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夫は脳疾患の手術後、認知症の症状がでたため老人ホームに入所しました

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、夫が老人ホームに入所し、年金の費用をほとんど老人ホームの費用にあてているという81歳の女性。自宅を売却して自分自身、サービス付き高齢者住宅に入居しようか考えているといいます。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

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年金のほとんどをホームの費用に充てることになり、生活が成り立ちません

年金のほとんどをホームの費用にあてることになり、生活が成り立ちません



■相談者
はるかぜさん(仮名)
女性/無職/81歳
北海道/持ち家(一戸建て)
 
■家族構成
夫(81歳)、子ども2人は既に独立
 
■相談内容(原文まま)  
緊急SOSです。夫と二人暮らし。夫は脳疾患の手術後、認知症の症状がでたため、1年程は老々介護で頑張っておりましたが、自分自身の体調が思わしくなく、さらに夫も体調を崩し入院や、老健など数カ所を経て、ようやく今の老人ホームに入所しました。その間に、わずかばかりの貯金を使い果たしてしまいました。雑費に記入した金額が老人ホームの費用となり、年金のほとんどをホームの費用にあてることになり、生活が成り立ちません。そのため、自宅を売却して自分自身、サービス付き高齢者住宅に入居しようか(費用は自宅を売却したお金を少しずつ取り崩す予定)、独立した子どもに少し仕送りをお願いして自宅で頑張って過ごすか迷っておりますが、自分自身の体調も良くないため(原因不明のめまいがおさまらず、日常生活に支障がある……入院するほどではない)できればサ高住に入居した方が自分も子どもも安心できると思っています。……以上、娘が代筆しました。よろしくお願いいたします。

 
■家計収支データ
相談者「はるかぜ」さんの家計収支データ

相談者「はるかぜ」さんの家計収支データ



 
■家計収支データ補足
(1)子どもたちからの支援について
自宅に住み続ける場合は、子ども2人から2万円ずつ、合計4万円可能。
 
(2)住宅の売却見込み額
見積もり前なのですが、1500~2000万程度だと思われます。
 
(3)入居を希望するサービス付き高齢者住宅の入居費用
月10万~12万円程度。
 
 ■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 体調が悪化しない現段階で、早めの決断を
アドバイス2 自宅売却がうまく行けば、その後の金銭的な問題はなくなる
アドバイス3 娘さんは、サポートに徹して、入居施設探しとケアサポートを調べる
 

アドバイス1 体調が悪化しない現段階で、早めの決断を

ご主人の介護、施設入所など、ここまでよく頑張ってこられました。体調が思わしくないとのことですから、今はご自身が安心して過ごせることを一番に考えたいですね。
 
現在は、年金収入での生活がギリギリの状態です。お子さんからの援助があれば、生活に少しばかりの余裕ができるかもしれませんが、ご自身の今後を考えると、今が決断するときなのかもしれません。おひとりでは、日常生活にも支障があるとのことですから、これ以上、無理をなさると病状が悪化してしまう可能性もあります。
 
娘さんのサポートを得ながら、自宅の売却と並行して、入居する施設探しをしていきましょう。
 

アドバイス2 自宅売却がうまく行けば、その後の金銭的な問題はなくなる

ご自宅の売却は、時間がかかるかもしれません。できるだけ早くに売却に向けての準備をすすめたいところです。不動産の契約などの手続きは、娘さんにサポートしてもらうとして、はるかぜさんは、体に無理のないように、身のまわりのものの整理を少しずつやっていきましょう。
 
これまでの思い出の品などもたくさんあることでしょう。自宅売却となれば、施設に持っていけるものにも限りがあります。寂しいことですが、徐々に整理をしていきましょう。
 
自宅が1500万円程度で売却できれば、もろもろの手数料や税金を差し引いても1400万円程度は、手元に残すことができるでしょう。仮に、今後入居する施設費用が15万円ほどだとすると、ご主人の分と合わせて、約30万円。年金からの不足分が約9万円。年間で108万円を売却資金から取り崩していくことになります。今後、12~13年ぐらいは、なんとか、まかなうことができるでしょう。
 

アドバイス3 娘さんは、サポートに徹して、入居施設探しとケアサポートを調べる

ここからは、娘さんへのアドバイスになります。実家の売却手続きは、娘さん主導で進めるのがいいでしょう。複数の不動産会社に売却の査定を依頼し、おおよその売却額を把握してください。その上で、お母さまの希望にあった施設探し、見学、場合によっては体験入居などしたほうが安心できるかもしれません。
 
売却額次第で、施設の利用料金は、どの程度までなら大丈夫なのか、あと十数年は金銭的な不安を抱えなくてすむように、検討しなくてはなりません。
 
サービス付き高齢者住宅(サ高住)は、比較的、安い料金で利用できますが、その後、介護が必要になった場合、転居することになったり、外部の介護サービスを利用することになり、かえって出費と手間がかかることになる可能性もあります。最初から介護型の施設も選択肢に入れて、探すようにしたほうがいいかもしれません。
 
現在、介護認定を受けているのか、ケアマネージャーさんがついているのかわかりませんが、もし、まだ手続きをしておられないようでしたら、地域の包括支援センターで相談なさってみてください。介護度によって、施設の利用料金も変わってきますので、かかりつけ医、ケアマネージャーと十分連携をとるようにしてください。
 
これからしばらくは、サポートが大変だとは思いますが、お母さま、娘さんが今後、安心して過ごせるための頑張りどころと思って、ひとつひとつ、取り組んでください。
 

相談者「はるかぜ」さんのお子さんから寄せられた感想

この度はご回答をありがとうございました。いつも拝見している深野先生のアドバイスでとても嬉しく思っております。母は、1年以上自宅売却を決断できず、引き延ばしておりましたが、私が相談メールを送った後、不動産の査定も依頼し、母も施設入居も前向きに考えるようになり、来週には見学に行く予定です。運よく、サ高住と介護施設が同じ建物にあり、自立が難しくなった場合、介護施設にスライドできる物件を数カ所見つけることができました。深野先生のアドバイスで、これからの進む道に背中を押していただけたようで本当に感謝しております。ありがとうございました。
 

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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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