お金の悩みを解決!マネープランクリニック/30代シングルの方のお金悩み相談

39歳貯金13万円。離婚で150万円がなくなり、老後のためにどこを見直すべきですか?(2ページ目)

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、離婚後、シェアハウスで生活費を抑えながらパートで働く39歳の女性。貯蓄がなく、老後の不安と、クルマの買い替えについて悩んでいるとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

あるじゃん 編集部

執筆者:あるじゃん 編集部

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アドバイス1 現時点でローンを組むことは避けたい

まずは、最初のご相談である自動車の買い替えについて。その時期は明記されていませんが、少なくとも現時点での生活費に、新たな固定支出が加わることは避けたいところ。つまり、買い替えはローンを組まず、現金で行うべきということです。そうなると、貯蓄をして資金を作る必要がありますから、現実的には新車購入はきびしいでしょう。
 
現状、ローンで買うことがもっとも手軽です。しかし、貯蓄ペースは、データやご相談内容を見る限り、月1万円前後が貯まっていると考えていいでしょうか。これにローンの支払いが加われば、一定期間、現金の貯蓄がまったくできないか、借入額によっては赤字(貯蓄性のある保険の保険料は除く)に陥ってしまいます。

前心さんの家計における最優先事項は、貯蓄ペースを上げて貯蓄を増やすこと。これに尽きます。もしも不測の事態(病気やケガなど)でまとまった資金が必要になった時、現状では新たに借入をするしか対処法がありません。それは金額によっては大きなリスクとなります。したがって、安易に自動車ローンを組むことを勧められません。
 
カーリースについては、所有の場合と比較しないと即断はできませんが、結局、リース料が発生するわけですから、ローンで購入するのと状況は変わりません。リース料も自動車ローンの残価設定とほぼ同じ算出方法(車両価格を使用期間で割る)が一般的ですから、金利も発生していますし、任意保険にも自前で加入しないといけません。コスト的に購入より大きく有利とは考えにくいといえます。
 

アドバイス2 保険を見直し、まずは貯蓄100万円を目指す

では、具体的にどう貯蓄を増やしていくか。

家計については、節約意識を持ってしっかりやられていると思います。シェアハウスを利用し、家賃だけでなく、暮らしの部分でも上手に協力し合っている点も感心します。しかし、懸念もあります。いつまでシェアできる状態を維持できるか。それも踏まえて、家計をいち早く貯蓄体質にしていく必要があります。
 
しかし、生活費は十分抑えられています。友人との外食やマッサージによる身体のケアはコスト的にも大きくなく、むしろ削るべきではないでしょう。そう考えると、保険を見直すしかありません。
 
加入されている終身の医療保険は保険料が割高です。理由は特約が多く、200万円の死亡保障も付加している点でしょう。解約されて、入院5000円程度の医療共済もしくはシンプルな医療保険(終身保障終身払い)に加入し直します。どちらも保険料は2000円前後です。
 
また、個人年金保険に2本、養老保険に1本加入されています。現時点でまとまった貯蓄があるなら、老後への備えとしては決して間違ってはいません。ただし、先にも触れましたが、現金による貯蓄ペースも低く、貯蓄もない。一方、老後はまだ20年以上も先です。将来に備えるあまり、そこに達するまでの生活がリスクにさらされるのであれば、それこそ本末転倒です。

個人年金保険のうち、どちらか1本は払済保険に。一定の保険料を払い込んでいないと払済保険への変更ができない商品もありますので、それを確認した上で、より早く変更可能の方を選んでもいいでしょう。同様に養老保険も払済保険に。
 
これら見直しで月2万円以上、保険料コストを下げることができます。結果、毎月3万円貯蓄できれば年間36万円。3年間で100万円を超えます。まず、これが貯蓄の最初の目標と考えてください。
 

アドバイス3 積極的に収入アップを目指す

貯蓄を増やすために家計を見直すことは有効ですが、限界もあります。あまりに節約して、生活に何の楽しみもなければ、それ自体意味がありませんし、節約そのものも続きません。したがって、収入アップも検討したいところです。
 
勤務先で契約社員の可能性があるなら、ぜひトライしてください。現在厚生年金加入がどうかは不明ですが、もし未加入なら、それをキッカケに加入できるはず。収入アップはもちろん、老齢厚生年金を受給できます。心配されている老後資金についても、有効な対策となるわけです。
 
ただ気になるのは「再度話が来た場合」と書かれている点。過去にあった、結果的に断ってしまった経緯は本当に残念でしたが、それはそれとして割り切り、今はただ話が来るのを待つのではなく、どうすれば契約社員になれるのか、なれるとすればいつ頃なのか、勤務先に確認するくらいの積極性があっていいと思います。

そして、現在の職場を気に入っているとのことですが、数年経っても契約社員になれる気配がないのなら、収入アップを目指して転職すべきだと考えます。必要以上に焦る必要はありませんが、かといって、3年、4年と待つ時間的余裕はないかもしれません。頑張ってください。
 

相談者「前心」さんから寄せられた感想

ありがとうございます。厚生年金には加入しています。働き方改革で逆に収入が減る見込みです。生命保険の見直しを依頼してみようと思います。それでも無理なら、別の会社に検討しようと思います。

★お金の悩みを解決!!マネープランクリニックの過去記事はコチラへ


教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など


取材・文/清水京武

 
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