亀山早苗の恋愛コラム

同棲7年、36歳の彼女が「婚姻届け」を出さなかったワケ

「同居している結婚」だけが男女間の最終形ではない。別居の結婚があってもいいし、婚姻届を出さない同棲という形があってもいい。だが、世間はどうしても「結婚」という形をとらないカップルに厳しい目を向けがちだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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同棲7年、「結婚」という形態は必要ない

結婚しない

「同居している結婚」だけが男女間の最終形ではない。別居の結婚があってもいいし、婚姻届を出さない同棲という形があってもいい。だが、世間はどうしても「結婚」という形をとらないカップルに厳しい目を向けがちだ。

 

 

周囲のプレッシャーがめんどう

2歳年下の彼と一緒に暮らして7年になるマオさん(36歳)。ふたりの間で結婚話が出たこともあるが、「今のところ婚姻届を出さない」ということで落ち着いた。

「ところがこれが世間には受け入れられないんですね。両方の親もうるさいし、友だちも『なんで結婚しないの?』と必ず聞いてくる。逆に『どうして結婚しないといけないの?』と聞いてみると、『そりゃ、ちゃんとしないと』と曖昧な答がかえってくる。ちゃんとする=結婚、なんでしょうか。大事なのはふたりの気持ちだと思うけど」

事実婚が増えているが、やはり多くの人は“ちゃんと届を出して世間に認められる結婚をするのが普通”だと思っているのだろう。

「世間って何?と思うんです。私たちが困ったって、世間が助けてくれるわけじゃない。世間に対して恥ずかしくないようにとうちの親は言いますが、婚姻届を出さないことが恥ずかしいことなんでしょうか。さっぱりわからない」

マオさんは苦笑した。「みんなと同じことをしない」だけで、世の中は冷たい目を向けるもの。ここにも閉塞した生きづらさがある。

「友だちなんて『同棲だけじゃそのうち捨てられる。法律で縛っておかないと男は帰ってこなくなるよ』と言うんですよ。縛らないと帰ってこない男なんて、こっちから願い下げです」

 

 

形か内容か

結婚は女性の憧れ。もはやそんな時代ではない。結婚は人生の一部であり、どういう形をとるのかも人それぞれの考え方によって違う。

「うちの姉は大恋愛だと本人も認識して結婚したけど、数年後にはもう倦怠期だと言いだし、結局10年足らずで離婚してしまいました。多かれ少なかれ、結婚した人は、結婚後に恋愛感情はなくなったと言いますよね。私はできる限り、彼に恋愛感情をもち続けたい。安定よりそのほうが私には重要なんです」

お互いに仕事優先の生活だから、ときにすれ違いが続き、数日顔を見ない日もある。だがそんなときは、休日を確認しあい、ふたりでのんびりできる日を作るという。

「一緒に住んでいるし、連絡はとりあっているけど、『やっと会えた』と感じるときがあるんですよ。生活を滞りなく進めていくより、私にはやっと会えた、うれしいという感情が大事なんです」

それぞれ、仕事がらみで他の異性と食事をしたり飲みに行ったりすることもある。そういうことは特に報告しない。

「仕事での人間関係を報告する義務はありませんからね。その結果、どちらかにより好きな人ができたら、そのときはしかたがないと腹をくくっています。関係がダメになるということは、その関係を続けなくてもいいやとどちらか、あるいは双方が思っているからだと思うんです。相手のことが大事なら、自然と自制心が働くはずだと思う」

彼女の心情としては、「今は、彼がいちばん大事」ということだ。それはいつ変わるかわからない。彼も同じだ。他に好きな人がいるのに自分と一緒にいなくてはならないと思われるほうがつらい。

「気持ちは縛れません。そして恋愛関係でいちばん大事なのは気持ち。いつひとりになってもしかたがないというある種の覚悟はもっています」

凜としたマオさんの表情が印象的だ。
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