2019年度の初任給は大卒で平均21万2304円
2019年度新入社員の初任給調査が発表されました(一般財団法人労務行政研究所)。調査対象の企業(東証1部上場企業のうち241社)の35.7%が、初任給を全学歴で昨年度から引き上げたものの、57.3%の企業は前年度と同額に据え置きという結果に。大学卒 21万2304円(前年度21万825円)
大学院卒修士 22万9951円(前年度22万8403円)
短大卒 18万2184円(前年度18万771円)
高校卒 17万505円(前年度16万9010円)
最初の1カ月は、所定の就業日数を満たしておらず、就職時に把握していた初任給より少なくなることがほとんど。さらに、所得税や雇用保険が(翌月からは厚生年金と健康保険料も)引かれるため、思っていたより手にする給料が少なくなります。社会人1年目は、給料でやりくりするのは大変だ!と思うことでしょう。さらに、2年目には、住民税が引かれるため、1年目より、厳しいと感じるかもしれません。
でも、最初が肝心です。
初任給後の貯め方1:会社の資産形成制度に加入する
まず入社早々に、会社からさまざまな人事制度や福利厚生などの説明を受けたことでしょう。特に、社員の資産形成のための制度を導入している企業であれば、財形貯蓄制度や確定拠出年金制度の説明を受けているはずです。なんだか難しそう、と判断を先送りすることなく、間違いなく会社員にとって有利な制度ですから、しっかり中身を確認して、社会人1年目から利用すべきです。
こうした資産形成の制度がない企業であれば、自分で考える必要があります。給料から自動引き落としされる銀行の自動積立定期預金に申し込む、個人型確定拠出年金(iDeCo)への加入を検討する、といったことです。
仕事に慣れることが最優先ではありますが、あっという間に、半年、1年経ってしまいます。今すぐできなくても、この半年、1年以内には、必ず貯蓄行動を起こすと決めておくことは、大事です。
「会社や国の制度」で積み立てて、お金持ちになる
初任給後の貯め方2:6カ月で支出を把握し無理のない貯蓄額を知る
貯蓄をスタートさせるのも大事ですが、一方で、毎月の収支が赤字にならないように、支出を管理することも、社会人1年目で身に付けたい習慣です。総務省の『家計調査~家計収支編~』(2018年調査)から、34歳未満の単身者世帯(勤労者世帯)の1カ月の収支を見てみると、実収入の平均が33万867円、消費支出の平均は、17万8801円です。
税金や社会保険などの支出が6万2405円で、実収入から差し引いた可処分所得が26万8462円。可処分所得とは、事実上、手取り収入と考えればいいでしょう。ここから消費支出を差し引くと、8万9661円の黒字となります。
しかし、実態としては、黒字分をまるまる貯蓄できるわけではなく、あくまでも平均値での結果ですから、収支トントンという世帯も少なくないでしょう。
ただ、消費支出に関しては、それほど贅沢をしていない限り、最低限出ていく基本的な生活費を積み上げていけば、15万~16万円ぐらいにはなるのではないでしょうか。
社会人になれば学生時代とは違ったお金の使い方になります。仕事上の付き合いで外食が増えることもあるでしょう。衣服、理美容費も身だしなみを整えるために、必要になってきます。将来に向けて資格取得などの教養費も確保したいものです。そうした学生時代とは異なる支出にも、限られた給料から対応しないといけないわけです。
半年ぐらいで支出の中身や金額を把握し、毎月の給料でやりくりする習慣を身に付けましょう。その上で、無理、無駄なく、貯蓄に回せるお金はいくらなのかを、あらためて計画してみることをおすすめします。
貯蓄は最初が肝心、と前述しましたが、はじめから収入の1割、2割などと決めず、1万円からのスタートでもいいのです。本格稼働は、収支が把握できてからでも遅くはありません。
目標はまず貯蓄30万円。貯蓄100万円、1000万円の道が開ける
いきなり100万円、1000万円を貯蓄の目標にしても、すぐに達成できるわけではありません。まずは、1カ月分の給料相当を目標にしてもいいでしょう。毎月1万円なら2年かかる、そう思えば、もう少し積立額を増やして、1年で貯めよう。1年後には、100万円を目指そう。そんなふうに、貯蓄額を徐々に増やしていければベストです。その間に、支出の無駄も見えてきているはずです。
社会人であれば、会社での仕事の目標があります。ただただ目標達成を目指すのではなく、どうしたら達成できるのか、そのためには何をすべきか、と考える場面が多くなるでしょう。お金を貯めるのも同じです。お金を貯めることが目標ではなく、何のためにお金を貯める必要があるのか、その目的のためには、いくら貯める必要があるのかと考えることも大事です。
貯蓄30万円が達成できたら、次は100万円、そして1000万円。必ず道は開けます。
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