亀山早苗の恋愛コラム

アンケートではわからない、アラフォー女性の「不倫事情」

アラフォー独身女性が恋愛をしようと思えば、相手の多くは既婚者になりがちであるとは言えると思う。アラフォー既婚女性は「不倫している時間なんてない」のが一般的だろう。独身と既婚、それぞれの立場で現在、不倫をしているという女性たちに聞いてみた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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アラフォー女性は「不倫」をしているのか

既婚との不倫

不倫している人の実数の統計はなかなか存在しない。探偵事務所等がアンケートを公開しているが、年代別にはなっていないし、どういう人たちを対象にアンケートをとったのかもわからない。

ただ、実感として、アラフォー独身女性が恋愛をしようと思えば、相手の多くは既婚者になりがちであるとは言えると思う。一方、アラフォー既婚女性はまだ子どもが小学生であることも多く、働く女性が増えている現状では、「不倫している時間なんてない」(42歳)というのが一般的だろう。

独身と既婚、それぞれの立場で現在、不倫をしているというアラフォー女性たちに聞いてみた。

 

結婚より仕事が楽しいから不倫は恋の選択肢のひとつ……独身、ハルカさんの場合

飲食業界で仕事をするハルカさん(38歳)は、大学卒業後、今の会社に就職してからずっと仕事に全力を傾けてきた。

「仕事が楽しいと思えたのが28歳のころ。それからは自分の力を試したい、もっと仕事の効率とスキルを上げたい、さらにはこれを社会に還元したい、人の幸福につなげたいと大きな目標をもってがんばってきました。だから仕事が恋人。でも、実際の生活には潤いがほしいし、人を好きになることもあります。結婚はしなくていいけど恋はしていたい」

その結果、30代に入ってからは既婚の男性とつきあうこととなった。3年周期で、今の彼は3人目。長くつきあうと情が移りすぎるし、だいたい粗が見えてくるので、意識したわけではないものの3年周期になってしまったのだという。

「奥さんにバレそうになったら言ってね、と最初に告げます。そうなったら私はすぐに撤退するから、と。人の家庭を壊す気はないんです。私は仕事ができる男性とつきあいたい。そのほうが自分のためにもなるし会話もはずむから。私の知らない知識とそれを生かすスキルを持っている人に惚れ込んでしまうんです」

好きになったら一直線。既婚者にも自分から近づいていく。相手に「友だちとしてつきあおう」と言われることもある。そんなときは友だちとして長いつきあいを約束する。

「男友だちも必要ですから」

今の彼は8歳年上。お互いに仕事の愚痴を言い合ったり、建設的な意見を出し合ったり、ときには映画を観に行って議論に発展することも。

「女性を下に見るところがまったくない人なので、とても居心地がいいんです。でも彼のお子さんたちはまだ高校生と中学生。家庭を大事にしてよねといつも言っています。ふたりとも現状を認識した上でつきあっているから、気が楽なのかもしれません」

相手が既婚なのはわかっていること。家庭や仕事で忙しいときは会わなくてもいいと彼には言ってある。彼女自身、ひとりでいることになんの寂しさも感じないからだ。

「時間があるとき、お互いの時間が合うとき、身も心も寄せ合いたい。そんなふうに思っています」

彼女があっさりしているからだろうか、あるいは男女としてより人としてのつながりが強いからだろうか、彼も「不倫をしている実感がない」と言っているそうだ。

 

ロマンティックな時間に浸って……既婚、マサヨさんの場合

子どもが小さいときは不倫をしづらい環境にあるのが一般的だが、マサヨさん(43歳)は、実母と同居しているため時間のやりくりをつけやすい。

「結婚して12年、10歳の長女と8歳の双子の男の子、さらに6歳の女の子がいるんです。4人も子どもがいるのは、夫婦ともに子どもが大好きで賑やかな家庭にしたかったから。私の母は、私がお腹にいるときに夫、つまり私の父を事故で亡くしているんです。だから私は母も含めて、大勢で暮らしたかった」

家庭第一、夫のことも大好きだと話すマサヨさんだが、それでも恋に落ちた。相手は職場の同僚だ。

同い年の夫とも友だち感覚のまま、そもそも男女でロマンティックな関係なんて照れくさいだけという彼女だが、今の同僚との恋愛はちょっと様子が違うという。

「彼は、最初に仕事の流れでふたりでお茶をしたとき、『僕、会ったときからマサヨさんに心を奪われているんです』と言ったんです。私が笑いそうになったら、『待って。笑わないで。僕はあなたの笑わない顔をじっと見ていたい』と。何の冗談かと思ったんですが、彼は本気だという。本気ならつきあってみようじゃないかと妙な闘争心が沸いてしまって(笑)」

ところが彼女も、この冗談のような“恋”に心を奪われていったのだ。一緒にいるときは完璧なレディファースト、常に彼女を気遣ってくれる。まるでお姫様になったような気分だそうだ。

「がさつに育っていますから、大事に扱われると居心地が悪くなるはずなんですが、彼とだと心地いいんです。彼とのやりとりだけに使う携帯もプレゼントされました。彼にも家庭があるので、奥さんのこともこうやって大事にしているんだろうなと思うと、ちょっと苦しいですね。彼によれば妻は大事な家族、私は愛する女性なんだそうです」

うまいことを言う男に惚れ込んでしまったマサヨさんだが、「いつでも恋から冷める準備はできている」と言う。リスク管理をしておかなければ、子どもを4人も抱えて恋などできない、と。

「冷めますよ、そのうち。バレないうちに冷めて疎遠になるはず。今だけ、ほんの一時だけ夢を見させてほしい。そんな気持ちでいます」

結末がわかっているからこそ燃える。短い恋に身を投じるはかなさとせつなさが、恋をよりいっそう艶やかにするのかもしれない。
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