お金の悩みを解決!マネープランクリニック/30代シングルの方のお金悩み相談

31歳貯金500万円。1日に使える食費500円は、さすがにわびしいです(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、毎月の給料から家賃と必要経費、貯金を差し引くと、お金が残らず食費をあまり使えないという31歳の会社員男性からの相談です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 健康のためにお金を使いたいなら、まず食費1万円UPを

やりたいこと、悩んでいることを、一つ一つ考えていきましょう。
 
まず、現在の収入と支出の状況が変わらないとすると、毎月貯蓄できるのは、実際のところ1万円。現在2万円の貯蓄とのことですが、食費をあえて1万円増やしましょう。健康にもっとお金を使いたいと書かれていますが、そのためには、食生活を改善して健康維持に努めることが先決です。1日の食費500円はわびしい、と言っている場合ではなく、外食が増えても構いませんから、バランスの良い食事を摂ることが何よりも大切です。健康維持のための運動などは、お金をかけずともできることがたくさんあります。
 
毎月1万円の貯蓄ですが、幸いボーナスが90万円ありますから、そこから58万円を貯蓄に回せば、年間で70万円貯められることになります。ボーナスから32万円は使えます。趣味や娯楽にお金をかけても問題ないでしょう。
 
年間70万円の貯蓄が継続できれば、60歳までの29年間で2030万円。今ある貯蓄と合わせれば2500万円は老後資金として残すことができるわけです。現在、会社員ですから、厚生年金加入ですね。今後、転職などをする際にも、厚生年金加入ができる勤務先であれば、老後の生活で困ることはないでしょう。
 
貯金をこれ以上増やしたいのであれば、収入を増やすか、副業などをするしかありません。でも現状維持であっても、金銭的な不安を過度に抱えることはありませんので、ご相談者が、今後どういう生活をしたいかで変わってくるでしょう。
 

アドバイス2 住宅購入は現在の収入ではリスクがある。やりたいことができなくなるかも

住宅購入については、今の段階ではリスクが大きいといえます。購入後の管理費、修繕積立金など維持費を考えると、毎月返済可能額は5万円。65歳までの返済とすると、借りられるのは1700万~1800万円。頭金を入れて、やはり物件価格は2000万円が上限となります。
 
ただ、購入後には固定資産税もかかってきますし、水道光熱費なども増える傾向にあります。現在の収入からすると、毎月1万円の貯蓄ができなくなり、やりたいこともできなくなる可能性があります。住宅購入は、慎重に考えてほしいと思います。
 
また、家賃の安いところに引っ越すとしたときに、今より通勤時間が長くなり、その分、必要以上に外食が多くなったりして、家賃の差の分が、まるまる貯蓄に回せるとも限りません。遠くなった分の不便さを楽しみに変えられたり、生活環境が変わることのストレスに対応できるなら、引っ越しもいいかもしれません。
 
購入しろ、賃貸にしろ、住まいは損得勘定ではなく、生活の基盤です。その町での暮らしが楽しいものにならなければ、住み替えは仕事にも影響します。よく検討してみてくださいね。
 

アドバイス3 保険は不要。毎月の貯蓄額が少ないので、投資割合は増やさないこと

保険については、会社で加入している保険の中身がわかりませんが、ひとり暮らしの今は、新たな保険加入は必要ありません。
 
病気ケガでの入院も、高額療養費制度によって、一定額以上の自己負担はありません。会社員なので休職しても傷病手当金がもらえます。病気ケガへの対応は、貯蓄で十分です。どうしても不安があるのであれば、県民共済で医療保障だけ確保しておけばいいでしょう。死亡保障のある生命保険は、結婚して子どもを授かったなど、守るべき家族ができたときに、加入すればいいものです。
 
最後に投資についてですが、現在の金融資産が、貯蓄:投資=3:2の割合です。これをキープするようにして、投資の割合はこれ以上増やさないようにしましょう。投資については、「iDeCo」や「つみたてNISA」を利用した積立投資がいいのですが、毎月の貯蓄額が少ないので、無理せず、今のスタイルで楽しみながら続けていけばいいでしょう。
 
転職などはあまり考えておられないようですが、それならば会社の制度については、確認しておかれるといいでしょう。再雇用制度や退職金などの有無によっても、資産形成の仕方は変わってきます。現状では金銭的な心配はありませんので、もう少し生活を楽しみ、健康を維持するために、食事にはくれぐれも気を付けてください。
 

相談者「一日食費五百円」さんから寄せられた感想

アドバイスをいただきありがとうございました。貯金2万円の目標も家計簿アプリの自動計算で出したもので、漠然と節約しなきゃ、お金貯めなきゃ、保険入らなきゃと思っていました。趣味に使うのも後ろめたいと思っている部分もありましたが、現状の分析と将来の明確なビジョンをいただき、今後は月1万円、年間70万円のペースを基準に貯めていきたいと思います。

食事は栄養学とかは詳しくないので、肉サラダ米の三点セットが三食だったのを一品足すとか週末にいいものを食べるとかになるかもしれませんが、もう少しランスを考えてみます。住居は買ってもいいことがなさそうなので賃貸で今のところで当分は過ごそうと思います。会社の情報はどこから調べればいいかわかりませんが、調べられるところから調べていきたいと思います。色々な情報をいただき、ありがとうございました。楽しく健康に過ごしていけるように先生のアドバイスを活かして頑張っていきたいと思います。


教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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