アドバイス1 家計管理はきちんとできている。ただ、保険は見直しの余地あり
支出内容を見る限り、家計管理はしっかりできていると思います。そう判断できる理由のひとつは、毎月の貯蓄額と貯蓄性の保険料を合わせると、ゆぅさんの収入はほとんど貯められているからです。子どもが公立小学校へ通っているいまの間は、それほど頑張らなくても貯められる貯め時だからでもあります。公立でも中学生、高校生になると学校にかかる費用だけでなく塾費用なども増えていきます。貯蓄ペースは徐々に落ちていくはずです。ただ、ゆぅさんも気にしていらっしゃる通り夫の保険は見直しの必要があります。というのは、この保険は更新時に保険料が上がるタイプではないでしょうか。そうだとすると教育費がかかる時期に保険料が上がり、毎月の家計が苦しくなる可能性があります。なるべく早く見直しましょう。死亡保障は4000万円の収入保障保険、医療保険は日額5000円の終身医療保険であれば保険料は月1万円程度に収まるはずです。
アドバイス2 教育費の目途が立つまでは貯蓄を増やすことが最優先
子どもの進学先を親が選択することはできません。高校卒業後の進路には大学だけでなく専門学校などもあり費用は私立大学並みにかかりますから、準備しておこうと考えるのは賢明な判断です。お住まいの場所から考えると自宅から通学できない、通学定期代が高額になる、といったことも考えに入れておく必要があるかもしれません。となると学資保険に加入していらっしゃいますが、これでは足りません。「今後8年ほどは年間130万~160万ほどの貯蓄ができる予定です」とのことですから、油断しないでしっかり貯めてください。というのも、10年後くらいには教育費だけでなく車の買い替え、自宅の修繕といったまとまったお金が必要になるライフイベントが集中しています。ここが資金需要のヤマ場ですから、手元にお金を確保しておかなくてはいけません。教育費がいくらかかるのかがはっきりするまでは、ほかの支出は先延ばしにできればより安心です。支出する場合も貯金があるからと気が大きくなることなく、必要な範囲にとどめてください。
アドバイス3 老後資金は教育費が終わってからで間に合う
前項では厳しいアドバイスをしましたが、教育費の目途が立てばその後の家計は一気にラクになります。というのは若くして出産・住宅購入をしているので、下のお子さんが大学へ進学しても卒業時に夫は50歳、住宅ローンは繰上返済をしなくても63歳で完済です。ということは、老後資金は教育費が終わってから準備すればいいのです。これは、若いときに結婚した人の最大の強みです。所得が高くない時期に住宅ローンを返済しながら教育費を貯めるのはたいへんですが、教育費だけを意識していれば老後資金を貯める期間を残して教育費を終えることができます。教育費を貯められる家計管理能力があれば、老後資金も50歳からでしっかり準備できるはず。まずは、目の前の教育費に備えることを第一に考えてください。
相談者「ゆぅ」さんから寄せられた感想
私自身が不安に感じていた部分をきちんと分析してくださり、やはり、保険の見直しは必要だとのアドバイス、また、オススメの保険も紹介していただき、1つ悩みが消え、前に進めそうです!ありがとうございます!このまま気を引き締めて家計管理を継続していこうと思いました。ありがとうございました。
教えてくれたのは……
藤川太さん
All About「資産運用」ガイド。「家計の見直し相談センター」で10年以上にわたり1万5000世帯を超える家計の見直しを行ってきたFP。資産運用、家計管理、マイホーム購入、不動産投資などに詳しく「普通の人」でもお金を貯める・増やせるようになる方法をアドバイスしています。
取材・文/鈴木弥生
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