学歴に悩んでいる人は、少なくないけど
何歳になっても、大学を卒業していないことや偏差値の高い大学を卒業していないことに、コンプレックスを抱いている人は、少なからずいます。
30歳を過ぎても精神的に大人になり切れていない“子供おばさん(子供おじさん)”は、ずっと学歴に対する劣等感を抱えながら生きてしまっています。どうやってそのコンプレックスを乗り越えていけばいいのでしょうか?
劣等感から抜け出せない人が“できていない”こと
ずっと学歴コンプレックスを抱き続けている人は、いつまでも「大学を卒業していないこと」「希望していた大学に行かなかったこと」を言い訳にしていることに、気付いた方がいいでしょう。例えば、あるテレビ番組のプロデューサーの人は、高卒であることをずっと気にしていたそうですが、あるとき決心をして、働きながら某大学の夜間部に入学し、その後、見事に卒業しました。
実際に大学に通ってみて、よかったこともあれば、「どうしてそこまで大学にこだわっていたのだろう?」と感じたところもあったそうです。ただ、それも含め、いい経験ですよね。本当に自分の学歴に劣等感を抱いているのであれば、そういう克服の仕方もあるのです。
逆に、化粧品、健康食品を販売する会社「銀座まるかん」の創業者で、長者番付で12年間連続10位以内に入ったことのある斎藤一人さんは、中卒です。でも、学歴にコンプレックスを持つどころか、こういったことをおっしゃっています。「商人にとっては、中卒だと、大卒よりも早く社会に出られるから得だ」と。
確かにそれも一理ありますよね。その分、社会人としての実力を身につけることができますしね。つまり、結局のところ、「自分の中でどう納得するのか」に尽きるのです。実際に克服させることで納得するのか、それとも、その環境ならではのいい部分を生かし、状況を有利にもっていくのか。
だから、コンプレックスを抱いている“原因そのもの”よりも、「そのことへの対応力がないこと」の方が問題なのです。
学歴が役立つ環境もあれば、そうでないところもある
そもそも本当に、高い偏差値の大学を卒業するといいものなのでしょうか? もちろん大企業で、新卒で入社して、出世したいと思っている人にとっては、偏差値のいい大学を卒業した方が有利なことは多いでしょう。入社試験のときは、偏差値のいい大学の生徒であるなら、「勉強をしたら、それなりの結果が出せる頭の良さがある」ことの証明はできるので、有利になることもありますしね。でも、熟練した技術を必要とする職人や起業を目指している人にとっては、学歴はそんなに関係ないともいえます。
私自身は、学歴というのは、“自動車の運転免許証のようなもの”だと感じています。それがあると、可能性が広がるものではあるけど、そもそも車に乗らない人にとっては必要ありません。実際に、車に乗れなくても、電車やバス、タクシーなどを利用すればいいだけのことですしね。
つまり、大学を卒業した方がいいかどうかは、「その大学を出た後に、自分が何をしたいのか?」によっても、変わってきます。単にいい大学に出ればいい、というわけではないのです。
更に言えば、学歴以上に大切なことは、「自分がやりたいことに対して、自分がどれだけの武器を持っているのか」です。例えば、俳優になりたければ、学歴以上に大切なのは演技力でしょうし、作家になりたければ、独特な感性と文章力の方が重要でしょう。会社員であっても、学歴以上に、実力を磨いて良い結果を出した方が、出世につながることは多いのではないでしょうか。
もちろん、そうはいっても学歴が響く環境もあります。そういうところで働いているのであれば、先ほど例を挙げたように、社会人の今、大学に通ってもいいでしょうし、そうでなければ、学歴は関係ない環境に移るという方法もあります。
色々な手段があるのに、それには手を付けず、ずっと過去を振り返って悩んでいても仕方がありません。それは、学歴うんぬんよりも、“今の自分の在り方”に問題があることに気付いた方がいいのです。
未だ、学歴に劣等感を抱いている社会人は、そこにばかり留まっていないで、今、やれることはあるはずです。自分が納得できるような行動をして、「学歴コンプレックスから卒業」したいものですね。