40代の家計が苦しい理由
40代は、収入が増えてきて余裕が出てくる世代というイメージがありますが、生活が楽ではないという方の相談が多いのが実際です。原因は様々ですが、何かしらの落とし穴のようなものにはまっていて、大きく分けると5種類の落とし穴があるようです。(1)取り越し苦労の人がはまる穴
(2)見栄っ張りの人がはまる穴
(3)見通し甘い人がはまる穴
(4)情報に振り回される人がはまる落とし穴
(5)予測不可能の穴
今回は、この「5つの落とし穴」の特徴と、落とし穴からの脱出法を紹介します。
(1)取り越し苦労の人がはまる落とし穴
取り越し苦労は、どうなるかわからないこと、起こってもいないことを心配することです。備えあれば憂いなしと言われますが、過剰な備えで今の生活を圧迫するのはいかがなものでしょうか。過剰な備えで最も多く登場するのが、保険です。過剰な保障=高い保険料を負担している状態なのですが、そもそもこの落とし穴にはまっている人は慎重な方が多いので「解約したり減額したりした直後に病気になったらどうしよう」と考えてしまい、なかなか削減に踏み切れないやっかいな落とし穴です。
もう1つ同じようなタイプで急増している相談事が、老後資金への備えです。
●落とし穴脱出法
・まずは心配事を書き出してみる。
・発生したら収入や費用がどうなるのかを調べる。社会保障でどれくらいカバーできるのか、いくら足りないのかなどを自分で計算してみる。
・相談する場合は、商品を売る側の人には相談しない(=相談する人からは買わない)。
・過剰な支出を削る。
起こってもいないことに気をもむ時間があるなら、とにかく今できることに一生懸命取り組むことが大切です。
(2)見栄っ張りの人がはまる落とし穴
この穴は、他人と比べて負けたくない・上回りたいと思うことにより落ちる穴。身の丈に合わないマイホームを購入しローン返済に苦しむ、高級な衣類・服飾品を買ったり、良いレストランに行き高級スーパーで買い物して気が付いたら毎月赤字、他にも旅行に行ったりといった贅沢な支出、子どもの習い事や塾、進学などの教育資金が過多になっている落とし穴です。●落とし穴脱出法
・張り合ってくる人との付き合いをやめる・距離を置く。
・使っているお金を分類して、優先順位を付け、下位の支出を徹底的に削る。
・SNSをやめる。人の投稿を見ない・自分もあげない。
付き合いをやめるのは様々なしがらみがあるので勇気が必要です。かなり難しい方法ですが、同じような価値観を持つ味方をつくりましょう。
(3)見通し甘い人がはまる落とし穴
1番目の「取り越し苦労の人がはまる穴」の正反対のタイプです。(2)のタイプとセットで落とし穴にはまっている場合が多く、基本的には浪費が多いという人です。●落とし穴脱出法
・家計の状況を認識する。今、いくら入ってきて、いくら出ていっているかを把握することから始める。
・何にお金を使っているのか意識する。
・将来の収入増につながることに支出の比重を移していく。
・All Aboutマネーの記事の中から自分に合う収入アップや節約方法を探す。正解はないので、色々と試したうえで続けられる方法を見つけること。
(4)情報に振り回される人がはまる落とし穴
インターネットや雑誌、テレビなどの情報を鵜呑みにしてしまい、それが標準だと思ってしまうことで、標準を目指し(あるいは超えようと)背伸びをしてしまっている穴です。例えば、40代の家計といっても、独身世帯もあれば、共働き子ども無しの世帯もあって、子どもがいると言っても子どもが生まれたばかりの世帯もあれば高校生・大学生がいる世帯もあり、親と同居している世帯ありとこれだけ見ても、家計の内訳が異なることはわかっていただけると思います。
●落とし穴脱出法
・数字を見たら、根拠はなんだろうと考えたり、調べたりすることを癖にする。
・わが家の目標を決めて、それを基準に家計の内訳を分析する。
(5)予測不可能の落とし穴
万一のことが起こってしまった方が陥る落とし穴です。40代以降に増えるのが、親の介護です。介護施設を利用する費用を親が用意していない場合には多額の支出が発生したり、受け入れ可能な施設が見つからない場合、退職を余儀なくされることもあり収入がなくなることもあります。●落とし穴にはまらないための備え
相談者の状況によって対策は異なりますが、基本的に次のような備えをおすすめします。
・生活費の1年分の現金預金または流動性の高い金融商品(いつでも現金化できる)を最低限用意しておく。
・介護や老後について、親、兄弟姉妹と親の意向や財産の状況などを話し合っておく。
終わりに
もし今、40代で生活が苦しいなと感じていたら、これらの落とし穴にはまっている可能性があります。まずは不安や問題を書き出してみましょう。その中で優先順位を付けて1つずつ解決していってください。書いてみたら大したことなかったということもあります。数十年先だけでなく1年後すら、どのようになっているかをわかる人はいないので、今できることは、家計の状況を知り自分たちの行動基準を持っておくこと、何が起きても柔軟に対応できる力を身に付けておくことだと思います。
【関連記事をチェック】
サラリーマンの年収はいくら?会社規模・年齢別も調査
年収は100万円以上少ない?東京と地方の家計を比較してみました
食費の平均はいくら?家族の人数と平均の食費