妻は仕事ができる状態ではないため、現状、障害基礎年金をもらっています

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は離婚歴があり、子どもが別居で2人いるという契約社員の男性。養育費として毎月6万5000円を払い、働き方とお金の貯め方について悩んでいます。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

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養育費はあと15年払う必要があります

養育費はあと15年払う必要があります




■相談者
まるたかさん(仮名)
男性/会社員/39歳
近畿/借家
 
■家族構成
妻(50代)、子ども(15歳・4歳) ※子ども2人は別居
 
■相談内容(原文まま)  
将来的な不安からお金を貯めていきたいのですが、どのような方法で貯めていくか悩んでいます。投資をしていくことを検討していますが、どのようにしていくのが堅実なのかということです。私は離婚歴があり、子どもが別居で2人います。養育費として毎月6万5000円払っています。これは、教育費として計上しています。あと15年払っていく必要があります。ただし、上の子どもが成人後5万円に減額されます。妻は仕事ができる状態ではないため、現状、障害基礎年金をもらっています。本人としては働きたいと思っていますが、今の状態では難しいと考えています。妻の収入は年金のことです。新しい分野、通勤距離の遠さ、資格の勉強の理由から、今は契約社員として働いています。会社の管理者からは、正社員の採用試験の案内もされています。私としては、真冬の通勤の可否と資格取得の前提で、正社員になりたいことを採用試験の時に伝えています。ただし、資格を取得しても給料には反映されません。正社員として採用されたら、最初の数年は、給料は契約社員より少ないかと思います。ボーナスは多くなります。保険は、私も妻も医療保険(入院)とがん保険のみで、死亡保険は付けておりません。
 
■家計収支データ
相談者「まるたか」さんの家計収支データ

相談者「まるたか」さんの家計収支データ



 
■家計収支データ補足
(1)収支の差額について
現状、ボーナスと教育訓練給付金(資格取得のために申請したもの)で穴埋めしています。教育訓練給付金は、今年度分で約11万円戻ってきます。また、義母への返還金は約70万円程度残っています。催促はないが、毎月返すように言われています。
 
(2)車両費について
車は1台です。内訳は、ガソリン代は2万5000円程度。1通勤で120キロ走行するので、自動車の維持費で月に1万円程度(オイルやタイヤ)必要ではないかという推定です。何もなければ、2万5000円程度です。現状、金銭的に厳しくて、買い替えの予定はありません。ただし、買う必要が生じた場合は、軽自動車を検討。
 
(3)加入保険について
♢本人/がん保険=毎月の保険料1500円
♢本人/医療保険=毎月の保険料1882円
♢妻/がん保険=毎月の保険料1630円
♢妻/医療保険=毎月の保険料6881円
 
(4)ボーナスの主な使い道について
契約社員では、年に2回の10万円ずつです。おそらく、手取りではこのくらいになるかと思います。ボーナスは赤字の穴埋めに使い、余った分を貯金へ回しています。
 
(5)お勤め先について
退職金制度は、あると思います。金額は300万円程度ではないかと思います。再雇用制度は65歳まではあります。60歳以降については、今の会社に限らず働ける限りは働くと思います。 
 
(6)年金について
・本人/65歳から受給開始 65万6000円/年     
・妻/  65歳から受給開始 49万円/年
※国民年金期間が多い、また海外在住期間が約9年あり、そのため、受給資格期間は約200カ月です。
 
(7)ご家族について
妻は通院しています。精神疾患ですが、公費負担により、通院の医療費と薬剤費の負担はありません。おそらく、回数や薬の量は減っても一生続くといわれています。障害者手帳の等級が精神障害2級であれば、医療費及び薬剤費の負担はありませんが、将来的に3級になれば医療費と薬剤費の負担があります。私の実家は車で1時間30分程度。妻の実家は高速道路利用で4時間程度です。結論からいえば、どちらかの実家に住む可能性はあります。まず、私の実家に住む場合、築年数が約40年であるため、リフォームが必要になると思います。また、父親が一人で住んでいますが、同居するとなれば、手狭になると思います。一方、妻の実家は、築15年程度で広さも十分です。また、妻には兄弟がいますが、今後、実家を継ぐ予定もないので、今住んでいる義母が不在になれば、空き家となります。いずれの家も空き家になれば、住む可能性はあります。私の実家はかなりの田舎、妻の実家は政令指定都市で、妻の成育歴や今後のこと、妻自身の希望からいえば、今の賃貸から妻の実家に住む可能性はあります。
 
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 妻の実家で同居、収入アップの道を考えて
アドバイス2 投資する前に、貯蓄と保険の見直しを
アドバイス3 養育費負担がなくなれば、60歳までに650万円が貯まる
 

アドバイス1 妻の実家で同居、収入アップの道を考えて

複雑なご事情があり、大変なことだと心中、お察しします。そのうえで、厳しいことを申し上げますが、今は、奥さまの健康状態が心配なのと、何かあったときに、借金することになりかねない状態であるということです。まるたかさんが、強い気持ちで、決断すべきときだと思います。
 
今、貯蓄しようにも貯蓄する原資がない状態です。収入アップの道を探って転職をするか、奥さまの実家でお義母さまと同居し、生活費を少しでも節約するしか道はないと思われます。奥さまの健康状態を考えても、慣れ親しんだ場所ということも選択肢としてお持ちのようですし。
 
資格取得が収入アップにつながらないのは解せません。今の職場でずっと働き続けるのでしょうか? 通勤に往復120キロもかかるとなると、まるたかさんの健康も心配になってきます。もしも、このまま同じ会社で働くのなら、もう少し近いところに引っ越しをするということも考えるべきです。しかしながら、現在、引っ越し費用を捻出するのも難しい状態です。
 
奥さまのご実家が政令指定都市にあるのなら、同居を考えられてみたらいかがですか? 働き口を探すのも簡単ではないかもしれませんが、正社員として転職できる可能性は高いのではないのでしょうか。そこまで、現在の住まい、職場にこだわる必要がなければ、同居と合わせて転職が最優先だと思います。
 

アドバイス2 投資する前に、貯蓄と保険の見直しを

将来の不安から、投資を検討する、というのは、絶対NGです。投資をする前に、やるべきことがあります。
 
同居を前提に考えれば、現在かかっている住居費は浮きます。ガソリン代も減らせます。もちろん、生活費を実家に入れる必要はありますが、現在かかっている生活費をかなり抑えることはできるでしょう。その浮いたお金で貯蓄ができるでしょう。同居にかかる引っ越し代は一時的に、お義母さまからお借りすることになるかもしれませんが、支出が抑えられれば、上乗せして返済していくと約束することです。
 
もうひとつ、気がかりなのは、まるたかさんに万一のことがあった場合です。遺される奥さまの生活費として、死亡保障1000万円、期間20年の定期保険に、最低限でも加入してほしいと思います。割安な通販型の保険であれば、4000円程度で済みます。奥さまの医療保険の保険料が高いように思いますが、新たな加入は難しいかもしれませんので、このままで。まるたかさんの生命保険加入だけは、ご検討ください。
 

アドバイス3 養育費負担がなくなれば、60歳までに650万円が貯まる

現在、もっとも負担が大きいのが養育費です。現在の家計収支を前提にすれば、5年後には1万5000円減額され5万円となり、あと15年ということで、それがなくなれば、6万5000円をすべて貯蓄することができます。5年後から60歳までの間で、約650万円貯まる計算です。転職して正社員で収入が上がれば、貯金も年金受給額もアップできることでしょう。60歳以降もできるだけ長く働くことが不可欠ですが、老後は安泰、とまではいかなくとも、ある程度の貯蓄はできるのです。
 
今が、一番苦しいときだと思いますが、幸い、カードローンなどの借金があるわけではありません。どうか、良い決断をして、これから挽回していってほしいと思います。
 

相談者「まるたか」さんから寄せられた感想

先生には色々な方向からのご提案をしていただき、とても参考になりました。現状のままの場合、転職や同居という道もあると言うことを後押ししてくれました。もちろん、転職や同居というのは、容易なものではありませんが、一つの方法として検討していきます。

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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子



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