家具・インテリア

人生を愉しむ、時の小道具「AKTEO」

自分らしさを体現する愛用品というものを、みなさんはお持ちでしょうか。ファニチャーデザイナーの石川さんが紹介してくれたのは、正確な時間よりも「自分らしさ」を刻んでくれる腕時計でした。

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

 
AKTEO

文字盤と針が付ける人の職業を連想させる
 

文字盤の上でT定規、三角定規、コンパスなど日頃使い慣れた製図道具の精巧なミニチュア達が時を刻む。「あっ、カワイイ!」って、周囲の人が気づいてくれると、嬉しくなる腕時計:AKTEO(アクテオ)。これが私の愛用の腕時計です。
 
AKTEO

職業だけでなく、季節や趣味などさまざまなモチーフがある
 

自然、宇宙、花、動物、職業にまつわる道具、スポーツなどさまざまなテーマに関わるモノ、コトをミニチュアで表現し、時を刻む部品をシンボル化している腕時計なんです。

AKTEOは、時計ではありますが、時計だけ、ではありません。時間はわかるけれど、正確ではない。正確に一分一秒を刻む時計をお探しの方には無用の時計、、、かな。

 

 

文字盤上で人生物語を映し出す時の小道具

AKTEO

見ているだけで癒される、遊び心のあるデザイン
 

AKTEOとの出逢いは、今から25年前のパリ。滞在したホテルのセレクトショップでウィンド越しに様々なシンボルや記号達がレイアウトされた小振りの腕時計がズラリと鎮座していました。

目を凝らしてみると、文字盤の上に分度器、三角定規、エンピツのミニチュアがあるソレを見つけたのです。学生時代から、デザインを生業にする現在でも愛用する道具のミニチュアでした。
「これ、ボクでしょ!」と頬がゆるんだのを覚えています。当然のように、この腕時計の虜になりました。

愛着道具の品々には沢山の思い出やエピソードが詰まっています。一つひとつに人生の物語が詰まっていると言っても過言ではありません。
 

ブランドに秘められたエピソード

AKTEO

前身は夫婦で立ち上げたブランド「TABOO TABOO」


実は、AKTEO自身にもエピソードがあります。

世界共通の記号ミニチュアを使って時間を表すデザインで、腕時計の新境地を開いたデザイナー:J.C.MARECHAL(ジャン・クリストファ・マレシャル)が、夫婦で立ち上げた時計ブランド、「TABOO TABOO (タブー タブー)」(ボクがパリで見つけたソレは、「TABOO TABOO」の腕時計)。しかし、夫婦はその後離婚。著作権の争いでブランドは使用できなくなり、紆余曲折した結果、夫J.C.MARECHALがAKTEOを立ち上げ、今に至っているのです。

双方の違いは、丸味を帯びたケース(TABOO TABOO)とエッジの効いたケース(AKTEO)。人生、時を重ねる毎に角が取れて丸くなる、というものですが、ケースを見る限りその逆、か?

人生物語を地で行く時計ブランドAKTEO。現在では、ヨーロッパ、北米のミュージアムで展示販売され、多くの人に愛好されています。
 
職業や趣味嗜好、こだわりや感性など自分物語が、時と戯れる腕時計。細部のクォリティーも高く、遊び心と美しさを兼ね備えた「遊美(遊ぶ美しさ)」があります。

幅:3.2m、厚さ:6mm。人生を愉しむ、時の小道具:AKTEOは、「ボクの宝物」です。

 

DATA
AKTEO|AKTEO ウォッチ/ 建築家 ARCHITECT 02

サイズ:幅 3.2cm 奥行 6mm
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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