確定拠出年金とは原則として解約できない!掛金を支払えなくなった場合は?
確定拠出年金は、支払われた掛金が個人ごとに明確に区分され、その掛金と運用収益との合計額をもとに年金給付額が決定される年金制度をいいます。詳しくはこちらも確認してみて下さい。<目次>
iDeCoに加入後は、原則として、解約できません。一般の貯蓄等とは異なり、原則 60歳以降の受給年齢に到達するまで、資産を引き出すことができない仕組みとなっています。
掛金の支払いの継続を希望しない場合は、iDeCoの加入者資格喪失届を運営管理機関に提出し、運用指図者として、それまでの積立金の運用を継続していくことになります。
運用指図者とは?一定の条件に該当する場合には、脱退し、脱退一時金を受け取ることができる
掛金の支払いを行わず、資産の運用の指図のみを行う人のことをいいます。加入者資格がない人のほか、希望により、加入者資格を喪失し、運用指図者となることも可能です。iDeCoは、原則として、解約はできず、運用指図者として、それまでの積立金の運用を継続していくことになるのですが、例外として、一定の条件に該当する場合には、脱退し、脱退一時金を受け取ることができることになっています。
60歳未満でも脱退一時金として資産を受け取ることができる条件
以下の5つの要件のすべてを満たす場合は、60歳未満でも脱退一時金として資産を受け取ることができます。① 国民年金の第1号被保険者のうち、国民年金保険料の全額免除又は一部免除、もしくは納付猶予を受けている人
② 確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと (給付の種類は4種類あります。詳しくはこちらも確認してみて下さい。)
③ 通算拠出期間が3年以下、又は、個人別管理資産が25万円以下であること
④ 最後に企業型確定拠出年金又は個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入者の資格を喪失した日から2年以内であること
⑤ 企業型確定拠出年金の資格喪失時に脱退一時金を受給していないこと
ポイントは、国民年金の第1号被保険者で、国民年金保険料の全額免除又は一部免除、もしくは納付猶予を受けている人しか、脱退することができないという点です。
国民年金の保険料免除制度
所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得等が一定額以下の場合や失業した場合など、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合は、申請により、保険料の納付が免除される場合があります。免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類があります。保険料納付猶予制度
20歳から50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得等が一定額以下の場合には、申請により、保険料の納付が猶予される場合があります。国民年金の法定免除
次に該当する国民年金の第1号被保険者は、届け出を行うことにより、保険料が免除されます。(1) 障害基礎年金または被用者年金の障害年金を受けている
(2) 生活保護の生活扶助を受けている
(3) 国立及び国立以外のハンセン病療養所などで療養している
生活保護を受けるようになった場合には?
生活保護を受けるようになった場合には、国民年金の法定免除に該当することとなり、上記5つの脱退一時金給付要件の①を満たすことになりますので、残り4つの要件に該当する場合には、脱退一時金の給付を受けることができることになります。では、被災された人への特例措置は?
被災された人で、掛金等の納付が困難な場合においては、その掛金の納付を一時停止することができ、また、停止期間中の掛金等を後日まとめて納付するこができるようにする掛金納付の特例措置が通知されることがあります。通知は、官報やiDeCo公式サイトに掲載されますので確認するようにしましょう。
脱退一時金の給付5要件を満たすのは限られた人になりますが、一度、該当しているかどうかの確認をしてみてはいかがでしょうか。