女性の健康

妊活中に意識したいタイミング!食べ物・お酒・サプリの選び方

妊活に大切な、妊娠するためのタイミング、妊活中の女性におすすめの食事や運動、注意すべき点などをまとめました。お酒や薬、サプリメントの影響の有無や、ピルの服用経験が妊活にどう影響するかについてもあわせて解説します。

執筆者:All About 編集部

妊活とは? 妊活中に身に付けたい基礎知識を解説

妊活とは? 妊活中に身に付けたい基礎知識を解説

妊活とは、妊娠を目指す女性と男性2人が行う体づくりや行動、治療などの全般を表す言葉です。何から始めればいいか迷ってしまうかもしれませんが、赤ちゃんを迎えるための健康な体や生活を作っていくという意味では、どのプロセスも一貫した目的を持っています。

今回は、妊活とは何か、そして妊活中の食事や運動、注意すべき点など、妊活に関する様々な疑問や不安にお答えします。
   

妊活とは

妊娠の仕組みをおさらいしましょう

妊娠の仕組みをおさらいしましょう

妊娠は、卵子と精子が出会うことで成立します。月経後に卵巣の中で卵の元となる「卵胞」が育ち、十分に育った卵胞から卵子が飛び出すと、それを卵管がキャッチします。卵管の中に卵子が入っているタイミングで性行為をし、そこに精子が辿りつくと「受精」が可能になるのです。

「妊娠しやすい時期」とは、精子と卵子の受精能力がある期間です。精子が受精能力を持っているのは、射精されてからだいたい3日~5日間ほど。一方で、卵子の受精可能期間は短く、12~24時間ほどです。

よって、妊娠しやすい時期は排卵日の3~4日前から翌日までの4~5日間、最も妊娠しやすいのは、排卵日直前から排卵日当日の2~3日間となります。

妊活においては、この「妊娠しやすい日」を自身の生理周期と照らし合わせて計算することが重要です。生理周期が不規則な人は、産婦人科などで検査や治療を受け、生理周期を安定させる必要があります。

また、生理不順でなくても、妊娠前に検診を受けておくことは重要です。いざ妊娠してから大きな病気が見つかるケースも多く、場合によっては、妊娠を継続できなくなる可能性があります。妊活の前に、生活習慣病検査・風疹抗体価検査・婦人科検診・乳がん検診は最低限受けておきましょう。

■ 参考記事  

妊活中に望ましい食事・食べ物

妊活中におすすめの食事・避けるべき食事とは?

妊活中におすすめの食事・避けるべき食事とは?

基本的に、妊娠中の食事はバランスよく摂取できていれば、それほど神経質になる必要はありません。積極的に摂るべき栄養素、過剰摂取を控えるべき栄養素に注意して、通常通りの食事を楽しみましょう。

■ 妊娠中におすすめの食事
まず、妊娠中に積極的に摂る必要がある栄養素は、筋肉、皮膚などを構成するたんぱく質です。良質なたんぱく性食品である魚、肉、大豆製品には異なった働きをもつ脂肪酸が含まれているので、バランスよく摂取しましょう。ビタミン、ミネラル(カルシウム、マグネシウム、鉄、カリウムなど)、葉酸、食物繊維も多めに摂るように心がけましょう。

また、赤ちゃんの脳神経の発達と神経管の形成に関係すると言われている葉酸を含む食品、ほうれん草、モロヘイヤ、アスパラなどの野菜、わかめや海苔などは、妊娠の可能性がある段階で摂取を心がけましょう。

■ 妊娠中に避けるべき(過剰摂取を控えるべき)食事
一方、魚介類はメチル水銀を比較的多く含むマグロやキンメダイなど大型魚や深海魚は控え、水銀が少なくDHAを豊富に含むサバやイワシなど小魚中心の摂取が望ましいとされています。また、化学調味料や人工添加物、カフェイン類などの摂りすぎにも注意が必要ですが、過剰摂取控えた通常の食事であれば、神経質になることはありません。

生肉類は、基本的に新鮮であればOKですが、発症すると胎児の発育に影響する「トキソプラズマ」には注意しなければなりません。加熱が不十分な豚・羊・牛・鳥、レバーなどにはトキソプラズマの嚢子がひそんでいる可能性があります。生肉を触った後は、温水でよく手を洗うようにしてください。

特にレバーは、鉄分対策として意識的に多く食べようとする妊婦さんも多いようですが、ビタミンAの過剰摂取にもなるので、食べ過ぎはNG。ビタミンAの過剰摂取は、胎児に奇形を起こす可能性が高くなると言われています。

■ 参考記事  

妊活中のロキソニンやイブ、またサプリメントなどの服用は大丈夫?

妊活中のロキソニンやイブは危険?

妊活中のロキソニンやイブは危険?

妊娠中に服用を避けたほうがいい薬はよく耳にしますが、妊活中も同様に服用を避けたほうがいい薬はあるのでしょうか? また、サプリメントの服用は妊活にどう影響するのでしょうか?

■ 妊活中は避けたほうがいい薬
ロキソニン、イブ等のNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)は、生理痛や頭痛時に服用する女性も多いようですが、妊活時には控えたほうがいいかもしれません。NSAIDsは、排卵前の卵胞に発現し、卵の成熟や排卵を促すプロスタグランジンの合成を阻害することで解熱鎮痛作用の効果を発揮します、そのため、NSAIDsの服用は、排卵を抑制させる可能性を高めてしまいます。

また、プロスタグランジンには血管を拡張し、血液量を増やす作用もあります。NSAIDsを服用してプロスタグランジンの合成が阻害されると、血液量が抑制されて、血流も悪くなり、冷えやすい体になっていきます。

妊活中の体の冷えは、卵子の成長や、内膜の状態に関わってきますので、むやみなNSAIDsの服用はお勧めできません。

このNSAIDsを含め、妊活中に避けたほうがいいと言われている薬は以下の通りです。
  • ロキソニン、イブ等のNSAIDs(非ステロイド性消炎鎮痛剤)
  • ドグマチールなどの胃腸薬、一部の抗精神病薬、抗うつ薬、制吐剤
  • 小青竜湯(花粉症時など)、黄連解毒湯(胃炎・高血圧等)
  • 男性型脱毛症・AGAの治療薬・フィナステリド
もちろん、持病や薬の種類によっては、減薬や休薬には十分な注意が必要なケースも多いです。かかりつけの医師のもと、休薬、減薬、変更を行うようにしましょう。

■ サプリメントの服用について
栄養機能として服用する量を調節しながらサプリメントを利用することは、妊活にとってプラスと言えます。特に、葉酸などは妊活中にも推奨されているため、サプリメントを上手に取り入れる女性は、外国だけでなく日本でも増えてきたようです。

しかし、サプリメントは特定の栄養素を補給できても多くの成分を補給することはできません。過剰摂取は避け、サプリメントだけに頼りすぎないようにし、多くの栄養素を含む食品から栄養補給する意識を持つようにしましょう。

また、栄養機能以外の健康上の効果が期待されるサプリメント(健康食品)は、注意して利用するようにしましょう。

■ 参考記事  

妊活中の漢方「当帰芍薬散」は不妊治療に効果がある?

不妊治療で処方されることが多い「当帰芍薬散」

不妊治療で処方されることが多い「当帰芍薬散」

当帰芍薬散とは、不妊治療でもっとも処方の多い漢方のひとつ。冷えや月経不順、月経痛、めまいなどの不調を改善する効果があると言われています。

当帰芍薬散は、女性にとって必要な血を補う処方であり、体質に合っている場合には、様々な不調を同時に取り除いてくれる有用な処方です。しかし、体質に合っていない場合には、効果がないだけでなく、マイナスの影響が出てしまうことも。

当帰芍薬散が効果があるのは、体力が不足している「虚証」体質で、血の不足があり、血流、水分代謝が悪くなっている方です。

一方で、血流が悪い「お血」体質や、潤いが不足している「陰虚」体質の方にとっては、当帰芍薬散に含まれている補血作用や利水作用などが、かえって悪い影響を与えることも。また、当帰芍薬散には、胃もたれやアレルギー症状などの副作用が起こることもあります。

当帰芍薬散は、服用から2週間から1ヶ月ほどで効果が出始めると言われています。自分の体質に合っているかどうか、専門家に相談しながら判断してみましょう。

■ 参考記事  

妊活中はお酒を控えるべき?

妊活中のお酒はOK?

妊活中のお酒はOK?

妊娠に気づく前に飲み会でお酒を飲んでしまったという場合、神経質になる必要はありません。ですが、アルコール摂取は体外受精の治療成績、胎児の障害などにマイナスの影響を及ぼす可能性があります。

アルコールは胎盤から胎児に移行します。一般的に、子宮内での高濃度のエタノールの暴露により、胎児アルコール症候群(FAS)を引き起こし、障害を持った赤ちゃんが生まれるおそれがあります。

妊娠中はもちろんですが、妊活の段階から、体外受精の治療などにも影響するため、できるだけアルコールは控えるようにしましょう。

■ 参考記事  

妊活中も適度な運動を!妊娠準備エクササイズ

妊活中のおすすめエクササイズとは

妊活中のおすすめエクササイズとは

妊活中におすすめなのが「骨盤底筋群(骨盤底の筋肉)のエクササイズ」です。骨盤底筋群とは、子宮や膀胱などの内臓を支え、肛門、尿道、膣を締める働きがあり、妊娠中に赤ちゃんの重みを支える筋肉です。また、出産時にはコントロールしながら赤ちゃんの出口にもなってくれる、とても大切な筋肉群になります。

妊娠準備に向けて、椅子に座って骨盤底筋群を鍛えるエクササイズをご紹介します。

□ 椅子に座った骨盤底筋群エクササイズ その1
1: イスの上にタオルハンカチを小さめに畳んでおき、2つ並べておきます。矢印の方向を向くように座りましょう。
妊活をサポートする「骨盤エクササイズ」

手順1

2:その上に坐骨を乗せるように座り、骨盤を立てた状態(骨盤のニュートラルポジション)にします。2つのタオルハンカチの上で最初はバランスを保ち、自然呼吸を続けながら、骨盤のニュートラルポジションを続けましょう。

その姿勢に慣れたら、タオルハンカチの上の坐骨を、左右からセンターラインに寄せるつもりで骨盤底筋群を使います。息を吸って準備し、吐いて寄せる、を3回程繰り返しましょう。
畳んだハンカチを坐骨の座布団とイメージして座ります

手順2


□ 椅子に座った骨盤底筋群エクササイズ その2
1. 上でご説明したエクササイズに慣れたら、タオルハンカチで作った坐骨の座布団の1枚をとっておき、もう1度矢印の方向に顔を向けて座ります。
骨盤底筋群エクササイズ その2

手順1

2. 骨盤を立て、上半身は背骨を上に引っ張るつもりで背を高く保ちましょう。おへそを軽く体の中に引き込み、上部(胸や顔の方向)へ上げる感覚も加えましょう。
骨盤底筋群エクササイズ その2

手順2

3. 背骨の長さを保ちながら、下がっていた左の坐骨をまっすぐ上に挙げ、左右の高さを揃えるようにします。(息を吸って準備し、吐きながら左の坐骨を上げる、吸いながら下ろす)3回程繰り返します。

終わったら坐骨座布団の位置を入れ替えて、右の坐骨の上げ下げも行いましょう。
骨盤底筋群エクササイズ その2

手順3

 ■ 参考記事  

ピル服用経験は妊活に影響がある?

ピルの服用が不妊の原因になることはないようです

ピルの服用が不妊の原因になることはないようです

結論として、ピルの服用によって、排卵や子宮の力が衰えてしまうということはなく、妊活に悪い影響を及ぼすことはありません。実際のデータによると、ピルの服用を中止すれば、半年以内には99%の方の排卵が再開し、妊活をスタートさせることができています。

ただし、ピルを止めてから排卵が再開するのは、翌月の方もいれば、3ヶ月から半年程度かかる方も。妊娠を希望する時期から逆算し、ピルの中断時期を考えておく方が良いでしょう。

ピル服用の目的は、月経対策や避妊、また、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などに伴う月経困難症の治療の目的など様々です。特に、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症は、不妊症の原因になることもあるため、ピルを飲むことでこれらの疾患の進行を食い止めることができます。その意味で、ピルの服用は将来妊活をする上でメリットが大きいと言えるでしょう。

ピルにはいくつかの種類があります。医師・薬剤師に相談しながら、自分に合うものを合う方法で取り入れていくことが、妊活するまでの自分の体を守ることにも繋がるはずです。

■ 参考記事
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