アドバイス1 大家族は家計的にはメリット大。要注意は建て替え資金
かずよ。さん家族とご両親、お祖母さまの四世代が同居していらっしゃるのは、家計にとっては大きなプラスです。家計調査年報を見ても、世帯人数が多くなるほど一人当たりの生活費は低くなります。同居率が高い地域は、共働き率や貯蓄率も高くなるなど家計管理の面ではプラスに働く可能性が大。かずよ。さんの場合も家族5人暮らしだったら、この支出で暮らすのは難しいはずです。もちろん、リスクがないわけではありません。それは、ご両親の健康と資産です。ご両親が健康なうちは問題ありませんが、介護が必要になったときどうするのか、自宅の建て替え資金はいくら準備されているのかといったことを、機会を見つけてご両親と話し合っておいてください。介護費用はご両親の年金や資産の範囲内で行うのが基本ですから、年金額や資産額を知っておくことも重要です。準備されている建て替え資金が少なければ、かずよ。さんの家計からも支出する必要が生じるかもしれません。実の親子でもお金の話はしにくいものですが、“こんなはずではなかった”ということにならないよう、きちんとコミュニケーションをとっておきましょう。
アドバイス2 貯蓄性保険が有効なら上手に活用を。ただし掛け過ぎはリスクあり
確かに貯蓄は少ないですが、だからといってお金が貯まっていないわけではありません。解約時期などの制限はあるものの、ご夫婦合わせれば1500万円以上の貯蓄性保険が払い済みになっていますし、現在も児童手当の全額を貯め、貯蓄性保険の保険料を5万円以上払っています。収入から見れば十分優秀な貯蓄率といえますが、保険を使っての貯蓄はお金の流動性がありません。保険で貯蓄を確保するのは合理的ではないのでファイナンシャル・プランナーとしてはあまり勧めたくありませんが、散財癖があるご主人からお金を守るための方策と考えれば有効かもしれません。注意したいのは、教育費が必要なタイミングで現金を用意できるかということ。満期の時期を正しく把握し、途中解約が必要な場合は解約返戻金を試算してもらいできるだけ不利にならないよう、またすべてを解約するのではなく部分解約をして取り崩していきましょう
アドバイス3 株はすべて売却してリ・スタートを
株式運用で大きく損失を出しているとのこと、この際、思い切って売却することをおすすめします。投資をするうえで必要なのは、失ったお金は見ない、取り戻そうと思わないこと。そのうえで、今後どうするかを考えましょう。そもそも、投資はじっくり成果が積みあがるものです。風がフォローのときはしっかり帆に受けて進み増やしていく、逆風のときは帆をおろしてできるだけ被害を受けないようにする。これを繰り返して資産を増やしていくのです。運に任せた投資は、かなり高い確率で損失を出します。持ち続けているとのめり込んでしまいますから、いったん売却してリセットし頭を冷やすのです。現金化して株のことが頭から離れた状態で、改めて何を買うか考えてみてください。基本的にはあまりマーケットを気にしなくていい、国際分散投資で長期的に運用するのがいいでしょう。株式運用をしていた人から見るとつまらないと思うかもしれませんが、損失を出しにくくするためには必要なことなのです。
相談者「かずよ。」さんより寄せられた感想
ありがとうございますm(_ _)m。もっと早くマネープランクリニック様にご相談すればよかったと後悔しております。手元の貯金が少ないのでその点を改善していきたいと思いました。株の損失は確定している損失を取り戻すのは厳しいと思いますがのめり込み過ぎていて時間を無駄にしていると感じていたところですので、塩漬けで長い目で見ていきたいです。教えてくれたのは……
藤川太さん
All About「資産運用」ガイド。「家計の見直し相談センター」で10年以上にわたり1万5000世帯を超える家計の見直しを行ってきたFP。資産運用、家計管理、マイホーム購入、不動産投資などに詳しく「普通の人」でもお金を貯める・増やせるようになる方法をアドバイスしています。
取材・文/鈴木弥生
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