アドバイス1 生活改善による節約は無理なので収入を増やす
家計内容を拝見すると、かなりカツカツの状況で、現状からはここを切り詰めればいいというのが残念ながら見当たりません。食事は1日1食とのことですが、健康を害しかねないので、食費もこれ以上減らすのは危険です。減らせそうな費目は趣味娯楽費ですが、これを減らしてしまうと心のバランスが取れなくなってしまうかもしれないのでお勧めはしません。
現在月に4万円をカードローン返済に回しているとのことですが、家計の内容をよく見ると支出合計が15万3402円となっているので、実際に返済に回っている額は1万6000円程度の計算です。自分で思っているよりも借金の減りは少ないと認識したほうがいいでしょう。
家計の状況を見ると現状から生活を改善して支出を減らすことは非常に難しいでしょう。ですから今やるべきなのは、少しでもいいから収入を増やすことです。そのためには転職するか副業を考えたほうがいいでしょう。
アドバイス2 健康が心配なので早めに共済に加入
食費を抑えるためか1日1食で済ませているとのことですが、これを続けていくのは、健康面から考えると大いに不安です。今はまだ若いから大丈夫かもしれないですが、この先、年を重ねていったときに健康を害する可能性が高まります。しかも今の状態で病気で入院するなど何かあったら、生活もしていけなくなってしまうので、最低限でいいので医療保障を確保しておくことが急務です。医療共済への加入を検討するといいでしょう。月々2000円程度で加入できるので、その分の支出増は何とかやりくりして出しましょう。
アドバイス3 ボーナスはローン返済ではなく貯蓄に回す
今、貯金がゼロとのことなので、共済に加入すると同時に少しでも貯蓄を増やしておかないと何かあったときに大変です。少なくとも50万円は貯蓄を持っておくべきでしょう。ボーナスはローンの返済に回しているとのことですが、ある程度お金が貯まるまではローンの返済に回さず、貯蓄をしたほうがいいでしょう。今、年17万円もらっているボーナスを全額貯金に回せば、3年で約50万円の貯蓄ができます。何かあったときにまたローンを借りてしまわないためにも、貯蓄を持っておくことが大事です。
そしてこれ以上ローン残高を増やさないようにすることも重要です。実家に戻る選択肢はないということですが、実家に戻れば家賃や光熱費などの負担がなくなり、かなり家計は改善できるので、これ以上借金が増えてしまうとか体を壊しそうだとか厳しい状況になったら、最後の手段として実家に帰ることも考えておいてください。
相談者「さっちゃん」さんから寄せられた感想
FPの先生からのアドバイスを拝見しました。一刻も早く借金を返済することばかり考えており、貯金を優先すべきだとは思いつきませんでした。自分でも試算してみているのですが、やはりこれ以上の節約は難しいですよね。参考になりました、ありがとうございます。
教えてくれたのは……
深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など
取材・文/堀内玲子
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