31歳からの恋愛相談室:今回の回答者は瀧波ユカリさん
「31歳からの恋愛相談室」今回の回答者は、瀧波ユカリさんです
■瀧波ユカリさんプロフィール
今回の回答者:瀧波ユカリさん
漫画家。フリーター独身女性の赤裸々な日常をコミカルに描いた4コマ『臨死!!江古田ちゃん』や、元彼に未練タラタラな女性が元彼と再会、七転八倒するラブコメ『モトカレマニア』など、女性読者の心を揺さぶり、共感を呼ぶ作品を次々に発表。漫画『あさはかな夢みし』、エッセイ『女もたけなわ』『30と40のあいだ』『ありがとうって言えたなら』他著書多数。
HP:https://takinamiyukari.com/
twitter:@takinamiyukari
note:https://note.mu/takinamiyukari
お悩み:母親からの「結婚してほしい」コールに、どう返していいかわかりません
お悩み:母親からの「結婚してほしい」コールに、どう返していいかわかりません
実家の母から、定期的に、結婚を急かすようなメールや電話が来ます。「誰でもいいから結婚しろとは言わないけれど……」と前置きしつつも、「このままあなたが独身だったら心配で、死んでも死にきれない」とか、「孫の顔が見てみたかった」とか、ちくちく心に刺さることを言ってくるのです。そのたびに、なんて返していいかわからず、つらいです。
私は、「結婚したい」とか「子供がほしい」とか、そう思わないわけではないのですが、今すぐどうしても!というほどではありません。彼氏も3年ほどいません。でも、正直な思いを伝えたところで、母は納得してくれず、空気が悪くなります。
私はなんだかんだ、今の生活を気に入っているんだと思います。仕事は忙しいけれど、やりがいがあるし、周りは独身女性だらけで、さみしくもないし、今の生活がずっと続いたらいいのに……というのが本音です。
ただ、そうもいかないことはわかっています。今は両親も健在ですが、自分より先に亡くなる可能性のほうが高いし、仲の良い友人だって、いつ結婚や出産をして、自由に会えなくなるかわかりません。母が死んだら、心配をかけたことや、孫の顔を見せられなかったことを後悔するかも、とも思います。
別に「絶対に結婚したくない!」という訳ではないので、婚活を頑張ろうかなと思うこともあるのですが、その気持ちは長続きしません。
母から連絡があったとき、私はどうしたらいいのでしょうか。アドバイスをいただけたら幸いです。
アドバイス1:「お年寄りぶりっこ」な脅しは、真面目に受け止める必要なし
アドバイス1:「お年寄りぶりっこ」な脅しは、真面目に受け止める必要なし
みほさんが33歳だから、お母さんはおそらく60歳前後ですよね。現代日本の平均寿命を考えると、まだ余裕はあるはず。なのに「死んでも死にきれない」なんて言い方、そうとう年寄りぶってる~。
仮に先が短いとしても「私は年寄りで弱者でもうすぐ死ぬから望みを叶えてくれよ~」って姿勢はほとんど脅迫ですよね。
「死ぬ死ぬ詐欺みたいなのやめてくんない?」って一蹴しちゃっても全然いいと思うんですけど、そうしたら多分「そんな言い方ひどい!どうして年寄りをいじめるの!」って返ってきますね。熟練の涙声で。お年寄りぶりっこ、最強。私も老後にぜひ使ってみたい。
まあとにかく、このお母さんはズルいんですよ。娘の感情を揺さぶるようなやり方をあえて選んで、無理難題をふっかけてくる。そう、その気がない人に結婚を急かすって単純に「無理難題」ですよ。
あとね、そんなに心配なら、言ってるだけじゃなくて何かしてくれればいいのにって思いますね。具体的には、金ですね。お金があったら人はだいたい生きていけますから。心配するなら金をくれ! もしくは王族との見合いでもセッティングしてくれ!
というわけで、このお母さんは「お年寄りぶって」「無理難題をふっかけ」「言うだけで何もしない」、そういう人なんですよね。ボロクソ言ってごめんなさい。
もちろんそれだけじゃなくて、素敵なところもいろいろあるんだとは思います。でも基本的に面倒なタイプだってことは、相談内容を見たらよくわかる! みほさんはこのお母さんと33年間付き合ってきて、ほんとにえらい!
アドバイス2:親に対しては「生きてるだけでありがたく思え」くらいのマインドでいい
……でも一方で、私から見たらみほさんはちょっといい子でいすぎると思う。私たちは親のために生きてるんじゃないんです。親が喜ぶように何かしてあげるのは素敵なことだけど、そういうのは母の日に花を贈るくらいで十分。結婚とか子供(孫)とかは完全にオプションですよ。それを与えなければ、母が死んだときに自分が後悔するかも……って考えるのは、いきすぎです。気持ちはすごくわかるけれども。
親に対しては、「生きてるだけでありがたく思え」くらいのマインドでいいんですよ。ちょっとこれ、口に出して10回言ってみてください、「生きてるだけでありがたく思え」。まずはこれくらいの不遜さを持ってほしい!
アドバイス3:自分の生き方を決められるのは自分だけ!
アドバイス3:自分の生き方を決められるのは自分だけ!
どう生きるかっていうのはその人にしか決められないことです。いくら親だろうと、口出しするようなことじゃない。今手にしている自由と充実感は、あなたが自力で手に入れた立派な財産です。
でもそれをお母さんにわからせる必要はないと思います。だって多分、わかりたいと思っていないだろうから。お母さんはあなたを理解したいんじゃなくて、自分が理解できる形の生き方をしてほしいだけだろうから。
アドバイス4:「お年寄りぶりっこ攻撃」は「テキトー返し」でかわす
だから、ここはひとついい子をやめて、ちょっぴりワルになりませんか?「お年寄りぶりっこ攻撃」を真面目に受け止めるのではなく、思いっきりかわすのです。私がおすすめする方法は「テキトー返し」。テキトーについては、高田純次さんのテキトーをイメージしてもらえたらと思います。以下、返答例をあげてみますね。
母「このままあなたが独身だったら心配。死んでも死にきれない」
あなた「わかる~。私も死にきれない~!」
母「孫の顔が見てみたかった」
あなた「まあ多分私とだいたい同じ顔だよね~」
母「婚活とかちゃんとしてるの?」
あなた「本気出す気はある!再来年から」
母「誰かいい人いないの?」
あなた「お母さんだれか紹介して~年収1億円のイケメン」
母「好きな人の1人もいないなんて……」
あなた「みほはね、お父さんとお母さんが大好きです☆」
こんな感じで、テキトーかつちょっとユーモアを意識した返しをしてみましょう。できれば話すときのスタイルも、テレビを見ながらハンズフリー通話にするなどしてテキトーにしてください。肩の力を抜くことで、よりいい感じのテキトー台詞が湧き出てくることでしょう。
このテキトー返しの狙いは、お母さんの攻撃欲求を完全に削ぐことです。お母さんは「お年寄り」というキャラを使った攻撃が最も効果的であることを知っているし、あなたのリアクションもよく見ています。つまり、素の自分で対応するとお母さんの思うつぼ。
そこで「テキトー」というキャラを全面に出し想定外のリアクションをすることで、お母さんに肩透かしを食らわせ、攻撃する気を減退させるのです。
アドバイス5:家族とうまくやる秘訣は、無理にわかりあおうとしないこと
テキトー返しは、最初こそ「真面目に話してるのに!」と相手を怒らせることはあるかもしれません。しかし継続して使うことにより「これ以上話しても無駄」という脱力感を感じさせることができます。真正面からぶつかって傷つけ合ったり、消耗し合うよりはずっと穏便です。わかりあえない相手と無理にわかりあおうとせず、だましだましでも笑顔と愛のある関係を続けていく。これが家族とうまくやっていく秘訣だと私は思っています。
ちょっぴりワルいテキトー返し、最初はちょっと難しいかもしれませんが、ぜひやってみてください。そうして、どうかあなた自身が選んだ生き方に自信を持って、いっそう楽しく生きてくださいね! 応援しています。
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Q.「なんで結婚しないの?」に答え続けるのにもう疲れました
Q.男性は浮気する生き物だと、諦めるしかないのでしょうか?
Q.まともな趣味がありません。婚活中、自己紹介で困っています