アドバイス1 親、兄弟などへの援助は、もう充分。今後はやめる
複雑な家族関係の中で、やまさんは本当に頑張ってこられました。とても働き者でまじめな方で、正直すごいと思います。ただ第三者として客観的にアドバイスさせていただくと、もう充分なことをしてこられました。そろそろ、自分の人生を大切に考える時期が来ていると思います。お話を聞く限りでは、周囲の方たちには自助努力の気持ちがあまりないようです。この状況では、やまさんがどんなに頑張っても穴のあいたバケツに水を入れているようなもの。やまさんの収入源となっている接客業は、年齢を重ねただけ収入が増えるとは限りません。それどころか体力的には年々厳しくなるはずです。このままズルズルと関係が続いていくと、やまさん自身の生活にも支障が出かねません。ご親族とは縁を切る、身を隠すといったことも考えてもいいかもしれません。
アドバイス2 資産運用を収入の軸にしたいならインカムゲインを目指す
資産運用を軸に収入を得ていきたいというご希望があるようですが、そのためにはキャピタルゲインではなくインカムゲインで収入が得られる資産内容にしなくてはいけません。超低金利の今、安定的なインカムゲインを期待するなら不動産投資が一番の選択肢です。ただ、頭金にする資金は十分お持ちですが、接客業では借り入れができない可能性が高いので今のままでは実現は難しいかもしれません。まず、現在の投資内容について見ていきましょう。日本株は現時点では損益ゼロとのことですが、個別株は値動きが大きいので細かく相場を追える人でないとなかなか収益を出すのは難しいです。正直言って、個別株では損をしている方を大勢見てきました。タイミングを見て売却してはどうでしょう。投資信託は投資対象を分散して長期積立投資をすれば、ある程度リスクを抑えることができます。金融商品で運用するのなら、投資信託で国際分散投資を軸にすることをおすすめします。
気になるのは、ソーシャルレンディングです。預貯金や社債などよりも好利回りなのはリスクがあるから。一定割合のデフォルト(債務不履行)は必ず起こるもので、できるだけ多くの投資先に分散するように心がけましょう。デフォルト率は景気が悪くなると増える傾向にあります。今後は注意が必要でしょう。
“お客様の運用先に預けているもの”というのも不安を感じます。やまさんは何で、どのように運用されているかを理解していますか。投資の基本は、内容のわからない商品は買わないことです。これも見直しを考えた方がいいかもしれません。
アドバイス3 安定的な収入が得られる職業へ転職を
資産運用で暮らしていくためには、不動産投資が選択肢になるとお話ししました。そのために必要なのは、融資を受けられる信用を作る=定期的な収入を得ることです。現在のお仕事では年齢とともに稼ぎにくくなり、これまでのように収入を得てお金を貯めることが難しくなってきていることをやまさん自身も感じていらっしゃるようですから、思い切って転職を考えてみてはどうでしょう。会社勤めは性に合わないとのことですが最近はさまざまな働き方がありますし、接客業には水商売以外のものもあります。転職をして借り入れができる信用を作ることと並行して投資用不動産を見極める勉強などをし、2~3年を目標に不動産投資をスタートさせるのです。今は疲れているかもしれませんが、不動産投資が成功すると次の物件を買おうという意欲から本業へのモチベーションがアップする人を何人も見てきました。水商売のセンスは投資力にもつながるはずですから、思わぬ才能を発揮するかもしれません。何よりも不動産投資は定期収入になりますから、これから生きていくうえで心強い資産になるはずです。
教えてくれたのは……
藤川太さん
取材・文/鈴木弥生
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