宅で不倫相手と連絡をとっていたことが発覚
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不倫相手とこそこそ!? 在宅ワークで見えてしまった夫の別の顔
コロナ離婚における夫婦関係の修復ヒント
コロナ離婚をしないために
コロナ禍のさなか、夫婦に降りかかる離婚の危機を回避するヒントをご紹介します。
家事・育児負担の偏りは、リストアップして再振り分け
家事や育児といった家庭内の仕事の分担に偏りがあり、またそのことについて互いに理解しあえていないと感じるようなら、まずは家事負担をリストアップしてみましょう。以下の5つのステップを意識するのがおすすめです。■家事負担をリストアップする5つの手順
家事を表にしていく(出典:手を抜けないママたちへ ~家事を可視化してみよう~)
- それぞれの家事について、1週間に家庭内で行われている日数(頻度)を記入する
- それぞれの家事について、自分が担っている割合(担当%)を書き入れる
- (頻度)と(担当%)をかけた数字(時間)を出す
- (時間)が多い順に番号(順位)をふる
気持ちの負担度をプラスして、家事を図式化(出典:手を抜けないママたちへ ~家事を可視化してみよう~)
A:時間も労力も費やしているけれど、気持ちの負担はそれほどでもないという得意分野。それだけにこだわりが強く、家族からは家事ではなく「趣味」だと認識されているため、高い自己評価に対して周囲からの評価は期待したほどではないというケースも。
B:頻度が低い、あるいは、頻度は高いけれど家族内ワークシェアに成功しているエリア。
C:苦手意識が強いために「やらなければ」と思うだけで気が重くなり、取りかかるまでに時間がかかりがち。実際の作業よりも精神的な負担が大きいエリア。
D:苦手分野であり、消耗が激しいエリア。面倒くさかったり気が重かったりするのに、義務感で仕方なくやっていることが多い。
このうち、見直しと家族への再分配を特に進めるべきなのはDエリア。苦手意識はあっても「家族の生活に必要なこと」「自分がやらなければいけないこと」と頑張って作業しているのに、家族からの評価が得られず不満は募るばかり……というケースは多々あります。
義務感や必要性を感じて頑張っていたけど、実は家族に確認してみると「もっと省エネでも問題ないエリアだった!」ということがあるかもしれません。面と向かっては確認しづらければ、頻度やクオリティーを落としてみて、家族が気付かなければ問題はないということです。
見直しを機会に、家事を家族に分配しましょう。その際には「この家事は実は苦手だし、嫌い」とカミングアウトしてみるのがおすすめです。「いつもやっているのだから、こだわりを持って好きでやっているのだろう」という誤解が解けるきっかけになかもしれません。夫のみならず、子どもができることを増やしていくチャンスにも繋がることでしょう。
▽参考記事
手を抜けないママたちへ ~家事を可視化してみよう~
「価値観の違い」問題は相手のルーツから理解を深める
衛生観念の違いに限らず、価値観の違いは夫婦を離婚に導く大きな理由になりえます。人の価値観は、生まれてからこれまでの人生の中で形成されてきたもの。そもそも、ある程度は価値観が一致しているからこそ夫婦になった人が大半でしょうが、とはいえ夫婦も違う人間。共に生活し、人生を歩んでいく上で、一致しない部分が露呈してもなにもおかしいことはありません。そんな時には、夫婦で「相手のルーツを探る」作戦に出てみると、互いへの理解が深まり、価値観の不一致を乗り越えるカギになるかもしれません。夫婦それぞれが大人になるまでに経験した大きな出来事や感銘を受けたことなど、あらゆる項目について書き出すことで、問題となっている価値観を形成するに至った理由が見えるのです。
例えば、パートナーがお金に厳しいことが問題視されている場合。ルーツを探ってみたら子ども時代に父親の事業の失敗により大変な苦労をして育っていたことがわかり、「この人はお金に苦労してその大切さが身に染みているから、うるさく節約するのだ」と理解が深まる、というように。価値観のルーツを知り、相手への理解が深まることで、問題は一歩前進します。
▽参考記事
夫婦の価値観の違いはこう乗り越えよ!
DV被害にお悩みの場合は相談を
DV被害の増加・深刻化が懸念されています
- DV相談ナビ
電話番号:0570-0-55210
最寄りの窓口へ自動転送され、各都道府県の中核的な相談機関に繋がります。相談や連絡に関する秘密は守られます。相談は、各機関の相談受付時間内に限られます。 - DV相談+(プラス)
電話番号:0120-279-889
コロナ対応で機能が拡充され、電話・メールは24時間受付中。チャット相談の場合、受付時間は12:00~22:00です。面談、同行支援などの直接支援や、安全な居場所の提供も可能。 - 児童虐待相談窓口
電話番号:189
通告・相談は匿名でも可能。近くの児童相談所に繋がります。
新型コロナウイルス対策における主なメンタルヘルス施策について/厚生労働省
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