ノマドになって人生の幸福度をアップ
お店やオフィスを持っていない自営業は、ほぼ全員ノマドのようなものです。昔からそういうワークスタイルはあり、呼び方が変わっただけのように映ります。しかし、インターネット技術やクラウドサービスの発展によって、より幅広い人々がノマド的な働き方をできるようになった、という側面はあるでしょう。もっと画期的なのは、「ネットで稼ぐ」という収入形態が可能となったことです。それはただモバイルガジェットで武装して、カフェで仕事をするという形式的なものにとどまりません。ネットだけで完結するビジネスであれば、パソコン1台とネットにつながる環境さえ維持していれば、リスクを逃れてチャンスのある場所へと移動の自由を手に入れ、人生の幸福度を大きくする生き方ができます。
ノマドライフで「お金」と「時間」の自由を最大化
ノマドの定義は人それぞれ異なりますが、やはり自由の最大化です。そして自由とは、「選べること」です。たとえば、1000円のワインか1万円のワインかを選べる、エコノミークラスかファーストクラスかを選べる、日本か海外かを選べる、旅行に行きたいと思えば行ける、外食したいと思えばできる、寝坊したければできるなど。それは、「自由に使えるお金×自由に使える時間=より大きくする」ということです。自由に使えるお金がたくさんあっても、超多忙で家族と過ごす時間もなければ、自由度は低くなります。こんなにお金がもらえるなら、多少は忙しくても気にならないという人もいるかもしれませんが……。反対に、時間がたっぷりあっても、お金がなければ不自由でしょう。
収入が変わらない、あるいはちょっとぐらい減っても自由な時間が得られるなら、それはそれで幸せだという人は少なくないと思います。実際、ノマドを選ぶ人は、お金よりも自由に使える時間を求めている人が多いと感じます。
毎朝決まった時間に会社に行き、一定時間拘束され、やりたくない仕事をやらされ、上司や取引先にがみがみ言われ、そんな苦痛な状態で何年も人生を費やすのか…‥‥。それよりも、収入が半分になっても自由なほうがいい、朝は好きな時間に起きて夜も好きな時間に寝る、誰からも指図されず、自分で1日を組み立てたいという人はいると思います。
拠点を移せば、収入が減っても豊かな暮らしが実現可能
さらに、ノマドライフをもっと大きな視点で捉えると、日本以外の国、たとえば新興国を拠点にすると、サラリーマン時代より収入が減っても、むしろ余裕がでます。フリーになって月収20万円だとします。これだけなら、フリーなんてならなきゃよかった……と思うかもしれません。しかし、生活環境の良し悪しは別として、ベトナムやカンボジアにいて、翻訳やデザインなど日本向けの仕事をしていたらどうでしょうか。生活費は、家賃と食費を合わせても月10万円もあれば十分で、メイドさんも雇えます。
円で稼いで物価の安い国で暮らす場合、月収20万あれば現地の月収50万円以上の高給取りと同じくらい、余裕があるといえます。
ノマドは請負仕事から脱却すべし
ノマドとフリーランスは似ていますがちょっと違います。一般的なフリーランスの仕事は、大手企業から仕事をもらう、下請け業務が中心です。たとえば、写真撮影を依頼される、デザインを依頼される、取材や原稿書きを依頼される……。しかし私が目指しているノマドは、自分でビジネスを創り出してリリースする、「アントレプレナー型」です。というのも、下請け業務がメインでは不安定だからです。下請けフリーランスは、今まで会社で請け負っていた業務を個人で請けるだけですから、仕事は会社から降ってくるか、発注元から直接降ってくるかの違いだけです。
発注主や依頼者に見積もりを提示し、価格を比較される、提案プレゼンを要求されて値引き交渉も入る、終了後は請求書を送るけれど相手の支払い条件を飲まなければならないといった状況もよくあります。やりたくない仕事でも、単価が低い仕事でも、やらざるを得ない場面が出てくるかもしれません。そして発注主が依頼をやめれば、そこで仕事が途絶えてしまいます。
もちろん私も友人の中に、営業しなくても注文がひっきりなしに入ってくるライター、デザイナー、コピーライターもいます。確かにこうなると仕事は選べるし、継続性もあるので安心度はあります。しかしそれには、よほどの能力や営業力、人脈が必要です。また、自分の労働力に依存するとレバレッジが効きにくく、働けなくなれば収入もストップしがちです。
自走できるノマドワーカーになる
そこで自ら商品を創り、価格を設定して集客し、自分でできない部分は他のプロフェッショナルと組み、外注を利用して商品・サービスを売っていくのです。こうなれば、発注主も依頼主も不要ですから、仕事が減ったり、単価が下がったりといった心配とは無縁になります。単価や納期、資金回収時期、忙しさも自分でコントロールできます。依頼を受けなくてよいので見積書を出す必要がなければ、提案やプレゼン、値引き交渉も不要だし、請求書さえ送る必要もありません。軌道に乗れば、外注スタッフに運営を任せることも可能です。実際、私もそうやっています。