10万円以下の高配当株や株主優待銘柄を買う場合は注意が必要!?
配当や株主優待は株式投資の醍醐味の1つです。もともと株式会社は株主が出資して、経営者と従業員が稼ぎ、稼いだ利益から配当を株主に還元する仕組みでもありますので、株式投資をする上で配当利回りは重要な要素の1つですし、株主優待も同様です。低金利が続く中、配当利回りや優待利回りの高い銘柄はそれだけで魅力的に映りますよね。特に安定的に配当を出している企業は人気を集めやすく、底堅い株価推移を期待できるものもあります。最近では10万円以下で購入出来るような少額から投資出来る高配当銘柄や株主優待銘柄に人気があります。中には5万円以下、あるいは1万円台で購入出来る銘柄もあります。そのぐらいの金額なら初心者でも気軽に購入出来る点が人気の秘密でしょう。もちろん、好業績で財務内容もしっかりしており、たまたま割安な銘柄がみつかれば言うことはありません。ただ、2012年頃でしたらそのような銘柄はたくさんあったのですが、アベノミクスで株価水準が全体的に上昇してきた日本株では、そのような銘柄はなかなか見つからなくなってきたのも事実です。
そして、ファンダメンタルが悪く、ただ株価が低いという理由だけで高い利回りとなっている銘柄に投資をすると失敗する可能性が高くなります。そこで今回は10万円以下の高配当株・株主優待銘柄を買う場合の注意点について書いてみたいと思います。
【ファンダメンタルについては以下をチェック】
ファンダメンタルズとは?その意味や分析方法を解説!
<INDEX>
1.業績悪化で株価が低く、高利回りになっている銘柄を選ぶ場合の注意点
2.配当性向が高くなりすぎている銘柄に投資する場合の注意点
3.一時的な利益計上により配当が多くなっている銘柄に投資する場合の注意点
4.自己資本比率が低く、総資産に占める有利子負債の割合が大きい銘柄に投資する場合の注意点
1.業績悪化で株価が低く、高利回りになっている銘柄を選ぶ場合の注意点
まず、注意をしないといけないのは株価が低いばかりに利回りが高くなっているだけの銘柄です。中でも業績の悪化(特に売上高の減少が続いている)が続いていることによる株価低迷によるものは注意です。そのような銘柄はたとえ現在は配当を継続していても、いずれ資金がパンクし、減配や配当廃止、あるいは株主優待の改悪・廃止となる可能性があります。もっとも、そもそも低位株は株価水準が低いだけの理由があるケースが多いので、業績が好調で、完璧な銘柄を探していては投資すべき銘柄が見つからないのも事実です。
では、業績が悪化している場合でも注目出来る高利回り銘柄は何でしょうか? それは先行投資が嵩んでいることによって利益の減少が続いている銘柄です。もちろん、そういう銘柄の全てが良いわけでは当然ありませんし、売上が縮小していないことや先行投資の内容が良いこと、先行投資が花開くまで耐えられる財務内容であることが条件ですが、時間はかかるかもしれませんが先行投資が上手く行けば、株価が再び上昇トレンドに入れるかもしれません。したがってこのような銘柄の場合はファンダメンタルを確認してみると思わぬ掘り出し物が見つかるかもしれません。
2.配当性向が高くなりすぎている銘柄に投資する場合の注意点
次に注意したいのは業績に成長が見られない一方で、配当性向が高くなりすぎていたり内容の良い株主優待を実施している銘柄です。当然ながら増配の可能性は低く、逆に減配や配当廃止、あるいは株主優待の改悪・廃止のリスクが高くなります。もちろん、ストック型ビジネスなどになっており、業績が安定的であったり、今後高い配当性向を維持していくのに十分すぎるほどの資産を保有している銘柄であれば問題はないのですが、資産内容がそこまで十分ではなく、業績に波のあるような企業では、業績が悪化すれば配当性向が下げられる可能性があります。
中には配当性向が100%という銘柄もあります。これは企業が稼いだ利益を全て配当として株主に還元すると言うことです。もちろん株主への積極還元は望ましいのですが、仮に何らかの事情で配当性向が下がって利回りが下がると、株価が大きく下がる可能性が高いです。
配当性向が高すぎる企業はその裏付け(十分な資産内容や安定したビジネスモデルなど)があるかどうかを確認するようにしましょう。
3.一時的な利益計上により配当が多くなっている銘柄に投資する場合の注意点
特別利益など、一時的な利益計上により配当が多くなっている場合も気を付けるべきです。資産売却による特別利益計上など、利益を得た源泉が本業によらないものの場合は、持続性がないからです。特に、その企業が成熟市場に属していて競争に負け、事業から撤退を余儀なくされる場合に行われる事業縮小に伴う資産売却は注意すべきです。一方、同じ資産売却でも、持ち株制に移行するなどして、グループ内で重複する場合に工場の集約などが行われることがありますが、この場合は将来的な経営効率の向上によるコスト削減が見込まれるため、ポジティブに捉えてよいでしょう。
4.自己資本比率が低く、総資産に占める有利子負債の割合が50%を超えている銘柄に投資する場合の注意点
最後に、当然のことですが、自己資本比率が低く、総資産に占める有利子負債の割合が大きいような銘柄、つまり財務内容が悪い銘柄も注意が必要です。もちろん、負債を業績拡大に有効に利用するなどして業績がきちんと拡大しているケースなら良いのですが(そもそもそのような企業の場合は、配当を出すよりも、その分を事業投資に廻した方が株主の為になるという観点から無配のケースが多いですが)、そうで無い場合は減配や配当廃止、あるいは株主優待の改悪・廃止をする可能性が出てきます。高い利回りが株価を支えている場合、そうなれば株価も急落するでしょう。さらに、苦しい財務を救うため、配当や株主優待を出し続けて株価を維持し、新株を発行して資金調達をするといったようなケースもあるでしょう。
以上、本来の意味では、配当は財務内容が良く、成長率は高くなくとも業績が安定的な銘柄であれば安心してもらえますが、やはり財務内容が悪かったり、業績、特に売上が縮小しているような場合は注意が必要です。高配当銘柄や株主優待銘柄を見る上では、これらのファンダメンタルを確認して配当の実施が持続可能かどうかを見極める必要があります。 利回りが高いことだけに飛びつくのは危険ですので、ファンダメンタルも確認してから投資をするようにしましょう。
参考:日本株しっかりサポートナビ
※記載されている情報は、正確かつ信頼しうると判断した情報源から入手しておりますが、その正確性または完全性を保証したものではありません。予告無く変更される場合があります。また、資産運用、投資はリスクを伴います。投資に関する最終判断は、御自身の責任でお願い申し上げます。
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