2019年末現在、歴史上まれにみる低金利時代に突入しました。今のような低金利が続く限り、黙っていてもお金は増えません。そこで今回は、「安全にお金を増やしたい!」という方にオススメできる、堅実なお金の増やし方をご紹介します。
定期預金より早く、堅実にお金を増やすには?
外貨建て預金は、基本NGな運用法
まず、NGな運用法から解説します。ちまたでは、「外貨建て預金なら金利が高くて、お金が増えやすいですよ」といったセールストークをよく聞きます。それもあり、「定期預金に預けるよりは、外貨建てで貯金をしたほうが良さそう」と感じる方も多いでしょう。ですが、これはNGの運用法です。というのも、たとえ外貨建てで金利が良くても、それと同じ分だけ為替レートが修正され、元通りになってしまう可能性が高いからです。この考え方を「購買力平価説」または「金利平価説」といいます。
つまり、「外貨建て預金をしても、金利が有利になるということは基本ない!」「むしろ、外貨建てで定期預金をする方がコストが高く、不利である可能性が高い!」ということですね。
個人向け国債(変動10年)は、定期預金よりお得な運用法
次に、及第点の運用法について解説します。定期預金の金利が納得できない場合、2019年時点で個人向け国債はお得だと思います。通常、個人向け国債は、大口向けと比べて利回りが低く、不利です。ですが、2019年時点で日本の国債利回りはマイナス金利なので、個人向け国債(変動10年)では年率0.05%(税引前)の最低金利が保証されています。
つまり、現時点では大口と遜色ないということですね。外国の国債を買うよりも、日本の個人向け国債を買った方が、利回りが高いと期待できます。
iDeCoを使った蓄財が理想的
最後に、理想的な運用法について解説します。あなた(または、あなたの家族)が所得税や住民税を収めているのであれば、iDeCoを使った蓄財がオススメです。iDeCoは個人向け確定拠出年金のことで、一定の年齢に達するまでお金を引き出すことができません。その代わりに、節税(または税の繰延べ)効果が得られるので、定期預金や国債と比べて大きく得できる可能性が高いです。
なぜかというと、iDeCoで拠出した資金分は控除の対象となるからです。たとえば、「所得税率5%+住民税率10%」を支払っている家庭であれば、貯蓄資金を拠出するだけで最大5%+10%=15%分の節税効果が期待できます。(復興特別所得税は考慮せず)
株式投資などの「高リスク・高リターン」な投資商品でさえ、平均的な利回りは年率4~5%ほど(1)。仮にiDeCoで拠出額の15%を節税すれば、それだけで高リスクな株式投資3年分に相当する利回りです。個人向け国債の利回りと比べても、はるかに高い効果といえるでしょう。
まとめ
本記事の内容を簡潔にまとめると、次のようになります。- 外貨建て預金「×」:コストが高いのでNG
- 個人向け国債(変動10年)「〇」:2019年末時点で有利
- iDeCoを使った蓄財「◎」:引き出せないが大きな節税効果が期待できる
なお、僕の場合は「iDeCoを使った蓄財+積立資金で株式連動型のインデックス型投信を購入」することで、リスクを取って資産を運用しています。リスクを取れそうな方は、この方針も検討するとよいでしょう。
リスクを取らずとも、iDeCoは「これ以上ない!」と思える節税制度です。利用しない手はないと思います。
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【参考文献】
- 論文:山口勝業, 2016, "株式リスクプレミアムの時系列変動の推計 --日米市場での62年間の実証分析", 証券経済研究, 93, pp. 103-111