最近平日は、毎晩のようにYoutubeで生放送をしています。生放送では、お金に関する悩みや、資産運用に関する悩みについて、リアルタイムで相談に乗っています。
 
生放送には200人以上のリスナーが来てくれるのですが、時間中に全てを回答しきれないこともしばしばあります。そこで今回は、生放送中にいただいた質問で回答できずにいた「ローン返済と資産運用、どちらを優先すべきなのか?」について取り上げます。
 

住宅や自動車ローンの金利は何%?

そもそも、住宅ローンや自動車ローンの金利は何%なのでしょうか。比較サイトの「価格.com」に掲載された情報によると、住宅ローンの金利は約0.5%、自動車ローンの金利は約2%ほどの水準でした。
 
たとえば、住宅ローンを1000万円借りて、金利が0.5%だとします。仮に30年(360回払い)でローンを返済するとしたら、月々約3万円をローン返済に充てる必要がある上、金利は約80万円ほど出てきます。つまり、1000万円を借りたら、30年かけて1080万円にして返す必要があるということです。

また、自動車ローンを100万円借りて、金利が2%だとします。仮に10年(120回払い)でローンを返済するとしたら、月々約9,200円をローン返済に充てる必要がある上、金利は約10万円ほど出てきます。つまり、100万円を借りたら、10年かけて110万円にして返す必要があるということです。

いずれの場合も、返済額を引き伸ばすほど、複利効果によって金利が膨らみ、損をすることになります。
 
「ローン」と聞くと抵抗感が薄れる方も多いかもしれません。しかし、「ローン=借金」ですから、無計画に借りてはいけません。通常、お金はリスクを取って増やすものですが、「借金はノーリスクで確実に膨らむものだから損なのだ」ということを覚えておきましょう。
 

ローン金利は、個人向け国債の利回りの10倍以上

通常、個人向けに発行されるローンの金利は高く設定されます。つまり、「借りれば借りるほど損な仕組み」なので、できるだけローンを組まない方が無難です。
 
ローンの金利がどれだけ高いかというと、住宅ローンの金利は「個人向け国債の利回りの10倍」、自動車ローンの金利は「個人向け国債の利回りの40倍」くらいです。
 
個人向け国債とは、個人で国にお金を貸して、お金を増やすことのできる制度です。このとき、個人向け国債の利回りは「年あたり0.05%」くらいです。100万円を国に貸すと、毎年500円ずつお金が増える計算です。
 
「100万円を貸して500円しか増えないの!?」なんて驚くかもしれませんが、これが普通の利回りです。しかし、住宅ローンや自動車ローンを借りると、その10倍以上のペースで借金が増えていきます。
 
明らかに損な仕組みなので、「借りれば借りるほど損だ」と分かった上で、借り入れを行いましょう。また、借り入れをした場合は、できる限り早いペースで返済するとよいでしょう。
 

ローン返済vs資産運用、どちらを優先すべき?

ここまでの話で、「ローンは損だから、早く返済すべきだ」ということが、お分かりいただけたでしょう。とはいえ、「ローンの金利はたかだか年0.5%だから、株式投資で年率5%で運用すれば、そちらの方がお得なのでは?」と思う方もいるようです。
 
確かに株式投資では、リスクプレミアム(危険負担料)のおかげで、年あたり約5%のペースでお金が増えると期待できます。
 
しかし、株式投資では、景気が悪くなるとお金が半分に減ってしまうリスクがあります。リスクとリターンのバランスを考えると、借金は100%の確率で確実に支出になる「負債」ですが、株式投資はハイリスクで、半々の確率でしか収入が得られない「資産」です。
 
リスクとリターンのバランスを意識した資産の運用効率のことを、「リスク調整済みの期待リターン」と言います。住宅ローンや自動車ローンは、「リスク調整済みの期待リターン」の観点で見ると割に合わず、非効率です。
 
利回りだけを考えたら、「住宅ローンを借りて、そのお金を使って資産運用に回した方が得なのでは?」と思う方もいるでしょう。しかし、住宅ローンや自動車ローンは割に合わない負債なので、ローン返済を優先することがベストな選択です。
 

まとめ 

「ローン返済と資産運用、どちらを優先すべきなのか?」という質問への回答は、下記のようにまとめられます。
 
  • 住宅ローンや自動車ローンは、国債の利回りよりも10倍以上のペースで借金が膨らんでいく、割に合わない負債である。
  • 「リスク調整済みの期待リターン」の視点から見ると、資産運用よりもローン返済を優先した方がよい。
 
ちなみに筆者は、資産を運用して「お金持ちになりたい!」と考えているので、住宅ローンや自動車ローンは借りないと決めました。
 
これからローンを借りようと思っている方は、「ローンを借りたら、しばらく資産運用はできない」ことを覚悟しましょう。すでに借りてしまった人は、資産運用したい気持ちをぐっと耐えて、まずはローン返済を優先することをオススメします。
 
●参考文献
  • ウェブページ:価格.com, "住宅ローン 金利比較", 2019年1月14日時点
  • ウェブページ:価格.com, "マイカーローン・自動車ローン比較", 2019年1月14日時点
  • 論文:山口勝業, 2016, "株式リスクプレミアムの時系列変動の推計 --日米市場での62年間の実証分析", 証券経済研究, 93, pp. 103-111
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