映画

人生リセット! 映画で描かれる女性の西海岸超絶トレイル

ブラジル・アメリカガイドの東リカさんが人生をリセットするために過酷な旅に出た女性の映画を紹介してくれました。東さんが在住しているポートランド周辺の名所も映画に登場しますので、ポートランドへの旅行前に鑑賞するのもイチオシです。

東 リカ

執筆者:東 リカ

ブラジル・アメリカ・ポルトガルガイド

 
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リース・ウィザースプーン主演の『わたしに会うまでの1600キロ』は、カリフォルニアとオレゴンを縦断するロングトレイルをたった1人で踏破した女性が、その過酷な行程で自分と向き合い、自分を取り戻すストーリー。

「人生に行き詰まった」「女性としてどうすべきか迷っている」「勇気が欲しい」という人はもちろん、舞台にポートランド周辺のクレーター・レイク、フッド山、「神々の橋」などが登場するので、ポートランド観光前の人にもイチオシです!
 

すべてをリセットするため、1人、大自然のなかへ

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映画に登場するフッド山のトレイル
 

リース・ウィザースプーンが演じるこの映画の主人公・シェリルは、いつも自分を愛し、信じてくれた母の早すぎる死を受け入れられず、薬におぼれ、夫を裏切って大勢と関係を持った挙げ句に離婚するなど、すっかり自暴自棄になっていました。

そんな彼女が、写真に惹かれたロングトレイルのガイドブックを手に、母が信じてくれた自分を取り戻すため、グチャグチャになってしまった日常から離れて大自然のなかを1人きりで歩く決意をします。

ハイキングの経験すらない彼女が挑む過酷なロングトレイルには、不慣れなための失敗や生死にかかわる根源的な恐怖、また無条件に親切な他人との出会いや同じトレイルを進む仲間との交流など、さまざまな出来事が待ち受けています。

「いつ止めてもいい」と呟きながらも、ただひたすら歩き続けるシェリル。時間をかけてふとした瞬間に思い出す過去を消化しながら、いくつもの新たな経験を経て、94日目、ついにゴールにたどり着く彼女。その姿はすがすがしく、今回この記事執筆するために改めて見直しましたが、「やっぱりいい映画だなあ」と思いました。

 

舞台はパシフィック・クレスト・トレイル

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フッド山のパシフィック・クレスト・トレイル
 

主人公が歩いたロングトレイルは、メキシコ国境からカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州を経てカナダ国境までアメリカ西海岸を縦断する「パシフィック・クレスト・トレイル(Pacific Crest Trail, 通称PCT)」の一区間。その総延長距離は、日本縦断の約1.5倍に相当する4265㎞で、全行程を歩ききるには4~6カ月間を要とすると言われています。
 
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ワシントン州とオレゴン州をつなぐ「神の橋」
 

舞台になっているのは、カリフォルニア南部のモハーベ砂漠から、カリフォルニア州とオレゴン州をひたすら北上する1600km。ワシントン州との州境・コロンビア川にかかる「神々の橋(The Bridge of the Gods)」がゴールです。道中は、炎天下の砂漠、雪が積もる山々、シトシトと雨が降り続ける森など、変化に富んでいました。

 

ポートランド観光時に訪れたい映画の舞台

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エンジェルズレストから見下ろすコロンビア渓谷
 

シェリルが歩いたトレイルはとても遠いところのような印象を受けますが、実はポートランドから映画の舞台を訪れることはそれほど難しくありません。

たとえば、島の周りを澄んだ青い水が囲む「クレーター・レイク(Crater Lake)」は、ポートランドから高速道路で約4時間南下すると到着します。この美しいカルデラ湖は、オレゴン州で最も人気のある観光地のひとつで、「オレゴンの七不思議」にも選ばれています。

このクレーター・レイクからシェリルがオレゴン入りして最初に訪ねる街、「アッシュランド(Ashland)」までは、車で1時間半ほどです。
 
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フッド山とスキーリフト
 

また、シェリルが雨のなか歩いたフッド山(Mt. Hood)もポートランドから車で2時間ほどで到着します。フッド山は、冬場はスキー場として、夏場はアウトドアを楽しむ観光客で賑わうスポットです。PCTの入り口へとつながる「ティンバーライン・ロッジ・トレイルヘッズ(Timberline Lodge Trail Heads)」は、アメリカの重要歴史建造物にも指定されている美しい「ティンバーライン・ロッジ」の裏手にあります。
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車内から見る「神々の橋」
 

そしてゴールとなる「神々の橋」は、ポートランドから車で1時間弱で到着します。この橋のあるコロンビア川渓谷(Columbia River Gorge)は、「オレゴンの七不思議」にも選ばれる雄大な国定景勝地です。橋の麓のカスケードロックス(Cascade Locks)からは川を下る遊覧船も出ています。船に乗ればこの橋を下からながめることもできますよ。

映画を見てからこれらの地を訪れると、それぞれの場面でのシェリルを思い出すかもしれません。PCTにトライするのは難しくても、少しでも日常から離れて大自然のなかに身を置くと、新たな気持ちになれるはず。

ちょっと行き詰まっていると感じたときには、ぜひ『わたしに会うまでの1600キロ』を見て、旅に出ることを検討してみてくださいね!

詳しくはこちら

DATA
わたしに会うまでの1600キロ
公開年:2015年
時間:1時間55分
監督:ジャン=マルク・ヴァレ 
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