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転職すると貧乏になる会社を見分ける方法

テンプル大学のWilliam H. Hamptonらの研究によると、収入を予測するには「職業」と「教育」、「住んでいる場所」が大きな影響を与えるのだとか。今回は、「どんな会社に入れば、失敗せずに済むか?」についてお話ししましょう。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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以前の記事で、「年収アップにつながる要素トップ3は何か?」という話をしました。テンプル大学のWilliam H. Hamptonらの研究(1)によると、収入を予測するには「職業」と「教育」、「住んでいる場所」が大きな要因だったのだとか。
 
この研究をもとに、これまで「教育については、図書館へ行けば無料で本が読めるし、幸福感も高まるからサイコーだ」という話や、「お金持ちになりたいなら、奈良県か茨城県に引っ越すとよいのでは?」といった話をしてきました。
 
しかし、これまで年収アップにつながる職場の選び方については、取り上げてきませんでした。そこで今回は、「どんな会社に入れば、成功できる確率は高いのか?」についてお話ししましょう。
「働きやすい会社」の見つける2つのポイント 

「働きやすい会社」を見つける2つのポイント 

 

転職するなら「働きやすい会社」へ!

当たり前のことかもしれませんが、転職をするのであれば働きやすい会社に就職したいものです。しかし、実は働きやすい会社には「働きやすい」というメリット以外にも、優れた点があることをご存じでしょうか?
 
野村アセットマネジメントの山田らの研究(2)によると、日本経済新聞社が取り上げた「働きやすい会社ランキング」の上位にランクインした会社ほど、経営状態が良好でパフォーマンスが高いと述べました。つまり、「働きやすい会社」に入社することで、その後の成長性も期待できるということです。
 
よって、転職を検討している方は、転職希望先には働きやすそうな会社を選ぶとよいでしょう。
 

「働きやすい会社」を見つける2つのポイント 

ここまでの話で「働きやすい会社に入ればよい!」ということは、ご理解いただけたでしょう。では、具体的にどのようにすれば、働きやすい会社を見つけられるのでしょうか。
 
これから、「働きやすい会社」を見つけたい際には、どのような点に注目すればよいのかをご説明しましょう。「働きやすい会社」を見つけるとき、注目すべきポイントは「性別の多様性」と「離職率」です。
 
1つ目のポイントは、「性別の多様性」です。具体的には、管理職の男女比が平等……もしくは、他社と比べて女性が活躍している会社を選ぶとよいでしょう。たとえば、女性の役員や女性の管理職の比率が大きな会社に注目するとよいでしょう。
 
なお、役員については、上場企業であれば、有価証券報告書を見ることで、女性が含まれているかどうか、確認することができます。また、中小企業への就職を考えている方は、面接の際などに「御社の役員構成はどのようになっていますか?」と確認をとるとよいでしょう。
 
ちなみに、女性管理職が活躍する企業は、成長性が高いようです。大和総研のリサーチレポート(3)によると、「女性の管理職の比率が高い会社ほど成長性が高い」傾向が見られたのだとか。
 
2つ目のポイントは「離職者比率(平均勤続年数)」です。具体的には、会社への平均勤続年数が高く、離職率が低い会社を選ぶとよいでしょう。上場企業の場合、平均勤続年数は就活四季報などに載っています。大手企業への就職を考えている方は、同誌を確認するとよいでしょう。
 
ちなみに、東洋経済の調査(4)によると、従業員数が100名以上の調査対象では、平均勤続年数はおよそ13.6年だったのだとか。ですから、この数値を割り込む会社の場合は、働きづらい可能性があります。転職を決める前に、その可能性を覚悟しておいた方がよいでしょう。
 
なお、大和総研の調査(5)によると、「離職者比率の低い会社ほど成長性が高い」傾向も確認できたのだとか。たしかに、年中、社員が離職するような会社では、常に業務の引き継ぎなどが発生してしまい、業務効率が落ちそうですよね。よって、企業の成長性を確かめるという意味でも、離職者比率(平均勤続年数)には、気を配っておくと効果的でしょう。
 

まとめ 

通常、会社は表と裏の2つの顔を持っています。表から見るとよい会社でも、中に入ってみると「何これ……」という会社も沢山あります。ですから、働きやすい会社に入りたいからといって、素直に「うちの会社は働きやすいです!」なんていう会社を選べばよいという話ではありません。素直に会社の表の顔を信じればよいという訳ではなさそうです。
 
だからこそ、本記事でご紹介したような、客観的な分析方法は、転職先選びに有効だと思います。いま就活中の方や転職を検討している方は、これまでご紹介したテクニックを実践してはいかがでしょうか。
 
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【参考文献】
 
  1. 論文:William H. Hampton, Nima Asadi, and Ingrid R. Olson, 2018, “Good Things for Those Who Wait: Predictive Modeling Highlights Importance of Delay Discounting for Income Attainment”, frontiers in Psychology, 9(1545), pp. 1-10
  2. 論文:山田徹, 臼井健人, 後藤晋吾, 2017, “働きやすい会社のパフォーマンス”, 証券アナリストジャーナル, 55(11), pp. 75-86
  3. リサーチレポート:伊藤正晴, 物江陽子, 2016, “日本企業における女性登用の動向と企業パフォーマンス”, 大和総研調査季報, 21, pp. 64-91
  4. 記事:宇都宮徹, 2017, “平均勤続年数が長い会社ランキング500社”, 東洋経済ONLINE, 2018年9月30日時点
  5. 調査:伊藤正晴, 2018, “離職者比率の水準と企業パフォーマンス(下)”, 大和総研レポート
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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