2020年の日本株は上がる? それとも下がる?
2020年の日本株は「上がるも下がるも五分五分」
ズバリ、結論から言ってしまうと、「2020年の日本株の展望は、上がるも下がるも五分五分」だと考えています。こんな話をすると、「要するに何も分からないってことじゃないか!」と、お叱りを受けそうですが(笑)。とはいえ、このような結論に至った理由はちゃんとあります。大きな判断材料は3つ。以降では、各判断材料について、詳しく解説していきます。
1. 日本株は妥当な価格水準
第一に、「日本株は妥当な価格水準だ」と考えています。2020年1月6日時点、日経平均株価の予想益回りは約7%です(1)。やや乱暴ではありますが、「業績が予想通りとなれば、企業価値は年7%くらいのペースで成長すると期待できる」と考えてよいでしょう。株式はこれまで、「金利+4~5%」というペースで成長を続けてきました(2)。金利が低い市況、および歴史的に見て、日本株はやや割安~妥当な価格水準といえるでしょう。
2. 外国株は割高水準
第二に、「外国株は割高水準だ」と考えています。2019年11月末時点、先進国株の益回りは約5%ほど(3)。日本株と比べて3割ほど低い水準です。日本と違い海外は、金利が高いです。そう考えると、「益回り5%」という数字はかなり低め。歴史的に見て、株は割高水準だと見ています。株が割高ということは、「いつ下がってもおかしくない」ということ。たとえ日本株が妥当水準でも、外国株の下落に引きずられてズルズル下がる可能性もあります。楽観するのは禁物です。
3. 大統領選挙前の景気刺激
第三に、「米国の大統領選挙の影響で株価が上がるかも?」と期待しています。カリフォルニア大学が、約200年以上の米国株データを集計した研究(4)によると、「大統領選挙の直前は株価が上がりやすい!」という傾向が見つかっています。この理由としては、大統領が景気を刺激することで、「自分の選挙を有利に運ぼうとするから」だと考えられています。
まとめ
ここまでの話をまとめると、以下の3つの要因を総合的に判断し、「上がるも下がるも五分五分かなぁ……」と思った次第です。○中立材料:日本株は妥当な価格水準
○マイナス材料:外国株は割高水準
○プラス材料:大統領選挙前の景気刺激
今の景気であれば、年金運用でも採用されている「カウチポテト・ポートフォリオ」が手堅いと思います。僕自身も、この方針で資産を運用しています。
「五分五分」と聞いても落ち込む必要はありません。株が上がっても下がっても、どちらに転んでもよいように、資産を運用すればよいだけですからね。
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【参考資料】
- WEBサイト:日本経済新聞, "国内の株式指標", 2020年1月6日時点
- 論文:山口勝業, 2016, "株式リスクプレミアムの時系列変動の推計 --日米市場での62年間の実証分析", 証券経済研究, 93, pp. 103-111
- WEBサイト:StarCapital, "Stock Market Valuation", 2020年1月7日時点
- 論文:James R. Booth and Lena Chua Booth, 2003, "Is presidential cycle in security returns merely a reflection of business conditions?", Review of Financial Economics, 12(2), pp. 131-159