最優先で投資するのは、お金じゃない?
マネーガイドとして活動している僕ですが、別に守銭奴という訳ではありません。お金よりも大切なものはたくさんあります。たとえば、以前記事にした「お金より大切な3つのモノが判明」では、日本人の幸福度調査結果(1)をもとに「健康」と「人間関係」、「自由」が大事だぞ!という話をしました。
特に健康はめちゃくちゃ大事です。ロンドン大学の研究によれば、「健康改善の価値」をお金に換算すると、1年あたり約2500万円の価値になるのだとか(2)。そこで今回は、同研究をもとに「タバコ1箱あたり、いくら損をするのか?」を試算してみました。
タバコ1箱でいくら損している?
タバコ1箱の損失額を試算すると…
まず、上述したロンドン大学の研究(2)を元に、「健康被害は、お金に換算するといくらの損なのか?」を考えてみます。同研究によると、「健康改善の価値は、1年あたり約2500万円」にのぼるのだとか。これを裏返すと、「健康被害による損失は、1年あたり約2500万円」と言えそうです。
この損失額を、1分当たりに換算してみます。2500万円÷365日÷24時間÷60分≒47円です。つまり、「健康な時間を1分失うごとに47円の損である」と換算できました。
次に、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルの論文(3)を頼りに、タバコ1本あたりの健康被害を推定しました。すると、タバコ1本で損なわれる寿命は10分くらいと分かりました。
タバコ1箱には、20本のタバコが入っています。よって、タバコ1箱を全て喫煙すると、10分×20本=200分も寿命が縮まると言えます。
ここで、2つの計算結果を組み合わせます。タバコ1箱あたりの健康被害は200分。これに対して、健康被害1分あたりの損失は47円です。つまり、タバコ1箱あたりの健康被害をお金に換算すると、200分×47円=9400円の損失と換算できるでしょう。
まとめ
結果をまとめると、「喫煙者は、タバコ1箱あたり9400円も損をしている」と分かりました。この損失額にはタバコ代は含まれません。また、タバコを吸っている時間も失われますが、この影響も含まれません。諸々合わせると、タバコ1箱あたりの損失額は1万円を超えると言えそうです。実は、僕も昔はタバコを吸っていました。ですが、「健康に勝る投資はない」ことを知ってからは止めました。
幸い、禁煙は何歳から始めても効果があるようです。遅過ぎることはないので、喫煙者の方は今からでも禁煙してみてはいかがでしょうか。
●参考文献
- ディスカッションペーパー:西村和雄, 八木匡, 2018, "幸福感と自己決定−日本における実証研究", RIETI Discussion Paper Series 18-J-026
- 論文:Nattavudh Powdthavee, 2008, "Putting a price tag on friends, relatives, and neighbours: Using surveys of life satisfaction to value social relationships", The Journal of Socio-Economics, 37(4), pp. 1459-1480
- 論文:R. Sakata, P. McGale, E. J. Grant, K. Ozasa, R. Peto, and S. C. Darby, 2012, "Impact of smoking on mortality and life expectancy in Japanese smokers: a prospective cohort study", British Medical Journal, 2012, 345
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