貯蓄/貯蓄を増やす習慣

お金嫌いこそ知るべき!貧困のデメリット3つ

お金を持つ以上にお金を持たない方が、ぼくらの人生は乏しく、不幸になります。必要以上にお金儲けやお金を嫌うと、不幸を呼び寄せることにもなってしまうでしょう。だから、ぼく個人としては「お金儲け」を嫌う以上に、「貧困」を嫌うべきでは?と思います。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

  • Comment Page Icon
多くの方が、「お金儲けは悪いこと!」と考えています。また、金持ちが嫌いな方も結構いるようで、「金持ち=性格が悪い」「金持ち=ケチ」のように考えられてしまうこともしばしば。たしかに、湯水のようにお金を使う人を見ると、ぼくも嫌悪感を抱きます。

 
そもそもお金儲けというのは、社会貢献

そもそもお金儲けというのは、社会貢献


エラスムス大学の研究(1)によると、人々はそもそも「お金稼ぎ=悪」のように考える傾向があるのだとか。ぼくらが金儲けや金持ちのことを嫌うのは、本能が原因みたいです。しかし、そもそもお金儲けというのは、社会貢献な訳です。だから、嫌われる理由は無いはずです。

お金を持つ以上にお金を持たない方が、ぼくらの人生は乏しく、不幸になります。必要以上にお金儲けやお金を嫌うと、不幸を呼び寄せることにもなってしまうでしょう。だから、ぼく個人としては、「お金儲け」を嫌う以上に「貧困」を嫌うべきでは? と思っています。
 

貧困のデメリット3つ

「貧困はつらくて大変なものだ」ということは、言わなくてもイメージできるでしょう。しかし、具体的なデメリットについては、知らない方も多いのではないでしょうか。

貧困のデメリット1つ目は、「貧困になるほど不幸になり、不幸になるほど貧困になる」という負のループが形成されるという点です。

行動経済学者としてノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの研究(2)によると、年収900万円あたりまでは、「収入が増えるほど幸福度が高まる」のだとか。これを言い換えると、収入が減るほど幸福度が下がり、不幸になるということです。

さらに、ここからが怖いところで、ディーキン大学のCahit Guvenの研究(3)によると、「幸せな人ほどお金を貯めやすく、不幸な人ほどお金を貯めづらい」のだとか。つまり、貧乏は不幸を呼び、不幸がさらに貧乏を呼び寄せる……という、負のループに陥ってしまうという訳です。

貧困のデメリット2つ目は、「貧困になると人間関係に苦労する」という点です。

Tony D. Guzewiczらの研究(4)によると、人はホームレスのことを嫌い、蔑む傾向があるのだとか。つまり、「お金に困っている」という事実が、その人に対する印象を悪化させ、「無能な人間だ」とラベルを貼られる結果に結びつきやすいのだとか。

また、貧困の側面として「お金がないからこそ、上司の言いなりになってしまう」「今の会社を辞めることができず、やりたくもない仕事をやらされてしまう」といったことが起きてしまうのだと考えられます。足元を見られてしまい、さらに人間関係には苦労するのでしょう。

貧困のデメリット3つ目は、「貧困になると頭が悪くなり、さらなる貧困につながる」という点です。

米サイエンス誌の論文(5)によると、貧困な人ほどIQが低くなるのだとか。IQが下がることで意思決定の質が低下し、さらなる貧困につながる……ということも珍しくないようです。

また、失敗が自暴自棄を招く心理として「どうにでもなれ効果」というものがあります。これは一度の失敗が悪循環を呼び、「もうどうにでもなれ!」と考えてしまう思考のことです。こういった心理的な傾向も含め、貧困は悪影響を呼び、みるみる泥沼化してしまうのです。
 

貧困から抜け出すには?

ここまで読んでみると、いかに貧困が恐ろしいものか、お分かりいただけたかと思います。こういう事実を知った上で、「お金儲けが嫌い!」と考える以上に、「貧困に陥りたくない!」という気持ちを強めていただけたら幸いです。

ちなみに、「もうすでに貧乏な私はどうすれば?」という方については、そんな方に向けて、貧困から抜け出す科学的アプローチについても、過去の記事でご紹介しています。ぜひ、こちらの記事も読んでいただけたら幸いです。

【関連記事をチェック!】
貯金できない人が陥りがちな4つのペナルティ
「お金持ちはズル賢くて性格が悪い」は本当?
お金が貯まる人は、貯まらない人と使う言葉が違う?

【参考文献】
  1. 論文:Amit Bhattacharjee, Jason Dana, and Jonathan Baron, 2017, “Anti-profit beliefs: How people neglect the societal benefits of profit”, Journal of Personality and Social Psychology, 113(5), pp. 671-696
  2. 論文:Daniel Kahneman and Angus Deaton, 2010, “High income improves evaluation of life but not emotional well-being”, Proceedings of the National Academy of Sciences, 107(38), pp. 16489-16493
  3. 論文:Cahit Guven, 2012, “Reversing the question: Does happiness affect consumption and savings behavior?”, Journal of Economic Psychology, 33(4), pp. 701-717
  4. 論文:Tony D. Guzewicz and Harold Takooshian, 1991, “Development of a Short-Form Scales of Public Attitudes Toward Homelessness”, Journal of Social Distress and the Homeless, pp. 67-79
  5. 論文:Anandi Mani, Sendhil Mullainathan, Eldar Shafir, and Jiaying Zhao, 2013, “Poverty Impedes Cognitive Function”, Science, 341(6149), pp. 976-980
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/12/31まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます