<目次>
40代・二人以上世帯の貯金の平均額は?
金融広報中央委員会が調査・発表している「家計の金融行動に関する世論調査」(2022年)によると、40代(二人以上世帯)の金融資産の額は平均で825万円、中央値でも250万円という数字になりました(金融資産を保有していない世帯を含む)。この結果を聞いて「よその家庭は貯金できているんだな……」と不安になった人もいるかもしれません。
「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](2022年)」より
40代貯金ゼロの人がお金を貯めるのは時間との戦い
ところがその一方で、40代で貯蓄がない世帯※の割合は26.1%となっています。30代で貯蓄ゼロの世帯割合は23.9%なので、40代では貯蓄ゼロの世帯割合が約2%増えていることになります。
40代といえば、30代より収入は増えても、子どもの教育資金や住宅購入など何かと支出が重なる時期。そのため貯蓄が難しい状況に陥りがちなのです。
ただし、約4人に1人が貯蓄できていないことを知って「同じ仲間がいてよかった!」と油断するのは禁物です。40代にもなれば、いよいよ将来の老後資金や親の介護費用などの準備も始める必要があるからです。
※預貯金の合計残高のうち運用または将来の備えがゼロないし無回答の世帯の割合
40代からお金を貯めるには時間との戦い
「老後資金の心配をするのはまだ早いのでは?」と思う人もいるかもしれませんね。もし30代ならば、今すぐ貯蓄を始める必要はないかもしれません。でも40代なら「与えられた時間は長くない」と自覚すべき。なぜなら、大きなお金を貯めるためには「時間を味方につけること」が大切だからです。
たとえば60歳までに1000万円を貯めると仮定してみましょう。30歳なら月に約2万8000円貯めれば達成することができますが、40歳では月に約4万2000円貯める必要があります。貯める期間が10年短くなることで、月々の貯蓄額にこれだけ差が出てくるのです。
40代で貯蓄がない人は、一刻も早い意識改革が必要です。タイムリミットが近いことを自覚して、一日も早く、そして1000円でも多く貯めることを意識しましょう。
使うお金に優先順位をつける
貯蓄ができない人の共通点は、収入があった分を何気なく使ってしまい、「何にどれだけお金を使っているか」が把握できていないということ。貯められる体質になるには、いわゆる「どんぶり勘定」をやめることが先決です。そのために日々の支出を振り返り、家計の洗い出しを行いましょう。
まずは1カ月分のレシートやクレジットカードの明細、電子マネーの利用履歴、銀行口座の通帳を見ながら、何にいくら使ったかをチェックします。そして、自分のお金の使い方のクセを把握しましょう。
特に必要でないものを衝動買いすることが多い場合は、その場で買わずに購入代金を貯めてから買うようにしましょう。即決せずに検討する時間を設けることで、衝動買いを減らすのに効果的です。
また、コンビニやスーパーでのついで買いや、都市銀行のカードでコンビニATMで現金を引き出す機会が多く、無駄な手数料がかかっているならば、まずは回数を減らすことを意識してみましょう。
ただやみくもに節約をするのでは、長続きはしないもの。本当に好きなもの・必要なものに使うようにお金に優先順位をつけることが大切です。
まずは手取り月収の2カ月分を貯める
なんとなく貯めようと考えると、つい自分に甘くなってしまいがちです。貯蓄するときには目的を決めて、モチベーションアップすることが近道になります。まずは、最初の目標を「手取り月収の2カ月分貯める」ことに定めましょう。
たとえば会社員が自己都合で退職した場合、失業等給付の給付制限期間は2カ月なので、実際に失業給付金がもらえるのは、離職票を提出してから7日間の待機期間を経た2カ月後となります(※法改正により、正当な理由がない自己都合により退職した場合でも、5年間のうち2回までは給付制限期間が3カ月から2カ月に短縮されました)。
その間無収入で生活していくためには、手取り月収2カ月分の貯蓄があればひとまず安心です。
手取り収入の10%を貯蓄に回せば、10カ月で月収分が貯まり、1年8カ月で手取り月収2カ月分の目標を達成することができます。
これは「もしものときの生活費」を貯めると仮定した場合ですが、「住宅購入の頭金」「老後に不足する生活費」など、自分に適した貯める目標をはっきりと定めれば、さらにモチベーションを高めることができます。
手取り収入のうちの貯蓄割合を決める
すぐに貯める目標が思いつかない場合は、手取り収入のうち貯蓄に回す割合を決めてしまうといいでしょう。お金がなかなか貯まらない人は、衝動的にお金を使ってしまいがちです。貯蓄に回すお金を使い切ってしまわないように、給与が入ったら強制的に先取り貯蓄をすると効果的です。
先ほどの「家計の金融行動に関する世論調査」によると、40代の貯蓄割合の平均は12%(臨時収入を含む年間手取り収入からの貯蓄割合)なので、わかりやすく最低10%は貯蓄に回すことを目標にしましょう。
実家暮らしで家賃がかからない人は、貯蓄割合を倍の20%に設定すれば、2倍のスピードで貯まっていきます。そして支出が抑えられるようになり、貯蓄に慣れてきたら、徐々に割合を増やしていくようにしましょう。
意識改革で貯められる自分になる!
お金が貯められない人は、お金を計画的に使うことが苦手な傾向にあります。何にお金を使っているかを意識して、貯める目標を定めることで、お金が貯まりやすい体質に改善することができます。お金は人生のすべてではありませんが、お金が多くの不安を解消することができるのも事実です。意識改革をして、貯められる体質づくりを目指しましょう。
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