貯蓄

知らないと危ない!?外貨建て預金の3つのリスク

「外貨建て預金なら低リスクで早くお金を増やせる」という考え方には、大きなリスクが潜んでいます。今回は、「知らなきゃ危ない、外貨建て預金の3つのリスク」というテーマでお話しします。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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超低金利時代とも呼ばれる今、銀行にお金を預けてもほとんど増えません。それもあり、「低リスクでお金を増やす」手段として、金利の高い外貨建て預金に注目する方が多いようです。
 
とはいえ、僕は「外貨建て預金なら低リスクで早くお金を増やせる」という考え方には、賛成できません。というのも、外貨建て預金には大きなリスクがいくつも潜んでいるからです。そこで今回は、「知らなきゃ危ない、外貨建て預金の3つのリスク」というテーマでお話しします。
 
外貨預金には、どんなリスクがある?

外貨建て預金には、どんなリスクがある?

 

リスクその1:手数料が高い

1つ目のリスクは「手数料が高い」点です。円建ての預金と違い、外貨建て預金には、コストがかかる場合が多いです。コストの形態はさまざまですが、概ね2つのパターンがあります。

1つ目のパターンは、円貨から外貨へ、外貨から円貨へ、両替する際の為替手数料がかかる場合。2つ目のパターンは、「為替手数料が安い」などと言って、代わりに実際よりも低い金利を提供し、目に見えない形で手数料を取っている場合です。

特に、2つ目の場合は目に見えにくいコストですが、長い目で見ると大きな損につながるので注意が必要です。
 

リスクその2:高金利が為替レートで相殺される

2つ目のリスクは、「高金利が為替レートで相殺される」点です。
 
ちまたでは、「外貨建て預金なら金利が高くて、お金が増えやすいですよ」といったセールストークをよく聞きます。それもあり、「定期預金に預けるよりは、外貨建てで貯金をしたほうがよさそう」と感じる方も多いでしょう。
 
ですが、たとえ外貨建てで金利が良くても、それと同じ分だけ為替レートが修正され、元通りになってしまう可能性が高いです。この考え方を「購買力平価説」または「金利平価説」といいます。
 
つまり、「外貨建て預金をしても、金利が有利になるということは基本ない!」「むしろ、外貨建てで定期預金をするほうがコストが高く、不利である可能性が高い!」ということですね。
 

リスクその3:保障制度が弱い

3つ目のリスクは、「保障制度が弱い」点です。普通預金と違い、外貨建て預金は保障制度が弱いです。普通預金ならば1金融機関につき「元本1000万円+利息」までの保護があります。これを保護する制度が、預金保険制度です(1)。
 
しかし、外貨建て預金には預金保険制度が適用されません。預け先に万が一があれば、預けたお金が吹き飛んでしまうリスクがあるのです。
 

まとめ

ここまでの話をまとめると、外貨建て預金は「コストが高く」「金利の旨みを得られる可能性が低く」「保障制度が弱い」ということです。
 
以上3点はとても大きなリスクなので、僕自身も外貨建て預金を利用していません。外貨建て預金に頼らなくても、幸い日本にはiDeCoなどの節税制度が充実しています。この制度を使うことで効率よくお金を貯めるとよいでしょう。
 

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【参考文献】
 
  1. WEBサイト:預金保険機構, "預金保険制度の概要", 2020年1月21日現在


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