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記事例:「なんで結婚しないの?」に答え続けるのにもう疲れました

「我慢は人を成長させる」と思ってがんばってきた女性の行き着く先とは

我慢の限界

意思疎通ができない夫と長い間、結婚生活を過ごし、ついに我慢ができなくなって離婚を決める。そんな女性は少なからずいる。彼女たちの多くが口にするのは、「結婚は修業みたいなもの。我慢すればきっといいことがあると信じていた」という言葉だ。我慢は人を成長させるのだろうか。

 

していい我慢と、する必要のない我慢

「私、自分がこんなに笑う人間だと思っていませんでした」

そう言うのはアイさん(48歳)だ。29歳で結婚、離婚を決意して5年、ようやく離婚が成立して半年がたつ。今は16歳の娘と実母の3人暮らし。

「娘には自由に父親と連絡をとっていいと言ってあります。ただ、私は彼とはもう生活を続けることはできなかった」

3歳年上の夫とは結婚してしばらくうまくいっていた。娘が産まれたとき、夫は目に涙をためて喜んでいた。だが、その直後、アイさんが妊娠中に夫が元カノと関係をもっていたと知る。

「それでも夫が泣いて謝ったし、娘も授かったことだし、私さえ我慢すればいいんだと思いました。ただ、夫のことを全面的には信頼できなくなりましたけどね」

きっとあとから笑い話になる。そう信じて彼女は育児に仕事にとがんばった。ほとんどワンオペ、夫は週末にはひとりで遊びに行くことも多かったという。

「母親なんだからがんばらなくちゃ、妻なんだからこのくらいの夫のわがままには耐えなければ。そんな日常でしたね。我慢するのが当たり前になっていた。夫に文句を言って気まずくなるよりは自分ががんばってしまえばいいんだ、と」

多くの女性たちが、そう考えてがんばってしまうのではないだろうか。なぜなら、そこに経済格差があるからだ。

「私ひとりの収入でそこそこ生活できるなら、とっくに離婚していました。でも家賃や子どもの学費を考えたら、やはり夫と一緒にいるほうが得策なんですよ」

離婚したいけれどできない女性たちの代表的意見だろう。

 

我慢の限界

それでも5年前、アイさんは絶対に離婚すると決めた。

「会社から1週間泊まりがけの研修を受けることを勧められたんです。それを受ければキャリアアップにつながるし、私自身も受けたかった。ただ、娘がまだ中学に入ったばかりだったので、母に来てもらおうと思ったんですよね。一応夫に相談したら、『おまえが稼ぐ金なんてたかが知れてる。研修なんていつでも受けられるだろ』って。夫はもともと私を下に見ていると思っていましたが、そのとき、はっきり人として対等ではないと思い知らされた。だから離婚を決意したんです。時間がかかってもいいから別れようと」

そのときは娘に研修を受ける意義を言い聞かせ、母親にも来てもらった。そこからアイさんは離婚に向けてどんどん行動するようになっていく。

「へそくりも一生懸命貯めましたし、夫のそういうモラハラ発言も録音しました。今まで家庭にほとんどタッチしてこなかったことも書き綴って。いざ裁判となる可能性も視野に入れての証拠集めをしましたね」

結婚してしばらくたったころから夫との間で腹に据えかねることがあったとき、彼女はよくノートに書き付けていたのでそれも大事に保管した。

「娘が高校に入学したとき、私から離婚を切り出しましたが、夫はまったく聞こうともしなかった。離婚して生活していけるのか、と鼻で笑われました」

ちょうどそのころ父親が亡くなったこともあり、母親が家を売って都内にマンションを購入することを承諾してくれ、アイさんと娘はそこに転がり込んだ。

「母が賛成してくれなかったら、私と娘は転がり込む先もなかった。別居してから弁護士さんに相談、最近、やっと離婚が成立しました」

娘が大学を出るまでの学費を払うことに夫も同意した。代わりに慰謝料も生活費ももらっていない。アイさん自身、仕事でいくらかキャリアアップできたから離婚をすることも可能になった。

「私はラッキーだったと思っています。離婚を決意してから、いろいろなことがうまくいった。あのまま、私は家庭があるのだから研修を受けられない、これもあれもできないとあきらめていたら、きっと今のように自由になっていません」

女3人の暮らしは気ままで楽しいと彼女は言う。そして冒頭のように思ったのだ。私、こんなによく笑う人間だっけ、と。

「娘にも言われました。『ママは以前、私と一緒のときは笑うけど、パパが帰ってくるといつも顔がひきつっていた』と。自分では意識していなかったけど、娘は見ていたんですね」

晴れやかできれいな笑顔だった。結婚している当時の写真を見せてもらったのだが、表情が暗く、口元も歪んでいる。別人のように見え、人が美徳のように唱える「我慢」が、いかに当事者の苦痛になっているのか改めて感じさせられた。
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