感情だけじゃない! 天気の良し悪しも貯蓄率に影響する!?
「金銭感覚を磨きたい!」という人は多いはず。最近は金銭感覚にまつわる研究も進んでいるおかげで、浪費を治す方法が少しずつ分かってきました。たとえば、オハイオ大学を筆頭とした研究(1)では、「人生はおしまいだ……」という感覚が、貯金率を下げてしまうことが確認されました。
他にも、ハーバード大学の研究(2)では「悲しい気持ちになると浪費癖が加速する」ことが確認されました。たしかに、悲しくなると僕ら人間は、自暴自棄になるものです。悲しい感情が自制心を下げてしまい、愚かな行為に走ってしまうというわけですね。
感情だけでなく、天気も金銭感覚と関係していることをご存知でしょうか。有名な研究としては、「天気が良い日と株価も上がりやすいぞ!」なんてデータがありますね。同じように、オランダのディーキン大学の研究(3)では、「日照時間と貯金率には密接な関係がある!」ことが確認されています。
この研究では、オランダの家計調査を元にしています。調査対象は2000軒以上の家計。分析の結果、日照時間が多いところに住む人ほど、貯金が多かったことが確認されました。
言い換えると、「天気が悪いと浪費癖が悪化するかもよ!」ということです。かくいう僕自身、梅雨の時期(6月)や秋雨の時期(10月)あたりは家にこもることが多く、Amazonなどで買い物をし、浪費が増えていました。ひえー、恐ろしい……。
日光浴が貯金につながる!?
天気が悪いと浪費癖がブーストする理由としては、日光を浴びる時間が短くなると、僕らの幸福感が下がり、鬱っぽくなるのが原因でしょう。実際、「幸福感が低い人ほど金銭感覚が狂うぞ!」というデータ(4)もございます。言い換えると、たとえ天気が良くても、家に引きこもってばかりの人も浪費癖がブーストする恐れがあります。貯金をしたい人は、なるべく外に出て日光浴をする癖をつけた方がよいでしょう。
太陽の光を浴びることで幸福感がアップ!
かくいう僕自身は、超インドア派。家を出ないで2~3日を過ごす……なんてこともザラにあります。長いこと浪費癖に悩んでいましたが、なるほど……「インドア派」が原因だったとは。
浪費を抑えるためにも、「普段から外に出て日光を浴びる」「天気が悪い日は、なるべくショッピングサイトを見ない」といった対策が有効かと思います。僕もスマホから買い物アプリを消して、もっと外へ出ようかな。
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【参考文献】
- 論文:Mateusz Filipski, Ling Jin, Xiaobo Zhang, and Kevin Z. Chen, 2019, "Living like there's no tomorrow: The psychological effects of an earthquake on savings and spending behavior", European Economic Review, 116, pp. 107-128
- 論文:Jennifer S. Lerner, Ye Li, and Elke U. Weber, 2013, "The Financial Costs of Sadness", Psychological Science, 24(1), pp. 72-79
- 論文:Cahit Guven, 2012, "Reversing the question: Does happiness affect consumption and savings behavior?", Journal of Economic Psychology, 33, pp. 701-717
- 論文:Nicolas Schweighofer, Mathieu Bertin, Kazuhiro Shishida, Yasumasa Okamoto, Saori C. Tanaka, Shigeto Yamawaki, and Kenji Doya, 2008, "Low-Serotonin Levels Increase Delayed Reward Discounting in Humans", The Journal of Neuroscience, 28(17), pp. 4528-4532