そもそもリボ払いってどういうもの? 高額な金利手数料と返済時のリスクとは?
最近では、ポイントを貯めるために、さまざまな支払いをクレジットカードに集約させている人も多いもの。クレジットカードには、「一括払い」「ボーナス払い」「分割払い」「リボ払い」などの返済方法があります。このうち一括払いとボーナス払いは金利手数料がかかりません。ただし、高額な電化製品などをクレジットカードで購入した場合、一度に返済は難しいため、分割払いやリボ払いなどを利用するケースも多いでしょう。
リボ払いは、毎月1万円などと支払金額をあらかじめ決められるため、例えば1カ月に複数の買い物をした場合でも、月々の支払額は一定額に抑えられるので、クレジットの返済計画は立てやすくなります。
ただし、「毎月の返済額は決まっているから」と、無計画に買い物をしていると、利用残高がどんどん増えて、いつまでも返済が終わらない……ということにもなりかねません。
そもそもリボ払いの仕組みとはどうなっているのでしょうか。わかりやすく解説します。
また、キャッシングの特徴については「キャッシングとは? 借りるときの注意点とカードローンの違い」を参考にしてください。
リボ払いは利用残高が多いほど利息で損をする
リボ払いの特徴は、毎月一定の支払額を支払うという方法です。金利手数料は利用残高に応じて発生します。ちなみに毎月支払う金利手数料の計算式は以下のとおりです。利用残高(元本)×手数料率÷365日×30日※
※支払い間隔が30日の場合
分割払いは、最初に支払い回数を決めるため、買い物が重なった場合には、1カ月当たりの支払額が増えることになります。リボ払いは、最初に毎月の支払金額を決めるため、買い物が重なった場合にも、1カ月当たりの支払金額は増えません。
「毎月の支払額が変わらない」点をメリットととらえて、リボ払いを選択する人も多いのですが、毎月の支払金額が一定という点が、リボ払いの「落とし穴」なのです。
もし、1カ月当たりの支払額を抑えた金額にしていると、リボ払いで買い物をするたびに利用残高が増え、なかなか減っていきません。金利手数料は使った分にではなく、利用残高に対してかかるため、利息相当分も高くなって損をしてしまいます。
つまり、買い物やさまざまな支払いをクレジットカードに集中させていると、利用残高はいつまで経っても減らず、高い金利手数料の支払いがずっと続くというケースに陥ってしまうのです。
支払期間の終わりが見えないということにも
リボ払いを利用していると、利用残高や支払い方法はどのようになっていくのでしょうか。具体例で解説していきましょう。[例] 毎月の支払額1万円のリボ払いを選択し、継続してリボ払いでの買い物を行う場合。
- 5月……利用残高3万円 /返済額1万円+(利用残高×金利手数料)
- 6月……利用残高2万円+買い物1万円 /返済額1万円+(利用残高×金利手数料)
- 7月……利用残高3万円 /返済額1万円+(利用残高×金利手数料)
- 8月……利用残高2万円+買い物10万円 /返済額1万円+(利用残高×金利手数料)
- 9月……利用残高11万円 /返済額1万円+(利用残高×金利手数料)
- 10月……利用残高10万円+買い物5万円 /返済額1万円+(利用残高×金利手数料)
- 11月……利用残高14万円 /返済額1万円+(利用残高×金利手数料)
このように、クレジットカードを利用するごとに利用残高が増えていくため、どの買い物に対して支払いが済んでいるかなどを把握することが困難になってしまいます。そして、利用残高が増えるほど金利手数料がかさむため、返済総額が増えていき、元本部分の返済がなかなかできずに、金利手数料ばかりを支払うという事態になってしまうのです。
リボ払いの2つの支払い方法とデメリットを知っておこう
リボ払いの支払い方法には、「定額方式」「残高スライド方式」があります。まず定額方式ですが、支払残高がいくらでも、毎月支払う元本の返済額は変わらないというもの。利用残高が増えるとその分支払期間も延びていき、期間中はずっと金利手数料がかかります。残高スライド方式は、決められた利用残高のランクに応じて、毎月支払う返済額が増えたり減ったりするというもの。例えばあるカードの場合、以下のように支払い元本が変動します。
つまり、リボ払いの利用状況を毎月きちんと確認しておかないと、あるときから毎月の支払額が増えてしまうということもあるのです。
リボ払いを利用するときには、こうしたデメリットをきちんと把握しておくことが大切です。楽天カードほか、さまざまなクレジットカードのリボ払いでは、ボーナス時期など余裕があるときに繰り上げ返済をしたり、支払いコースの変更などができるケースがあります。現在リボ払いを利用している人は、一刻も早く残高を減らすようにすることが大切なのです。