アフターピルは日本では受診が必要な処方薬……海外では薬局購入が可能な国も

医師の問診を受ける女性

避妊に失敗してすぐに服用したい場合でも、日本でアフターピルを購入するためには医師に処方してもらう必要があります


避妊に失敗してしまったときの緊急避妊薬として使われる「モーニングアフターピル」。日本で購入する場合は婦人科などを受診して医師に処方箋を書いてもらう必要がありますが、海外では処方箋は不要で薬局で購入できる国も珍しくありません(詳しくは前記事「日本はピル後進国?」を参照。「The International Consortium on Emergency Contraception(英語)」という媒体でも詳しく紹介されています)。
 
諸外国に比べると、日本ではやや購入のハードルが高いアフターピルですが、今後は購入のハードルが下がる可能性もあります。その場合でも適切に使用できるよう、正しく理解を深めておくことが大切です。
 

アフターピルの避妊率は100%ではない! 安易な乱用には注意を

まず大前提として押さえておいていただきたいのは、アフターピルはあくまで「避妊に失敗した時に緊急的に飲むもの」であり、さらに、アフターピルを内服したからといって「100%避妊できることが保証されるものではない」という点です。

アフターピルの内服による避妊率は、低用量ピルの内服による避妊率ほど高くありません。「避妊に失敗したらアフターピルを飲めばいい」と考えるのはやめましょう。
 

確実な避妊法として効果が高いのは「アフターピルより低用量ピル」

緊急避妊薬としてのピルが「アフターピル」「モーニングアフターピル」とも呼ばれるのは、妊娠を望んでいないにもかかわらず避妊に失敗してしまった時や、そもそも避妊をせずに性交渉をしてしまった時に、緊急的な避妊の手段として翌朝に内服されることが多いためです。

ピルの種類にもよりますが、アフターピルは性交渉後3日以内ないしは5日以内に内服する必要があります。服薬する時間が遅くなるほど避妊率が低くなるというデータもあります。多くはないとは思いますが、もし普段から確実な避妊をしておらず「もしもの時はアフターピル頼み」の状態の方や、何度もアフターピルを処方してもらっている方は、注意が必要です。

アフターピルには、妊娠を防ぐための一定の避妊効果はありますが、翌日重要な仕事などで迅速に医療機関を受診できなかった場合や、年末年始などで医療機関が休診中の時など、すぐにアフターピルを処方してもらえないというケースもあるでしょう。また、旅行先などで避妊に失敗した場合も、アフターピルを求めて知らない土地で医療機関を探さねばならないというのは現実的には少し大変なことだと思います。海外旅行先でも、国によっては日本と同様に医療機関を受診しなくてはならず、簡単には入手できないこともあります。そうして服用しても、アフターピル服用後の妊娠率は「1.4~3.2%」であり、稀に妊娠を防げないこともあるのです。

これに対して、低用量ピルを継続して1年間、毎日内服した場合の妊娠率はわずか「0.3%」です。アフターピルを内服することによる妊娠率よりもはるかに低く、高い避妊効果があることが分かると思います。男性まかせのコンドームによる避妊はやぶれたり外れたりすることも多いため、女性主体でできる低用量ピルの内服はより確実な避妊法だといえるでしょう。
 

効果の差や違いを理解した上で、アフターピルについての正しい知識を

アフターピルは避妊のために内服するのではなく、あくまで避妊に失敗した時に飲むものです。女性が主体的にできる避妊法は低用量ピルの内服が最も容易で、避妊効果もアフターピルより断然高くなります。これらを正しく理解した上で、万一の場合に備えて、アフターピルの効果があるタイミングや、国によって購入方法が違うことなどの知識を持っておくことはとても大切だと思います。
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