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2019年冬(1月スタート)の新ドラマ、注目の作品は

近年多い刑事ドラマですが、冬ドラマでは定番刑事ドラマ枠以外では少なめ。代わって多いのは弁護士ドラマが三作。それ以外は多彩なジャンルのドラマが楽しめそう。それでは民放各系列とNHK、各チャンネルごとにおすすめの作品を中心に、2019年の主な冬ドラマを紹介します。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

ドラマガイド

近年多い刑事ドラマですが、冬ドラマでは秋から継続の『相棒』に、20時台のテレビ朝日木曜とテレビ東京金曜の定番刑事ドラマ枠以外では科捜研ものもふくめて二作のみ。そのかわりに多いのは『99.9』のヒット以来増加傾向の弁護士ドラマが三作。それ以外は多彩なジャンルのドラマが楽しめそう。
それでは民放各系列とNHK、各チャンネルごとにおすすめの作品を中心に、2019年の主な冬ドラマを紹介します。

 

1年ぶりヒットを狙う日本テレビ

水曜22時『家売るオンナの逆襲』北川景子、松田翔太、工藤阿須加、仲村トオル
木曜23:59『人生が楽しくなる幸せの法則』夏菜、高橋メアリージュン、小林きな子
土曜22時『イノセンス 冤罪弁護士』坂口健太郎、川口春奈、趣里、藤木直人
日曜22:30『3年A組-今から皆さんは、人質です-』菅田将暉、永野芽郁、田辺誠一、椎名桔平

『今日から俺は!!』が終盤追い上げたものの、ついに2018年は平均視聴率で10%を超えるヒットドラマがなかった日本テレビ。
まずは確実に期待できる続編もの『家売るオンナの逆襲』。結婚した三軒家万智(北川)と屋代課長(仲村)がテーコー不動産に復帰。二人の謎に包まれた結婚生活とは?そしてライバルキャラ・留守堂謙治(松田)が新登場します。

土曜枠は『嵐にしやがれ』との連動を重視してジャニーズ俳優がメインでしたが不振続きで『イノセンス 冤罪弁護士』ではついにジャニーズ俳優が主要キャストにいなくなりました。代わって主演は塩顔で人気の坂口健太郎。路線変更がどう出るでしょうか。

日曜は1年前に同枠で放送したトリッキーなドラマ『トドメの接吻』に友情出演していた菅田将暉主演の『3年A組-今から皆さんは、人質です-』。教師が生徒29人を人質にした10日間を描くという、こちらも変わったドラマ。生徒役として上白石萌歌、今田美桜と赤丸急上昇中な二人も出演、他にも新星がでてくるかも期待です。

よみうりテレビ枠は『人生が楽しくなる幸せの法則』。「ブス」であることを受け入れることが素敵な女性になるための第一歩というコンセプト。発表当初は原作である相席スタート・山崎ケイの著作と同じ『ちょうどいいブスのススメ』というタイトルでしたが風当たりがきつかったのか変えてきました。いまさら変えたからといって、女性の共感を得られるのか?

 

テレビ朝日は職場の悩みを解決

木曜20時『刑事ゼロ』沢村一樹、瀧本美織、寺島進、渡辺いっけい、財前直見
木曜21時『ハケン占い師アタル』杉咲花、小澤征悦、板谷由夏、及川光博、若村麻由美
金曜23:15『私のおじさん~WATAOJI~』岡田結実、遠藤憲一、城田優、田辺誠一
土曜23:15『僕の初恋をキミに捧ぐ』野村周平、桜井日奈子、宮沢氷魚、生瀬勝久


主力の木曜ドラマ枠は『女王の教室』『家政婦のミタ』など変なヒロインものを得意とする脚本家、遊川和彦が演出も手がける『ハケン占い師アタル』。遊川脚本作が多い日本テレビでは『家政婦のミタ』から『過保護のカホコ』まで、近年はすべて家庭を舞台にしていましたが、こちらはイベント会社が舞台。派遣社員のアタル(杉咲)には他人の悩みなどが見える特殊能力があり、周りの社員たちの問題を解決していきます。

金曜深夜は岡田結実が連ドラ初主演。バラエティ番組のADとして苦闘する一ノ瀬ひかり(岡田)の前に現れたのは彼女にしか見えないおじさん(遠藤)の妖精?性格の悪い妖精はひかりにつきまとい毒舌トークを続けますが、やがて本音を代弁してくれるように思えて爽快に。『おっさんずラブ』の貴島彩理プロデューサーの担当で、また変わった作品になりそう。

木曜20時は近年『科捜研の女』が10月から半年間放送されていましたが、めずらしく12月で終わって1月からは新作『刑事ゼロ』。優秀な刑事の時矢(沢村)は追跡中の転落事故で刑事としての記憶がゼロに。しかしそのことによって研ぎ澄まされた五感と洞察力で新たなスタイルで刑事を続けていきます。

土曜の『僕の初恋をキミに捧ぐ』は重い心臓病で20歳まで生きられないと宣告された逞(野村)と初恋の相手・繭(桜井)との純愛ストーリー。原作は少女コミックのヒット作で10年前に井上真央・岡田将生で映画化もされた名作です。

 

女優メインのTBS

火曜22時『初めて恋をした日に読む話』深田恭子、永山絢斗、横浜流星、中村倫也
金曜22時『メゾン・ド・ポリス』高畑充希、西島秀俊、角野卓造、近藤正臣
日曜21時『グッドワイフ』常盤貴子、小泉孝太郎、吉田鋼太郎、唐沢寿明

TBSの看板、日曜劇場枠『グッドワイフ』も弁護士もの。東京地検特捜部長である夫(唐沢)が汚職容疑で逮捕されさらに女性スキャンダルも発覚。子どもたちを守るため蓮見杏子(常盤)は専業主婦から16年ぶりに弁護士に復帰。『SUITS』と同じくアメリカのテレビシリーズが原作。アメリカと日本では弁護士の仕事内容が違いますが、うまく移し替えることができるでしょうか。

金曜ドラマ『メゾン・ド・ポリス』はタイトル通り刑事もの。新人刑事の牧野ひより(高畑)は元刑事の夏目(西島)のはなしを聞こうととある洋館を訪れるが、そこは元警官ばかりが暮らすシェアハウス。曲者ぞろいのおじさんたちはひよりを振り回しながら捜査をすすめていきます。

火曜の『初めて恋をした日に読む話』は同枠三年前の『ダメな私に恋してください』以来の深田恭子主演、女性コミック原作のラブコメ。しくじり鈍感アラサー女子・順子(深田)の前にタイプの違う3人の男性(永山、横浜、中村)があらわれます。

 

いい温泉宿にボロ宿のテレビ東京

月曜22時『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!~この女に賭けろ~』真木よう子、丸山隆平
水曜25:35『さすらい温泉♨遠藤憲一』遠藤憲一、ともさかりえ、山口紗弥加、大場美奈
木曜25時『デザイナー渋井直人の休日』光石研、黒木華
金曜20時『記憶捜査~新宿東署事件ファイル』北大路欣也、風間俊介、上白石萌音
金曜24:12『フルーツ宅配便』濱田岳、仲里依紗、荒川良々、松尾スズキ
金曜24:52『日本ボロ宿紀行』深川麻衣、高橋和也

テレ東は深夜ドラマであいかわらず攻めてます。
まずは水曜深夜『さすらい温泉♨遠藤憲一』。遠藤憲一が俳優引退?との噂を聞いたスタッフが調べると、なぜか中井田健一と名乗り温泉で男仲居として働く遠藤の姿が、というテレ東得意のフェイクドキュメンタリー形式。毎回、舞台となる温泉とマドンナが変わります。

『さすらい温泉』がいい温泉宿なのに対して、金曜ドラマ25枠は『日本ボロ宿紀行』。芸能事務所社長(深川)と一発屋の歌手(高橋)が在庫のCDを売り歩く中で泊まるボロ宿の魅力を描きます。

木曜深夜の『デザイナー渋井直人の休日』は『バイプレイヤーズ』の一人、光石研が連ドラ単独初主演。おしゃれな生活を過ごすが次々にあらわれるヒロインたちに中年デザイナーが右往左往。

金曜ドラマ24枠は舞台はデリヘル!ワケあり女子たちの人間模様を店長になった普通の男・咲田真一(濱田)視点で。

月曜22時の経済ドラマ枠は都市銀行の地方視点を女性総合職の主人公原島浩美(真木)が業績不振の支店の立て直しなどにより出世していく姿を描きます。原作コミックのタイトルは『この女に賭けろ』で『よつば銀行 原島浩美がモノ申す!』はドラマで足した部分。杏の『花咲舞が黙ってない』を意識してますね。

金曜の『記憶捜査』はベテラン刑事の鬼塚一路(北大路)は定年間際の最後の事件で犯人に刺されて車椅子生活に。しかし犯罪データを警視庁に送る司法係に再任用。刑事が忙しくて捜査できない「手付かず案件」が気になり独自に捜査していきます。

 

事件絡みのフジテレビ

月曜21時『トレース~科捜研の男』錦戸亮、新木優子、小雪、船越英一郎
火曜21時『後妻業』木村佳乃、高橋克典、木村多江、伊原剛志
木曜22時『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』竹内結子、水川あさみ、中川大志、斉藤由貴

『スキャンダル専門弁護士 QUEEN』は今季の弁護士ドラマ三作目。ただし主戦場は法廷ではありません。危機管理の専門家で、情報を操作しスキャンダルにまきこまれた女性を救います。メイン演出の関和亮は星野源『恋』のミュージックビデオなどを担当した映像作家。スタイリッシュな画像にも期待です。

恋愛ドラマから離れて徐々に復調しつつある月9は今回も事件もので『トレース~科捜研の男』。内容はほぼタイトルの通り。ポイントは原作者が元科捜研のリアル研究員であること。『科捜研の女』と違いを出せるでしょうか。

火曜21時は映画化もされた『後妻業』。舞台は原作通り大阪ですが、関西テレビ制作の連ドラで大阪弁ドラマは逆にめずらしい。つくられなかったのは多分、全国に通用するようにとの意図。それを解禁してどうなるでしょうか。

 

半世紀を描くNHK

金曜22時『トクサツガガガ』小芝風花、倉科カナ、木南晴夏、松下由樹
土曜21時『みかづき』高橋一生、永作博美、工藤阿須加、風吹ジュン
土曜23:30『ゾンビが来たから人生見つめ直した』石橋菜津美、土村芳、瀧内公美
日曜20時『いだてん 東京オリンピック噺』中村勘九郎、阿部サダヲ、綾瀬はるか、ビートたけし

注目は大河ドラマ『いだてん』。1912年に日本で初めてオリンピックに参加した金栗四三(中村)と1964年の東京オリンピックを招致した田畑政治(阿部)の二人が軸。1986年『いのち』以来の近現代を描く大河ドラマ、脚本が宮藤官九郎と『あまちゃん』スタッフ+『モテキ』『バクマン』などのヒットメーカー大根仁と強力です。

土曜ドラマ『みかづき』は森絵都原作。昭和30年代から現代まで、こちらも半世紀に渡るドラマ。塾を経営する一家の三世代を描き、戦後教育と家族を見直します。長いレンジなので朝ドラでみたかったところ。

土曜はもうひとつ23:30からの「よるドラ」枠。2018年4月から始まっていたのですが『植物男子ベランダー』の再放送だったため、新作はこの『ゾンビが来たから人生見つめ直した』から。ある地方都市でゾンビが大量発生。そこに暮らすみずほ(石橋)は生きる目標もなくなんとなくすごしていたが、ピンチの中、自ら生きる意味に気づいていくことに。

金曜の『トクサツガガガ』のヒロイン・仲村叶(小芝)は特撮オタクだが、母(松下)が嫌っているため隠している。しかし、いざというときには脳内が特撮モードになり彼女にしか見えないヒーローに励まされて危機を脱出する。特撮はNHKらしからぬようで『怪奇大作戦』をリメイクするなど意外に特撮好き。よろこんでつくってそうです。


最後にまとめ。今回の注目は常盤貴子『グッドワイフ』、竹内結子『QUEEN』、北川景子『家売るオンナの逆襲』の芸能事務所スターダストプロモーション所属・三世代先輩後輩女優主演作。三作の中ではパート2で実績のある『家売るオンナの逆襲』がスタートでは一歩リードしそう。

この三作に挑むのは『ハケン占い師アタル』。遊川和彦脚本、当たればデカいのが特徴です。

遠藤憲一が二作掛け持ちする『私のおじさん』と『さすらい温泉♨遠藤憲一』も注目。特に『湯けむりスナイパー』が遠藤憲一連ドラ初主演だっただけに同じテレ東深夜『さすらい温泉』がどんなドラマになるのか期待。

また『いだてん』も今回ヒットするかどうかが大河ドラマの今後にも影響を及ぼしそうな問題作です。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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