先日、株式投資を始めたばかりの個人投資家の方から、「大型株と小型株のどっちのほうが稼ぎやすい?」と尋ねられました。
 
一般に、株式投資では、「大型株=低リスク低リターン」「小型株=高リスク高リターン」と考えられています。そして、経済学者らの研究から見ると、「大型株を買うよりも、小型株を買ったほうが有利ではないか?」という見方のほうが強めです。
 
 

小型株効果:大型株よりも小型株のほうがリターンが高い!

「小型株を買う」ことは、「大型株を買う」こと以上に利益につながりやすいことが、経済学者らの間では広く知られています。学者のロルフ・バンズの研究(1)によれば、「小型株は、大型株よりもリターンが高い傾向がある!」のだとか。
 
その他の研究からも、「小型株はリスクの大きさの割に、大きなリターンが得やすい」ということが確認されています。単純に高リスク・高リターンというだけでなく、「高リスク・もっと高リターン」という現象が起きているのです。
 
この現象は「小型株効果(Size Effect)」と呼ばれ、ぼくら投資家が利益を出すために使える、有効性の高い指標の1つとして知られています。
 
また、小型株は、資産規模の大きな機関投資家(プロ)が手を出しにくいという側面があります。つまり、取引相手の多くは素人(アマチュア)である可能性が高いのです。間違った価格で取引されていることも多いので、小型株の中には掘り出しものが多いと期待できます。
 
小型株を探す時の目安としては、「時価総額が1000億円未満」あたりが有効だと思います。まずは、この条件に当てはまる銘柄から物色してみるとよいでしょう。
 
 

有望な小型株を目利きするコツ

とはいえ、いくら小型株が儲かりやすいと言っても、この傾向が将来も続く保証はありません。また、「小型株は当たり外れが激しいから、初心者向きではない!」というのも事実です。
 
財務が優れた会社を目利きすることのできない人は、手を出すべきではありません。そのような人は個別株を買うよりも、株式と連動するインデックス型投信を買ったほうが、安全に資産を増やせると思います。
 
その一方で、上手に小型株を目利きすることができれば、シンプルな投資法でも高い利回りが期待できることも分かっています。決算書を読むことのできる方であれば、そこそこの利回りを実現できると思います。
 
安全で株価が上がりやすい小型株を目利きするコツについては、2015年に公開されたワーキング・ペーパー(2)が参考になります。経済学者らによれば、「収益性の高い会社の小型株ほど、株価が上がりやすい!」ということが分かりました。
 
高収益な銘柄を見つける方法としては、「売上高営業利益率の高い会社を選ぶ!」「アクルーアルの低い会社を探す!」といった方法が挙げられます。詳しい手法については、以下の記事で取り上げていますので、本記事と併せてご参照いただけたらと思います。
 
参考記事:好景気には「高収益企業」の株価が上がりやすい!
 
 

まとめ

「安全にコツコツお金を増やしたい!」という方は、インデックス投信などを買い、コツコツ地道に積み立て投資をするのがよいでしょう。
 
一方、「多少、リスクを取ってでも、もっとお金を増やしたい!」という方は、本記事でご紹介した小型株投資のテクニックが役に立つと思います。「収益性の高い小型株を選ぶ!」というシンプルな方法ですが、科学的根拠たっぷりで信頼性が高い手法です。利用を検討してみてはいかがでしょうか。
 
それと、最後に。「小型株を買うベストなタイミング」については、経済学者らが、すでに調査してくれています。この手法については過去に既に取り上げていますので、本記事と併せて、お役立てくださいな。
 
参考記事:年明け1月は小型株を買おう

 
●参考文献
  1. 論文:Rolf W. Banz, 1981, "The relationship between return and market value of common stocks", Journal of Financial Economics, 9(1), pp. 3-18
  2. ワーキング・ペーパー:Clifford S. Asness, Andrea Frazzini, Ronen Israel, Tobias J. Moskowitz, and Lasse Heje Pedersen, 2015, "Size Matters, If You Control Your Junk", Fama-Miller Working Paper
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