生命保険を解約したい! 夫をどう説得すればいい?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は年の差婚の55歳夫との間に2カ月のお子さんがいる32歳の専業主婦。契約者貸付で借金をしている夫の生命保険の解約を考えるも、説得できずにいるといいます。そんな、ちいママさんのお悩みにファイナンシャル・プランナーの藤川太さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料です)

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貯金がゼロで今後どうやってお金を貯める?

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■相談者
ちいママさん(仮名)
女性/専業主婦/32歳
持ち家(一戸建て)
 
■家族構成
夫(会社員)55歳、子ども(0歳)
 
■相談内容
主人は生命保険に入っているのですが保険を担保に借り入れをしているので、合算して解約しようと思っています。しかし、主人はあと5年掛ければ満期だから入っていたいと言います。保険料と借金の返済金を合わせて月3万6000円を払わなくてはいけないため、いまの家計では無理だと伝えていますが、部分解約をしてでも入っていたいと言います。あと5年掛ければいいことを考えると魅力的ですが、私は家計を考えると安い掛け捨ての医療保険と終身保険に入った方がいいと思います。いままで長年払ってきたのに、これから掛け捨ての保険を払っていくことに抵抗があるみたいでうまく主人を説得できません。どうすればいいですか?
 
 
■家計収支データ
相談者「ちいママ」さんの家計収支データ

相談者「ちいママ」さんの家計収支データ



 
■家計データ補足
(1)住宅について
築50年ぐらいで固定資産税は年1万3000円程度のため、余裕があるときに支払っている。水回りのリフォームをしたいが、いまのところ予定はない。
 
(2)加入している保険について
●夫/生命保険(60歳まで死亡保障2000万 60歳以降死亡保障200万 医療保障70歳まで。60歳まで支払)=毎月の保険料2万2000円
●妻/生命保険(死亡保障250万 医療保障 終身 60歳まで支払)=毎月の保険料5000円
●生命保険の契約者貸付の返済金/1万4000円
 
(3)車両費の内訳
ガソリン代3万円、自動車保険料7000円。片道約2時間かけて通勤しているためガソリン代が割高。ガソリン代にはメンテナンス費用やタイヤ代も含む。
 
(4)子どもの進路について
3歳から保育料が無料になるので、保育園に預けようと思っている。小中高校は公立、大学はできれば国公立が希望だが、難しい場合は私立の文系を想定。将来、子どもが大学に行きたいと言ったときのために児童手当は全額貯蓄する予定。低所得の家庭は2020年度から返済不要の給付型奨学金が出るようなので、これで何とかなるのではないかと思っている。
 
(5)夫の定年後の働き方について
60歳まで正社員、その後はパートとしてならば元気なうちは働ける。退職金はなし。ただ、本人は通勤に時間がかかるので60歳以降は正社員として働けないなら近くでパート勤務をしたいと言っている。パートで働く場合は年金の繰上受給を考えている。年金の加入履歴は30年、受取年金額は月12万円くらいとのこと。
 
(6)ちいママさんの今後について
精神疾患があるためフルタイムは難しく、働けて4時間ぐらいの勤務しかできない。子どもが1歳になったら保育園に預けて働きに出ようかと思ったが、パート代が保育料でなくなるため止めた。3歳くらいから働こうと思っているが、長続きするかはわからない。
 
(7)相続について
義父はすでに他界、義母は高齢でいずれ土地建物を相続する予定。しかし、自宅と同じぐらい古いため住む予定はない。
 
■ファイナンシャル・プランナー藤川太の3つのアドバイス
アドバイス1 保険は解約し、割安な収入保障保険に加入し直す
アドバイス2 夫婦ともに健康に留意して少しでも多く、長く働き続ける
アドバイス3 教育費は行政の支援が拡大しているので上手に利用を
 

アドバイス1  保険は解約し、割安な収入保障保険に加入し直す

ちいママさんが考えていらっしゃる通り、現在の保険は解約した方がいいでしょう。保険会社によっては払い済み保険にする(保険料の払い込みがなくなり、保険期間はそのままに解約返戻金額に見合った保障額に変更される)という方法もありますが、現在の状況では難しそうです。では、その理由を説明していきます。
 
まず、契約者貸付で借り入れをしているとのこと。この保険はずいぶん以前に加入した、いわゆる「お宝保険」かもしれませんが、だとすると借り入れの金利も相当高いはずです。というのは、保険の契約者貸付は契約したときの金利をもとに適用利率が決まるため、予定利率が高い保険からお金を借りると貸付金利も高くなります。また、今月は保険料が未払いのようですが、これは今月に限ったことでしょうか? 

契約者貸付制度は利子計算が複利のケースが多いので、借りたお金を返済しないと借入額がどんどん増え、解約返戻金を超えてしまうと保険契約が失効、または解除されてしまう可能性があります。そこまでいかなくても、万が一のことがあって保険金を受け取る事由が発生した場合、返済すべき金額が保険金から差し引かれますから期待通りの保険金を受け取ることはできません。念のため、解約するときは払い済み保険にできるかどうかを確認してください。
 
もうひとつ、現在の保険は2000万円の死亡保障があるのは60歳まで、ということはあと5年です。お子さんの年齢を考えたら70歳、できれば75歳までご主人にまとまった額の死亡保障を確保しておきたいもの。心配すべきは、お葬式代ではなくちいママさんとお子さんの生活ですから、この保険では保障が足りません。
 
そこで選択肢となるのは、効率的に保障を確保できる収入保障保険です。終身保険を検討されているようですが、高額な保険金額の終身保険は保険料も高くなり家計を圧迫します。必要な保障を少しでも安い保険料で確保するために掛け捨てになりますが収入保障保険を検討しましょう。
55歳男性の場合、75歳満了で基本月額15万円、年金受取総額3600万円だと保険料の月額は約1万4000円です。保障を小さくすれば保険料は安くなりますし、健康状態によっては保険料を割引してくれる保険会社もあります。たとえば上記と同じ条件で健康体なら約1万3000円、健康体でさらに非喫煙者ならば約1万円と割引幅が大きくなります。健康体の基準は保険会社によって異なるので、調べてみるといいでしょう。
 

アドバイス2 夫婦ともに健康に留意して少しでも多く、長く働き続ける

60歳以降のご主人の働き方については、手取り収入が大きく変わらなければ正社員でもパートでも構わないと思います。とにかく長く働き続けることが重要です。お子さんが小さいのですから、体が動く限り働くくらいの覚悟を持って健康管理に努めてほしいと思います。

パートの場合は年金の繰上受給を考えているとのことですが、これはできればやめてください。65歳以降の収入は年金が頼りになると思いますが、繰上受給をすると1カ月あたり0.5%、1年あたり6%減額されますから、60歳まで5年繰り下げると減額率は30%です。年金の総受給額を65歳から受給した場合と比較すると76歳の時点で下回り、その後は長生きするほど不利になります。人間の寿命は誰にもわかりませんが、厚生労働省の平成29年簡易生命表によると75歳まで生存する男性の割合は約75%。4人に3人は生きているのが現実です。
 
ちいママさんは精神疾患があるためフルタイムの勤務は難しいとのこと。もちろん健康は大切ですから過度の無理は禁物ですが、歳の差婚のご夫婦の場合、家計にとっては奥様がどれだけ働けるかがカギになってきます。子育て、家事との両立はたいへんでしょうが、少しでも多く働けるよう工夫してください。
 
共働きを続けていくためには、住環境も重要です。ご自宅は築年数が古いようですしいずれご実家を相続するのであれば、自宅を売却しお子さんが小さい間だけでも利便性の高い賃貸住宅へ引っ越すという選択肢はないでしょうか。毎月の家計だけでなく、もう少し長い目でお金の使い方を考えた方がいいかもしれません。
 

アドバイス3 教育費は行政の支援が拡大しているので上手に利用を

ちいママさんも調べていらっしゃるようですが。政府がいろいろな子育て対策を打ち出しています。まず、2019年10月からは幼児教育・保育の無償化が始まり認可保育所や幼稚園などに通う3~5歳児は全世帯で原則、無料。認可外保育施設を利用する場合は月3万7000円を上限に補助を受けられます。0~2歳児は住民税非課税世帯のみが無償化の対象です。さらに2020年4月からは、低所得世帯を対象に高等教育も無償化。授業料の減免と返済不要の給付型奨学金の2本柱で実施される見込みです。とはいえ学校納付金のすべてをまかなうことは難しいでしょうから、ちいママさんのコメントにある通り児童手当は全額教育費として貯めておくことは必要でしょう。
 
行政の支援は基本的に申請制度なので、自分で情報を調べる力が必要です。ちいママさんにはそのたくましさがありますから、きっと上手にいろいろな制度を活用していけるはずです。
 

相談者「ちいママ」さんから寄せられた感想

プロの方にアドバイスいただけてためになりました。契約者貸付は契約時の金利でいくことは全く知らなかったので、目からうろこでした。私のように年の差婚の場合どうしたらいいかあまり例が載っていなかったので、今回、アドバイスをいただけて良かったです。
 

教えてくれたのは……
藤川太さん 
 
 

 


All About「資産運用」ガイド。「家計の見直し相談センター」で10年以上にわたり1万5000世帯を超える家計の見直しを行ってきたFP。資産運用、家計管理、マイホーム購入、不動産投資などに詳しく「普通の人」でもお金を貯める・増やせるようになる方法をアドバイスしています。

取材・文/鈴木弥生




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