女性の健康

緊急避妊薬(アフターピル)の効果・副作用・値段

【医師が解説】避妊に失敗した場合、緊急的に内服する緊急避妊薬。「モーニングアフターピル」「アフターピル」とも呼ばれています。性交後、定められた時間内に正しく内服すれば、妊娠率を1.4~3.2%程度にまで低くすることが可能です。詳しく解説します。

山本 佳奈

執筆者:山本 佳奈

内科医 / 女性の健康ガイド

緊急避妊薬(アフターピル)とは

避妊に失敗した場合の緊急避妊薬

妊娠を望んでいないのに避妊に失敗してしまったら……。緊急避妊薬という選択肢もあることを、ぜひ正しく理解しておきましょう

緊急避妊薬とは、避妊に失敗した際、緊急的に内服する避妊薬です。妊娠を望んでいないにもかかわらず避妊に失敗してしまった時や、そもそも避妊をしていなかった際に、緊急的な避妊の手段として翌朝に内服されることが多いため、「モーニングアフターピル」「アフターピル」とも呼ばれています。性交渉後3日以内、ないしは5日以内に内服しないと避妊効果が期待できないので注意が必要です。
 

主な緊急避妊薬の種類・値段

現在、日本で緊急避妊用のピルとして承認されているのは「ノルレボ」という製品名で知られている「レボノルゲストレル」のみです。未承認のものも含め、私が勤務するナビタスクリニックで処方している緊急避妊薬をご参考までに挙げます。

■レボノルゲストレル(先発商品名:ノルレボ)
国内承認されている緊急避妊薬。妊娠率1.5%、妊娠阻止率82%。
 
■ウリプリスタル酢酸エステル(商品名:エラ)
国内未承認の緊急避妊薬。120時間以内に30mgを1回服用。妊娠率1.4%、妊娠阻止率62~85%。

■ノルゲストレル・エチニルエストラジオール錠(商品名:プラノバール)
適用外使用。72時間以内に2回2錠を服用します。妊娠率3.2%、妊娠阻止率57%。

緊急避妊は自費診療となるため、いずれも病院・クリニックによって費用は異なります。
 

緊急避妊薬の効果……妊娠率を1.4~3.2%にまで下げられる

避妊に失敗した性交後に正しく内服すれば、妊娠率を1.4~3.2%程度にまで、限りなく低くすることが可能です。ただし、確実にゼロにできるものではないため、緊急避妊薬を正しく服用しても妊娠してしまった例も、非常に稀ですがあります。
 

緊急避妊薬の副作用・注意点・飲んではいけないケース

緊急避妊薬の副作用として、頭痛、悪心、腹痛、嘔吐、倦怠感、眠くなる、不正出血などが挙げられます。

緊急避妊薬に対する過敏症の既往のある方や重篤な肝障害のある方、妊娠している方は禁忌となっているため、緊急避妊薬を服用することはできません。ノルレボについては詳しくは「医療用医薬品 : ノルレボ(医薬品情報)」でご確認ください。
 

妊娠を希望しないなら緊急避妊薬についても正しい知識を

緊急避妊薬は、あくまで避妊に失敗してしまった時に飲むものです。国ごとに、医師の処方箋の必要性の有無なども異なります。薬によっても違いがあり、効果が得られる時間も限られていますので、服用時期を含めて正しい知識を持っておくことが大切です。
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