皮膚・爪・髪の病気

小中学生のレーザー脱毛…永久脱毛のメリット・デメリット・注意点

【皮膚科医が解説】レーザー脱毛は低年齢化が進んでおり、小学校高学年のお子さんが来院されることも稀ではありません。小学生・中学生のムダ毛の悩みは、ホルモン異常が原因のことも、本人が強くコンプレックスを感じていることもあります。子どもの脱毛処理のメリットと注意点などについて解説します。

野田 真史

執筆者:野田 真史

皮膚科医 / 皮膚の健康ガイド

レーザー脱毛の低年齢化・小学校高学年も珍しくない永久脱毛

思春期の女子イメージ

小中学生の多感な時期は、ちょっとしたこともコンプレックスに感じてしまいやすいようです

レーザーによる永久脱毛は、成人もしくは成人に近い年齢から受けられる方が多いです。しかし小学生でも、高学年くらいの年齢のお子さんが、すねなど毛が濃い部分の脱毛処理を希望し、親御さんと来院されることは稀ではありません。最近は美容意識の高まりもあるのか、脱毛レーザーでの施術を希望される方の低年齢化が進んでいます。
 

小中学生のムダ毛の悩み・ホルモン異常が原因で体毛が濃くなることも

体毛の濃さには個人差があります。特に女性の場合、腕、すね、脇などの体毛の濃さを気にされる方が多いです。冒頭でも触れましたが、大人に限らず、小学校高学年以降から実際にクリニックを受診される患者さんもいます。
 
特に、人から見えやすい部分である、腕やすねなどの体毛が濃い場合、コンプレックスに感じてしまいやすいようです。本人にとっては深刻な悩みになっていることも多いので、もし小中学生のお子さんから相談を受けた場合も、「気にしなくていいよ」で片付けてしまうのではなく、解決策を一緒に考えてあげていただければと思います。
 
鼻下など、女性では通常濃くない部分の毛が目立つ場合には、多嚢胞性卵巣症候群などのホルモン異常が原因のこともあります。体毛が異常に濃く気になる場合はクリニックを受診してみましょう。
 

永久脱毛は子どもでも受けられる? 脱毛の種類とコストの目安

皮膚科や脱毛専門クリニックで行っている脱毛も、医学的には子どもでも受けることができます。しかし医療脱毛が受けられるクリニックでも、年齢制限を設けている場合もあるので、受診される場合は事前に確認しましょう。
 
脱毛の種類は、「レーザー脱毛」と「光脱毛」の2つに大きく分けられます。レーザー脱毛は通常クリニックでしか行うことができません。光脱毛はエステで行っていることもあります。レーザーの方がより深くしっかりとした脱毛治療ができますのでおすすめです。
 
値段は、通常レーザー脱毛の方が高くなります。コストは部位の広さやクリニックによってまちまちですので、ウェブなどで事前にチェックするようにしましょう。脱毛レーザーは機械が同じであれば基本的性能は同じですが、施術者が処置に慣れているかどうかで、打ち漏れの有無など結果に差が出ます。脱毛レーザーに慣れているクリニックを選択するのがいいでしょう。
 
部位により間隔や回数は異なりますが、1~2ヶ月間隔で最低5回程度はかかります。毛の密度が濃い部分ほど必要な回数は増えます。また、永久脱毛とはいうものの、施術部位の毛を100%除去することはまず不可能です。8~9割の毛が生えなくなるのが永久脱毛と考えておきましょう。
 

小中学生のレーザー脱毛のデメリット・リスクと注意点

レーザー脱毛には、どうしても痛みが伴います。痛みはレーザーの種類によりかなり差がありますし、痛みの感じ方も人それぞれです。子どもの場合は痛みに耐えられないケースもあります。痛みを強く感じてしまう場合には、塗り麻酔をしてからレーザーを当てることもあります。

他にも、稀ですが、レーザー脱毛は火傷のリスクがゼロではなく、また、レーザーを当ててしばらくの間はニキビができやすくなるといったリスクやデメリットもないわけではありません。しかし多くの場合は安全に施術を行えます。
 

ムダ毛や永久脱毛に関する悩みは、クリニックで相談を

毛の濃さはホルモン異常などが原因でない限り、治療の必要はなく、その意味では脱毛も医学的には必要のない処置です。しかし、患者さんのお話を伺っていると、外見でコンプレックスを感じてしまっていることは少なくありません。特に女性の場合は、小学生でも気にしてしまう子もいます。

脱毛レーザーは効果が確立されていて、リスクの低い施術です。もし悩みが強い場合には、お子さんの声に耳を傾けて、一度クリニックに相談してみるといいでしょう。
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