かくいう僕自身、3月に株価が暴落したときには、ここぞとばかりに株を買い増ししました。お買い得価格でたっぷり株を買えたので、とても満足しています。
今回は、この記事に関連して「株価暴落時、つみたてNISAなどの積立投資でやってはいけないこと」についてお話しします。
株価暴落時につみたてNISAなどの積立投資はどうするべき?
やってはいけないことその1:損切り
損切りとは、下がった株を売って、評価損を実現損に振り返ることを指します。個別株投資で危険な株を買っていた場合は別として、つみたてNISAやiDeCoなど、積立投資を行っている場合、損切りが逆効果となる可能性が高いので注意が必要です。先にも触れたとおり、「株式投資は暴落した後が最も安全だし魅力的」です。株価が下がったときに損切りすると、持っている投資信託を安売りしてしまうことになります。
買い付けた投資信託の価格がみるみる下がり、含み損が膨らむのは怖いものです。ですが、だからといって、「財産を安売りしてしまう」のは考えもの。
株価が下がると、「今売って、安くなったら買い戻そう」とする方もいます。しかし、よくよく考えてみてほしいのですが、誰が好き好んで、安い価格で投資信託を売ってくれるのでしょうか?
一般に、株式投資の平均利回りは「年5%」といわれます。これは、バブル崩壊やリーマンショックなど、数々の危機を含めての利回りです(1)。長い目で見ると投資信託は「持ち続けたほうが有利」なことが多いです。
今売っても、安く買い戻せる保証はどこにもありません。だからこそ、怖いという理由だけで安売りすべきではありません。
やってはいけないことその2:買い過ぎ
先にも触れたとおり、「株式投資は暴落した後が最も安全だし魅力的」です。だから、株価が下がったときは、欲張ってたくさん株を買うのが正解でしょう。しかし、「欲張るのが正解」とはいっても、「欲張り過ぎ」は禁物です。それこそ、失ってはいけないお金に手を付けたり、借金をしてまで積立額を増やすのは危険なので止めましょう。
株式市場は「行き過ぎる」ことがよくあります。「行き過ぎる」とはつまり、「安過ぎるくらいまで株が売られる」ということです。
どれだけ投資信託がお買い得だったとしても、「もう価格が下がらない」という保証はありません。株価暴落時につみたてNISAやiDeCoで買い過ぎてしまうと、失ってはいけないお金を失ったり、借金を返せなくなったりする恐れがあるので注意しましょう。
特に、株式投資の最大の利点は「自分自身は借金のリスクを追わずに、出資先に借金のリスクを肩代わりしてもらえること」です。借金をしてまで積立投資をすると、せっかくの利点が台無しになってしまうので止めましょう。
積立投資はほどほどのペースで続けよう
まとめると、株価が暴落したときは、- 「株を売るなどしてブレーキをかける」こと
- 「株を買い過ぎてアクセルを踏み過ぎる」こと
「株式投資は暴落した後が最も安全だし魅力的」ですから、ベストな対処としては、「ほどほどにアクセルを踏み込むこと」と考えられます。意味があるくらい早く、そして長く続けられるくらい遅く。ほどほどのペースで、積立投資を続けるとよいでしょう。
【参考文献】
- 論文:山口勝業, 2016, "株式リスクプレミアムの時系列変動の推計 --日米市場での62年間の実証分析", 証券経済研究, 93, pp. 103-111
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