副鼻腔炎とは……ウイルスや細菌が原因で起こる副鼻腔内の炎症
顔の骨内に広がる副鼻腔に炎症が起こると、黄色い鼻水を始めとする様々な症状が現れます
黄色いドロッとした鼻水という症状で、耳鼻科を受診される患者さんは多いです。これらの多くは一時的な鼻炎ですが、長引いた場合副鼻腔炎が疑われます。副鼻腔炎は主にウイルスや細菌などが原因で起こります。花粉症などのアレルギー性鼻炎との合併も考えられます。
「副鼻腔」は、鼻腔に隣接した骨内に作られた空洞のことです。空洞と一言で言っても、「前頭洞(ぜんとうどう)」「篩骨洞(しこつどう)」「上顎洞(じょうがどう)」「蝶形骨洞(ちょうけいこつどう)の4つに分かれていて、皆さんのイメージよりもかなり広い空間が広がっています。なぜ人間の顔の中に、このように複雑で大きな空洞があるかと言うと、頭蓋骨と脳髄(脳みそ)の重さを受け止め、軽減する役割を果たしているからです。
この空洞内に炎症が起こり膿が溜まってしまうのが「副鼻腔炎」です。膿が溜まることから、そのまま「蓄膿症」と呼ばれることもありますが、副鼻腔炎と蓄膿症は同じものです。
年齢や性別などによる著しい差はありませんが、高齢者は鼻の内部が乾燥しやすく、子どもは免疫力が弱いため副鼻腔炎になる可能性が高くなります。また、子どもと言っても5歳までは副鼻腔が未発達のため副鼻腔炎は起こらず、ただの鼻炎に留まります。副鼻腔にある線毛という毛の運動が低下すると異物を排除できず、副鼻腔炎になりやすくなります。
副鼻腔炎の主な症状・急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎の違い
副鼻腔炎の主な症状は、- 黄色いドロドロした鼻水
- ニオイがある鼻水
- 頬の痛み
「急性副鼻腔炎」は急に鼻から膿が出始めますが、症状は長くは続きません。一方で「慢性副鼻腔炎」は1か月以上鼻から膿が出続けていて症状が治まらないのが特徴です。