内臓脂肪は男性の問題と思いきや、女性の「隠れお腹ぽっこりさん」が増えています。手足は細いけれどくびれのない、寸胴の人は要注意! 筋肉がほとんどないので、体重は軽いけれどぷよぷよの若くして老化した体になりやすいのです。
実は私も、若かりし頃、ダイエットとリバウンドの経験があり、「内臓脂肪」を気にしているひとり。同じ悩みを持つ方にイチオシの本が『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える 、内臓脂肪を落とす最強メソッド』です。
TVでも「白パン先生」 として有名な池谷敏郎氏が、自身の経験を元に、内臓脂肪を落とすメソッドを、明るく楽しく教えてくれる一冊です。
私も「隠れお腹ぽっこり」だったからこそ納得
管理栄養士の私は、栄養学にとどまらず、ワンランク上の予防医療としての食事法を常にアップデートするため、医師や医学博士の著書を読むようにしています。なにしろ、近年ダイエットは、美容だけでなく「予防医療」として注目され研究が盛んです。今日の常識は明日の非常識と言われるほど、情報がどんどん刷新されていきます。中でも気になっていたのが、最近話題の「内臓脂肪」。職業柄、という理由もありますが、つい4~5年前まで無理なダイエットを繰り返して、10kg以上の増減を繰り返していた過去があるから。そう、体重だけは軽い「隠れお腹ぽっこりさん」そのものだったんです!
だからこそ、人よりも内臓脂肪がつきやすく、太りやすい体質だと自覚して、自分の体と上手く付き合っていくために、いいと思った方法はどんどん取り入れることにしています。
この本には、食事や運動、生活習慣といった「スリムで健康な体と心」を手に入れるための方法が満載。あれはダメ、これはダメ、という杓子定規な考え方ではなく、明るく楽しくダイエットに取り組めるような、工夫された書き方になっています。
明るい自虐ネタにクスッと笑えて共感、からの説得力!
内臓脂肪を落とすノウハウだけでなく、先生の自伝的な要素も含まれています。結婚式前にフランスパン1本と水だけの無謀な10kgダイエットを決行(女子っぽくて共感!)。激しいリバウンドによって、30代で立派なメタボ体型になり、一念発起して糖質制限ダイエット。今度は痩せすぎて老けてしまい、おじいちゃんのような自分のTシャツ姿に大ショック。食事を見直し筋トレを加えて、現在ついに体脂肪10%と、ネタに事欠きません。
明るく自虐的ネタにして語られることで「お医者さんも、私たちと同じようにダイエットに苦労しているんだなぁ~」と親近感が湧きます。
本に載っている料理は、自分で作って食べているものばかり。診療に追われる多忙な医師だからこそ、限られた時間で糖質の控えたランチを揃える大変さも、無性に襲ってくる甘さ欲求も、断れない飲み会のお誘いにも理解を示してくれます。
提案されているダイエットメニューも「蒸し豆」「サバ缶」「トマト缶」などなど、コンビニで売っているおなじみの食材を使って、手間暇かけずに作れるアイデアがいっぱい! 私もさっそく試したくらいです。
「されど外見」「洋服選びが楽しく」……女子に響く言葉たち
お医者様の書いている本ですから、最終的に「健康長寿を目指しましょう!」という結論に落ち着きそうなものです。しかし、池谷先生のモチベーションはあくまで「外見」。Tシャツと白パンを爽やかに履きこなしている先生は、痩せてから洋服選びがガラッと変わったのだそう。
美容とは結びつきづらい循環器系の専門医で、50歳を超えた先生の実体験は「いくつになっても、外見にこだわっていいんだ」「若々しくいたいと思っていいんだ」と勇気を与えてくれるような気がします。
ダイエットが上手くいかず、ふっと弱気になりそうなとき、優しく背中を押してくれる。そんな私の参考書です。
DATA
東洋経済新報社 | 50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える 内臓脂肪を落とす最強メソッド
著者:池谷 敏郎
単行本ページ数:232ページ
発売日:2019年4月12日