高価なスーツや靴、腕時計を身にまとっているのは、いつの時代も「お金をたくさん使うけど、手元にはお金が残らない人」です。
お金持ちはお金を「持っている」から億万長者なのであって、「使っている」からお金持ちな訳ではありません。「金は天下の回りもの」という言葉もありますが、科学的に見ればこの言葉は嘘八百と言ってよいでしょう。
何を言いたいのかというと、「いつの時代もお金持ちになれない人の方が、お金持ちよりも金遣いが荒い」ということです。浪費癖があっては、お金持ちにはなれません。そこで今回は、あなたの浪費癖をチェックするために、手軽に使える診断テストを用意しました。ぜひ、トライしてみてください。
【浪費癖診断テスト】あなたは億万長者になれる?
さっそく、浪費癖をチェックしてみましょう。質問は3つです。「はい」か「いいえ」かの2択で回答してみましょう。- 質問1:4万円以上するスーツを買ったことがありますか?
- 質問2:1万5000円以上する靴を買ったことがありますか?
- 質問3:2万5000円以上する腕時計を買ったことがありますか?
億万長者ほどお金を使わない
億万長者の多くが、このテストに「いいえ」と回答しています。億万長者研究の第一人者であるトマス・J・スタンリーの著書(1)によると、調査対象の億万長者のうち、半数が4万円以上のスーツを買ったことが「ない」
半数が1万5000円以上以上の靴を買ったことが「ない」
半数が2万5000円以上以上の腕時計を買ったことが「ない」
と回答したのだとか。
ちなみに、筆者の答えは「全てイエス」でした。なるほど、僕が億万長者になれないのは、金遣いが荒いからだったんですね(涙)。この事実を知った瞬間から、「無駄遣いを減らさなきゃ……」と反省しております。
億万長者を目指す方へ
この調査を行ったトマス・J・スタンリーによると、「よい暮らしをするためにお金が欲しい」と考える人ほど、億万長者にはなれないのだとか。その代わりに、「質素倹約を続けることで、財政基盤を確立したい」と考える人ほど、億万長者になりやすいと述べています。「お金を使いたい!(だからお金が欲しい!)」と考えていると、どれだけお金を稼いでも使ってしまい、手元にお金が残りません。だから、「使うために稼ぐ」ことを続ける限り、その人は一生億万長者になることはありません。
一方、「お金をたくさん貯めて基盤を作り、お金に困らない生活をしたい!」と考えていると、支出が減って、みるみる億万長者へ近づいていきます。結局、億万長者は「誰よりもお金を貯めることのできる人」なんです。
コーネル大学ジョンソンスクールの経済学教授、ロバート・H・フランクは、彼の著書(2)の中で、高価なスーツや靴、腕時計のように、地位の高さを誇示するもの(地位財、ステータス・シンボル)をいくら買っても、幸福にはつながらないと指摘しています。
高い買い物をしたところで心は満たされません。「お金持ちに見られたい!」「高いものを身に付けて羨ましがられたい!」という虚栄心は、僕らを貧乏にするうえ、幸せにもしてくれないのです。
そう考えると、お金持ちを目指す人に必要なのはささやかな日常を楽しみ、「足るを知る」ことなのかもしれません。
【参考文献】
- 書籍:トマス・J・スタンリー, ウィリアム・D・ダンコ, 2013, 『となりの億万長者 成功を生む7つの法則(早川書房)』
- 書籍:ロバート・H・フランク, 2017, 『幸せとお金の経済学(フォレスト出版)』