安全性を強化したステーションワゴン新型『V60』
最近人気のボルボ(VOLVO)は、魅力的な新型車を続々と市場に投入し、好調な売れ行きとなっている。「2017-2018日本カー・オブ・ザ・イヤー」を獲得したXC60も、欧州の「カー・オブ・ザ・イヤー2018」に輝いたXC40も納期待ちになっているほど。
そんな状況の中、ボルボにとっての売れ筋モデルであるステーションワゴン新型V60を日本でも発売した。欧州市場では今年の春から発売されており、すでに人気だという。改めて紹介してみよう。
V60はアッパーミドルクラスに属するのだが、面白いことに車格がドイツ車と微妙にずれている。ボディサイズを見るとBMWなら3シリーズと5シリーズの中間なのだ。ベンツでいえばCクラスとEクラスの中間だ。
それでいて、価格は3シリーズやCクラスに限りなく近い。BMWやベンツが持つ強いブランド力に対して、ボルボはコストパフォーマンスと圧倒的な安全性能でやっつけようという作戦なんだろう。実際、日本で発表された価格を見ると、後述する安全装備が全て標準装備され499万円(Momentum)からのスタート。
ベンツ C200ステーションワゴンが576万円。BMW 320iツーリングで582万円。V60なら豪華装備の『Inscription』も599万円といった具合。
ちなみに、V60に搭載されるエンジンは254馬力の2000ccターボで、320iの190馬力2000ccターボより圧倒的にパワフルだ。スペック面で明確に勝る。
ゆとりあるラゲッジスペース
早速試乗してみた。実車を見るとスタイリッシュでいながら実用的。最近、ステーションワゴンはラゲッジスペースが小さくなる傾向にあるが、V60のリアハッチゲートはかなり直立した角度を持ち、見てわかるように相当広い。海外旅行用の大型トランク4つと手荷物4つくらいなら余裕で入る。それでいて、オーソドックスなワイド&ローのシルエットを持つ。人気モデルだったベンツ Eクラスワゴンや、ボルボ V70のイメージだ。やはりステーションワゴンは、それらしいスタイルが好ましいと思う。うれしいことに全幅を1850mm(先代比-15mm)に抑えており、同じクラスの日本車と同等レベル。
予想以上にパワフルな走り出し
Dレンジをセレクトして走り出すと、予想以上にパワフルだった。なんせ、最大トルクの350Nmはターボなし車だと3500ccに匹敵する。日本の道路環境だと、アクセル開度を3分の1程度くらいまでしか使わくても余裕で交通の流れをリードできる。エンジンは4気筒ながら滑らかだ。ボルボ『V60』。Inscriptionは18インチの10マルチスポーク アルミホイールが、Momentumは17インチの5ダブルスポーク アルミホイールが標準装備される(写真はInscriptionのオプションで5マルチスポーク)
乗り心地はタイヤサイズによって若干違う。輸入車ユーザーの多くは大きい方が性能良いと思っているのだろう。ボルボに聞くと、初期受注も18インチタイヤ装着の上級グレードばかりだという。穏やかな乗り心地を好むのなら、17インチのベースグレードも試してみたらいい。
対向車対応機能など、16種類以上の安全機能を標準装備
安全装備を見ると文字通り”てんこ盛り”で、合計16種類以上の先進安全機能「IntelliSafe(インテリセーフ)」を標準装備している。
自動ブレーキは自動車相手だけでなく、歩行者も検知する(歩行者事故の70%を占める夜間まで対応)。対向車や斜め後方のクルマと衝突しそうになったら、勝手にハンドル切って回避してくれる。バック時も、車両や自転車などの障害物を検知したら自動ブレーキが作動する。
さらに正面衝突が避けられないと判断された場合、最大で10km/hほど衝突速度を落としてくれる(City Safty - 対向車対応機能)。この制御で死亡事故を半分にできるというから効果は大きい。
ボルボは、2020年までに新しいボルボ車での交通事故による死亡者や重傷者の数をゼロにするという大きな目標を掲げており、着実に進化している。