耳・鼻・喉の病気

副鼻腔炎はうつる? 症状緩和法・病院での治療法

【耳鼻科医が解説】副鼻腔炎そのものが人から人へ感染することはありません。急性副鼻腔炎なら1~2週間、慢性副鼻腔炎でも2~3か月ほどで治りますので、清潔を保つことやこまめに鼻をかむとこ、加湿などを心がけましょう。自分でできる症状緩和法と早く治したいときの病院での治療法について解説します。

坂田 英明

執筆者:坂田 英明

耳鼻科医 / 耳・鼻・喉の病気ガイド

副鼻腔炎は人にうつらないが、清潔にすることは大切

鼻炎

風邪などの感染症は人にうつりますが、副鼻腔炎自体が感染することはありません


副鼻腔炎はインフルエンザのようなウイルス感染症とは違い、空気感染で人から人へうつることはありません。とはいえ、清潔を保つことは大切です。特に子どもの場合、鼻や鼻水を触った状態でしっかり手洗いをしなければ、副鼻腔炎の原因となったウイルスや菌が物を介して他の人に感染することはありえますし、結果的にその人も副鼻腔炎になる可能性はあります。
 

副鼻腔炎は完治するまでの平均期間

急性副鼻腔炎は1週間から2週間程度で完治します。慢性副鼻腔炎の場合でも、個人差はありますが2~3か月くらいで良くなります。副鼻腔炎は再発しやすいという特徴もありますが、早期治療を行えば早期に良くなります。
 

自分でできる副鼻腔炎を緩和する方法・治療法

副鼻腔炎の症状改善のために自分でできることは、こまめに鼻をかむなど鼻の通りを良くし、加湿をすることです。副鼻腔炎治療のための市販薬もありますが、これらはごく軽度の初期のみ有効と考えた方がよいでしょう。一般的に「鼻うがい」とも呼ばれる鼻洗浄は効果がありますが、やりすぎは良くありませんので、1日1~2回程度を2週間くらいにとどめましょう。

副鼻腔炎の症状があるときは、手が汚い状態で触ると感染が広がるので「鼻をあまりいじらない」、耳と鼻をつなぐ耳管に影響し悪化することを防ぐため「強く鼻をかまない」「鼻をすすらない」ことを気を付けましょう。
 

病院での副鼻腔炎の治療法……効果の高い処方薬・手術

副鼻腔炎治療には、原因菌がインフルエンザ菌、肺炎球菌、カタル球菌のため、感受性が高く抗菌効果の強いなどのペニシリン系、セフエム系の抗菌剤を主に処方しています。慢性副鼻腔炎の場合は線毛運動を強め除菌するマクロイド系になります。頭痛などが続き、CT検査で副鼻腔に全く空気がなく陰影が著明な場合は手術を考慮します。手術では鼻内から内視鏡で病変を切除します。
 

副鼻腔炎が治らず困っている方へのアドバイス

慢性的な鼻水や、度々ぶり返す鼻水の症状にお悩みの場合、一度副鼻腔のレントゲン撮影か、できればCT検査で状態を確認することをお勧めします。もし副鼻腔炎であることが明らかになった場合は、医療機関で適切な治療を受ければ、早く改善します。
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