亀山早苗の恋愛コラム

なぜ50歳が近づいた女性は「恋」に落ちやすくなるのか?

50歳前後を「アラフィフ」という。長年の取材を通じて、実は女性がいちばん恋をしやすいのがこの時期ではないかと感じている。なぜなら、女性にとっての「50の壁」は大きいからだ。そこには間違いなく閉経がかかわってくる。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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女性がいちばん恋をしやすい時期!?

アラフィフの恋

50歳前後を「アラフィフ」という。長年の取材を通じて、実は女性がいちばん恋をしやすいのがこの時期ではないかと感じている。なぜなら、女性にとっての「50の壁」は大きいからだ。そこには間違いなく閉経がかかわってくる。
 

閉経=女でなくなる?

閉経するということは、「産む性」ではなくなることだ。女性でなくなるわけではない。ただ、当の女性たちも「産めない=女でない」と思い込みがちだ。

「私自身、50歳手前の心身の状態は最悪でした。更年期で頭痛やめまいに悩まされたし、気分的にも沈んでいましたね。40代になって、もう産まないのに生理なんてめんどうだわと思っていたけど、いざなくなると思うと寂しくて。女卒業か。そんな気分でした」

アカリさん(53歳)はそうつぶやいた。女は灰になるまで女なのだが、更年期で心身ともに不調だからか、気分が滅入る女性は多い。

「50歳を過ぎたら、少し開き直ったのか、まだまだ人生は長いんだから楽しまなくちゃと思えるようになっていった。同世代の女友だちと励まし合いながらですけど」

結婚25年、長男は就職で家を離れ、長女は大学生。夫と娘の3人で暮らしているが、ふたりとも夕食を家でとらないことがほとんどだ。

「私もパートの日数と時間を増やしました。夜間にスポーツジムに行ったりひとりで映画を観に行ったり。たまには夫とデートすることもあります。後半生も案外、楽しめるかなと思うようになっていったんです」

そんなとき、ジムで顔見知りの男性と言葉を交わす機会があった。トレーナーではなく、一般の会員なのだが、アカリさんが筋トレをしていると、ひと言アドバイスをくれる人だった。

「着替えて帰ろうとしたら、たまたま彼も帰るところで。なんとなく話をしながら駅まで行ったら、彼が『一杯やっていきませんか』って。ごく自然に近くのビアホールで向かい合ったんです。なんだか不思議と違和感がなくて、昔からの知り合いみたいだった」

知らないうちに、彼と心が通じ合っているようだった。
 

女として人生を楽しみたい

それからときどき、彼と帰りに食事をするようになった。とはいっても約束をするわけではない。会えたとき、お互いに時間があるときに食事をしたり飲んだりしながら話すだけ。

「それが気楽で楽しくて。でも3カ月くらいたったとき、突然彼に会えなくなったんです。携帯の番号も聞いてないし、彼がどこのどういう人かも知らない。そのとき自分が恋をしていると気づいたんですよね」

1カ月ほどたったころ、彼がジムに現れた。仕事中、交通事故に巻き込まれて足首を骨折、入院して手術をしたのだという。

「そろそろリハビリもかねてジムに復活しようと思って、と彼は言いました。私、思わず涙ぐんじゃって。心配してた、と言うと、彼は会いたかったよって」

それが互いの気持ちの告白だった。その1カ月後、ふたりは約束してデートし、深い仲になった。ゆっくりとお互いの体と心を自分のもののように愛したという。

「彼にも家族がいます。私も夫のことは好き。でも、それとは違う何かで彼とつながっている。そんな気がします」

2歳年上の夫と、3歳年下の彼。夫とは安心感があり、彼とは刺激的な関係だ。

「比べる気は毛頭ありません。でも四半世紀ぶりの恋に少し浮かれているところもあります。この年になって恋ができるなんて幸せですよね」

アラフィフはもう恋などしないというのは誤解だ。50の坂を越えても、人は恋をする。若いころと同じように。
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