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株を買うベストタイミングはいつ?

あなたは、株を買うベストなタイミングは何月何日の何時だか、ご存知ですか? 経済学者らの論文を読むと、答えが分かります。ベストなタイミングは、おそらく10月25日の15時です。なぜ、そんなことがいえるのか? これから、詳しく解説していきます。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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株を買うベストなタイミングは何月何日の何時?

実は、株式投資の成功には、「どんな株を買うか?」よりも、「いつ株を買うか?」の方が重要かもしれません。それにもかかわらず、大半の個人投資家の方は、さしてタイミングを気にしていません。これは、思っている以上に深刻な問題です。
株を買うベストなタイミングは何月何日の何時

株を買うベストなタイミングは何月何日の何時

あなたは、株を買うベストなタイミングは何月何日の何時だか、ご存知ですか? 経済学者らの論文を読み漁ってみると、その答えが分かってきます。ベストなタイミングは、おそらく10月25日の15時です。なぜ、そんなことがいえるのか? これから、詳しく解説していきます。
 
世界の経済学者たちは、「いつ株を買えば、もっとも利益を出しやすいか?」について、さまざまな研究を行っています。これから、「何月に株を買うべきか?」「何日に株を買うべきか?」「何時に株を買うべきか?」といった3点を基に、ベストなタイミングを割り出していきます。
 

株を買うなら何月がベスト?

世界の株式市場は、1年単位のサイクルがあります。これは、一部の経済学者からは「ハロウィン効果」と呼ばれています。ティルブルフ大学の研究(1)によると、株式市場は10月末(ハロウィン)から半年間に値上がりしやすい傾向があるのだとか。
 
この傾向は日本株式市場においても、60年ほど前から確認されています。成蹊大学の俊野氏の研究(2)によると、日本の株式市場でも1960年ほどから長期にわたってハロウィン効果(セルインメイ効果)が確認できることを示唆しました。
 
以上を踏まえると、株を買うベストな月は、株価が上がる直前の「10月末~11月初め」であるといえそうです。
 

株を買うなら何日がベスト? 

ぼくらが毎月、規則的な生活を繰り返すように、経済活動にも月単位の周期性があります。このことを、経済学者たちは「月内効果」と呼んでいます。イリノイ大学の研究(3)によると、株式市場は、月末月初に特に上がりやすい傾向があるのだとか。
 
この傾向は、日本でも確認されています。ニッセイ基礎研究所の伊藤氏の調査(4)によると、日本株市場は「25~31日」にかけて最も株価が上がりやすいようです。
 
よって、株を買うベストな日は、株価が上がる直前の「月末25日」であると言えそうです。
 

株を買うなら何時がベスト?

心理学者の調査によれば、ぼくらは1日の間で、気分の移り変わりが激しいのだとか。たとえば、会社に出勤する直前は憂鬱になったり、家に帰ってからは楽しくなったりしますよね。
 
株式市場も、こういった気分の移り変わりの影響を受けると考えられます。南カリフォルニア大学の研究(5)によると、株式市場には、1日単位の規則性が見られたのだとか。具体的には、「株式市場は夜間に上がりやすく、昼間に上がりづらい」という傾向が確認されました。
 
この傾向は、経済学者の間では「日中効果」と呼ばれております。個人的にも、日本株式市場について調べてみたところ、日中効果は確認できました。日中効果は、特に、大型株よりも中小型株に如実に表れるみたいです。よって、日本株を買うベストな時間帯は、夜間の直前である「15時」であると言えそうです。
 

まとめ 

信じられないかもしれませんが、「どんな株を買うか?」以上に、「どんなタイミングで株を買うか?」は重要なことが、よくあります。それこそ、タイミング1つで、収益率が2倍にも3倍にも変わることは、日常茶飯事なのです。
 
せっかく良い投資先を見つけても、タイミングを間違って損をしては台無しです。そうならないように、いま一度、タイミングに気を遣ってみてはいかが?

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【参考文献】
 
  1. 論文:Ben Jacobsen and Sven Bouman, 2002, "The Halloweeen Indicator, 'Sell in May and Go Away': Another Puzzle", American Economic Review, 92(5), pp. 1618-1635
  2. 論文:俊野雅司, 2017, “株式リターンの規則性”, 成蹊大学経済学部論集, 48(2), pp. 47-83
  3. 論文:Josef Lakonishok and Seymour Smidt, 1988, "Are Seasonal Anomalies Real? A Ninety-Year Perspective", The Review of Financial Studies, 1(4), pp. 403-425
  4. 調査:伊藤拓之, 2013, “投資の法則は変化したか?(4)―日米株式の写真相場から考える「曜日効果」・「月替り効果」アノマリー”, ニッセイ基礎研究所, 2018年9月30日時点
  5. 論文:Lawrence Harris, 1986, "A transaction data study of weekly and intradaily patterns in stock returns", Journal of Financial Economics, 16(1), pp. 99-117
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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